131 国境線って何処ですか?
すいません。投稿遅くなりました。
現在、私は監視されてます。
私を心配した父様は、私が勝手にグランダ皇国に攻め?込んで行かない様に監視を付けた。
私の側には兄様がピッタリくっついていて、何処に行くにも付いてくる…。
1人で転移するのを防止する為か、常に兄様と手を繋ぐか、抱っこされているか、お膝の上で座らされて優しく頭を撫でてもらっている…。
これはこれで、とっても心地良いのですが…嬉し恥ずかしよ。
それに凛々しいイケメン兄様のお顔を眺めて過ごすのも悪くはないんだけどね…。
今日はグランダ皇国に乗り込むのは諦めたけど、とりあえず国境の壁を造りに行きたいんだけどな。無理っぽい。
◇◇◇
あれから3日間、私は隣の領軍施設内で治癒のお仕事を任されている。
それだけだと暇なので、汗くさい領軍施設の中を掃除したり浄化したりした。
掃除と称して、刃こぼれしたり錆びて修練場に放置してあった武器や防具を万能庫に入庫し、私の新たなスキル《修復》で、こっそり直しておいたりして過ごした。
兄様は、綺麗になって万能庫から出てきた武器やらを見て、小さなため息をついていたけど、何も言わなかった。…父様と同じ反応するのね。
だけど、領軍兵士達には施設内が綺麗になったと好評だったから良かったかな。
「あの…兄様?一緒に散歩に行きましょ?」
「…そうだな。いいよ。何処に行きたいんだ?フィア。ただし、転移はだ…」
「はい。じゃあ、転移。」
兄様が言い終える前に転移した。
「め。」
兄様と転移して来たのはあの魔の森近くの巨大壁の前。
「フィア…転移は駄目だと言おうとしたのだけどね。で、ここで何をしたいんだ?散歩は口実なんだな?」
「ごめんなさい…兄様。」
そして、私は国境の壁を完成させたいと説明した。
「はあ…まったくお前は…。で、正確な国境を知りたいという事か。だが、西の砂漠の辺りとされているだけで、国交の無いグランダ皇国とは明確な取り決めはされていない筈だ。理由は西の砂漠が魔物の巣窟で人が入り込めない場所だったからだ。まあ、それも例の魔物避けの粉で状況は変わったが。」
「では、砂漠のど真ん中に国境を造っても問題は無いのですよね?」
「…問題無いとは言えない。明確にウチの領内である砂漠ダンジョンに手を出してきたと言う事は、すでにグランダ皇国が砂漠全体の実効支配を進めている可能性がある。もし砂漠の真ん中で出くわしたら危険だよ。最悪、戦争になる。」
「うーん。」
早い者勝ちって事でしょ?そんなの国境作っちゃったもん勝ちなんじゃない。グランダ皇国に先を越されたかもしれないのは痛いね。
「リグトス子爵に聞いてみましょう。グランダ皇国皇帝がそれを進めていたんなら、問題かもしれないけど、私はガルダート教皇が勝手にやってるんじゃないかと思うの。だって、確か魔物避けの魔道具があるとかしか知らなくて、信者だけにしか使えないって言ってたよね。」
だけど、よく考えたら、防衛の為にもガルダート信者の侵入を防ぐ為にも、壁は造るべきだろうけど…あの砂漠って必要かな?
だって…あのでっかいワーム、要らんよね?
ウチには色んなものドロップしてくれる砂漠ダンジョンあるしね。
…私には必要ないかも。
でも、この国には必要かもしれないしなぁ…。
私には政治なんてわかんないし。
なら、とりあえず今日はあの柵しかしてなかった砂漠ダンジョン村の少し外側だけ囲っておけばいいかな。
あ。でっかいワームで思い出した!
冒険者ギルドで素材売らなきゃ。
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