12私の癒し
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
元々身体が弱かったということで、ベッドから出ることは許可されなくて、退屈な数日を過ごした。逆に筋力落ちてダメなんじゃないのかな。
もちろん、その間、ベッドの上でも自分の能力の考察は続けたよ。
エリーちゃんは、私が気を失い倒れてから雇われたメイド見習いさん。13歳の成人を迎えたので、働き先を探していて、たまたま私のお世話のために雇われたとのこと。
寝たきりの私の見守りや簡単なお世話ならメイド見習いでもできるし、私が元気になった後は、そのまま専属メイドになるという。
…いつもそのエリーちゃんが側にいるので、魔法の試し打ちや転移でどこか行けるところがないかとか、実際に検証が出来ないのが辛かったよ。
因みに、いつも私の周りにフヨフヨと漂っている光の玉。これは、精霊だった。エリーちゃんには見えないらしい。
この身体の記憶によると、精霊魔法士になったから見え始めたわけじゃなくて、生まれつきのものらしい。確かに称号にも『精霊の愛し児』とある。
いろんな色の精霊が居るので、名前をつけてみた。呼ぶと近くに寄ってくる。…可愛い。
つけた名前を忘れてしまったらまずいと思ったので、本当に単純な名前をつけたが、壊滅的なレベルのネームセンスで落ち込む。でも、忘れてしまうよりはマシだと、精霊達に心の中で謝りましたよ。精霊達は気にしていないのかいつも通りフヨフヨでしたが。
赤いのが『えんちゃん』、青いのが『すいちゃん』、緑のが『ふうちゃん』、茶色いのが『つーちゃん』、黄色いのが『らいちゃん』、白いのが『こうちゃん』、紫のが『あんちゃん』この7つ…7人?
この子たちが、身動き出来ない私の癒しになってくれているのは間違いない。
ああ…早く精霊魔法を試したいなぁ。
あ。先に色々検証するための場所から探すことになりますけどね。まだ、この部屋の中から出してもらってないから、まずはこの屋敷の探索から。
一度行けば、次からは転移できるはずだから、この領内もくまなく散歩しよう。…禁止されない…よね?
禁止されても、抜け出しちゃうもんね!転移でこの部屋に戻ってしまえばOKよ。
とにかく、元気アピールしまくらねば。虚弱な私はもういないのよ。このふやかしたパンの病人食はもう嫌なのです。もっと美味しいものが食べたい!
それにしても…流石に元日本人の私にはちょっと限界が近いことがある。そう…お風呂に入りたい!
おトイレは…乙女の秘密…。ウォシュレットが恋しい…。神聖魔法の浄化を試してみたら、うまく発動したので結構重宝しています。
もう、このベッドで目覚めてから3日ほどたっている。こっそり浄化してるし、エリーちゃんがお湯で身体を拭いてくれるから、大丈夫と言えば大丈夫なんですけど、湯船に浸かりたいのです。
お風呂で癒されたい。はたして、この世界に湯船はあるのだろうか。




