108 複合魔法
「では、行ってきます!転移。」
結界は発動済みだし、大丈夫だと思ったの。
町の壁の上に転移、間近でヤツを見た…キモい!
嫌ぁーっ!デカくてブヨブヨしてて…そう言えば、サンドワームだもの、ミミズみたいなゴカイみたいな、私の苦手なヤツだった。ワームって付いてる時点で気づけよ私って感じ。無理!無理だわ!…逃げた。
「大丈夫かい?」
「ソ…ソレストさん…私、アレ、無理。キモ過ぎる。近くで見るのは耐えられませんでした…。」
「ははっ。君も女の子だったんだね。」
エエ…ソレハ、ドウイウ、イミ、デスカ?私は普通に女の子ですよ!もうっ!
良く考えたら、私のマップの範囲内なら精霊ちゃん達の攻撃、何処でも届くんだったし。
「でも、私の精霊魔法、ここからでも気づかれずに発動出来るんでした。わざわざ近くに行かなくっても、攻撃出来ますー。」
マップの範囲内全ての赤い点に攻撃。先ずはファイアーランスね。うん、イマイチ。次、ウインドカッター。うん、これもあんまり。表面に傷が付くくらいね。
次、サンダーランス。あ、ちょっとだけ効いたかな。地面に潜っても効いてる。痺れたのか慌てて地面から出て来たよ。ウォーターカッターもイマイチね。じゃあ、氷。アイスランス。お、刺さったわ。
ん、次は土ね。グランドスピア。あ、これも刺さった。うん、アイツ、土の中の魔物なのに土の魔法に弱いのかしら。ああ、硬いものが苦手なのかも。
でも、普通の剣とか矢じゃ通らないって言ってたし。
って事は、土と氷が弱点かしら。
でも、ついでに精霊ちゃん達の合わせ技の研究もしちゃおうかな。
えーと、土ーちゃんと炎ちゃんの複合技、メテオフォールを試してみたかったのよねー。
あと、土ーちゃんと水ちゃんの氷の複合技、名前は何にしよう…ロックアイス?…お酒でも出て来そう。昔テレビで見た永久凍土みたいな感じの隕石イメージかな。フローズンソイルフォールでいいかな。
よし、向こう半分にメテオフォール、こっち半分にフローズンソイルフォールをお見舞いしよう。
「先ずは、メテオフォール!」
あ。でっかい燃えてる隕石落ちて来たー。うん、ちゃんと1匹ずつに当たってる。逃げても無駄よ。さすが精霊ちゃん、狙い正確!まるで追尾システム付いてるみたい。だけど、ちょっとだけ派手かなぁ。デカい魔物相手にしか使えないね。素材は…ペッチャンコの黒焦げっぽいね。
「もう半分!フローズンソイルフォール!」
うん!蒼い綺麗な塊が当たると同時に凍ったね。これも土中に逃げても真上に落ちて触れるだけで凍るみたい。こっちの方が素材が綺麗に残るわね。でも、土中に居るのは掘り起こさないと…面倒な魔物ね。土ーちゃんアレ掘り起こしてくれる?
土ーちゃんが、ぼこんっとまるででっかい筍みたいに地上に押し出してくれた。
メテオフォールは…封印かな。全部潰して燃やしちゃうわ。勿体ない。
「………フィアちゃん…。」
おお!全部…殲滅出来ちゃった!あはっ!
「見える範囲なら、遠隔で殲滅できちゃいますね!サンドワームは土と氷が弱点みたいなんで、討伐隊に伝えましょう。まだ、町の向こうのダンジョン周りにもきっといるでしょうから。」
「いや、もう、何て言っていいか…。フィアちゃん、魔力はまだ大丈夫なの?」
「あ、はい。まだ大丈夫みたいです。」
「あ…ああ…そうなんだ。もう、討伐隊…は要らない気がするよ。取り敢えずこのままダンジョンまで行こうか。」
「はい!」




