118 ガルダート教信者
お読みいただきありがとうございます。
本日2話目です。
「父様、3階層で見つけた者達です。直ぐに手分けして聴取願います。まだ他にもいる可能性があり、ガダン兵長達は3階層で警戒待機してます。」
そして、30人程の救出者達の中にはエリーが居なかった!どうして…?
他にも、領軍の兵士や比較的高ランクの冒険者が依然行方不明だと判明した。
今回救出したのは、この集落の商人や村人達、初級冒険者達だけだった。
初級冒険者は戦闘力が高くないので、ほとんどは1階層で岩塩採取と石貨集めをして、ダンジョン内に留まる事なくその日の内に集落に戻って、商人ギルドの方に岩塩を売り、回収した石貨で食事をする生活だそうです。
宿泊はディザの町に3軒とこの集落に1軒だけの宿屋がある。そして、領軍が管理する簡易的な施設もあり格安で利用出来るらしい。
領軍施設は寝具など無いが、個室なので、5人くらいは雑魚寝できるスペースがあり、寝心地はさて置き領軍兵士の管理により、当然ながら安全なのだ。
…いくら安全でもお布団が無いのはやだなぁ。私は無理だわ。この身体はどうか分からないけど、前世の身体だったら確実に翌日身体中がギシギシと痛んで動けないだろう。まず間違いなく寝られませんね。
宿屋に泊まれば、料金はお高めだが疲れがとれて、きっとダンジョンで元気に頑張れるんではないかと思うのだけど。
宿屋は1人一泊朝食付き3000リル、銀貨3枚。
領軍簡易宿泊所は素泊まり、布団無し、1部屋で1000リル、銀貨1枚。
岩塩1個は100リルで売れるらしい。ソルトロックは硬いので、割って討伐するのに苦労するけれど、安全。
石貨をドロップするスピンロックは、その場で回転するけれど、ソルトロックより脆いので、討伐しやすい。
石貨は日本円でたった1円くらいの価値しかないけれど、塵も積もれば山となる!1リルを笑う者は1リルに泣くのよ!30個程集めれば串焼き1本買えるのだから。
…そういえば薬草も1リルだっけ。懐かしい。
冒険者達は、ダンジョンに潜る前に必ず宿屋や領軍簡易宿泊所で休息を取るので、宿帳にパーティー名や個人名が記載されており、未だ行方不明と思われる冒険者は今朝からダンジョン入りした人達の内中級パーティ3組12人だけだと分かった。
そして、今回捕らえた黒ローブは6人しかいなかった。
果たしてこんな弱っちい6人だけで、これだけの人数を拘束出来たのか?
そう考えると、ダンジョンの中に残党がいて、エリーや領軍兵士達、未だ行方不明の3パーティの冒険者達が囚われていると思われる。
「リグトス子爵様、この6人はガルダート教の者ですか?」
「はい。確かにこの者達からガルダート教信者の気配を感じます。…ですが、救出した者の中にも、その気配を持つ者が多数混じっている様です。」
えー…何それ。最悪。直ぐに拘束しないと。
「ですが、その者達は先程、フィアルリーナ様の魔法で気絶した者達の様ですので…。」
あれ?そうなの?…あーなるほど。マップと雷ちゃんは誤魔化せなかったと。そう言う事ね。
そして、その一般人になりすましていたガルダート教信者達も捕らえた。
なんと全員この集落の住民だった…。
商人ギルド職員や商人は父様の営業許可が必要で身元がしっかりしているけど、この村の住民になり店で住み込み働いていた従業員達がまさかの敵だったなんて。
そして、聴き取り調査が進むにつれて、色々わかってきた。
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