107 サンドワームの弱点は?
本日も2話目の更新です。
西門は砂漠ダンジョン目的で集まっていた冒険者達でごった返していた。
だけど、異変の知らせに皆西門の外、砂漠ダンジョンの方面を見ていたので私達が急に現れた事に気づいた人はいなかった…と思う。
まあ、多少気づかれても、冒険者ギルドのギルドマスターがかなりの実力者である事は知られているので、問題はないと思う…多分。
「行こう。全速力で走るけど、着いて来れるかな。」
「えーと、離されたら目視転移しますので、ガンガン飛ばしちゃって下さい。」
そして、砂煙が舞い、砂で霞む向こう側に壁で囲まれた町らしきものが見える所まで来た…普通にソレストさんと並走して来ました。最近、ちょっとだけ自分の身体が怖いですね。
「…はあ。凄いね…フィアちゃん、まだまだ余裕みたいだね。」
「あははは…何とか余裕…みたいです。」
マップを展開すると、円形の場所の中に白い点が無数に有り、それを囲むように周りには赤い点がある。
今のところ魔物は壁の中には入り込んではいないみたい。壁が頑丈みたいね。でも、このままでは、町の中から出られず餓死する可能性が高い。
「あのサンドワームは柔らかい土の中を高速で移動して獲物を丸呑みするんだ。普通は硬い地盤のある場所には現れない筈なんだけどね。幸いあの町は地盤の硬い所を探してその地盤いっぱいの広さを利用して造られたから、地中から侵入される事は無いけど、あのままでは町の物資もそう長くは持たないだろう。」
「サンドワームって弱点とかあります?」
「うーん、今まで討伐自体されていない魔物なんだ。だけど、接近戦は不利だと報告されているよ。身体は分厚く弾力のある皮で斬撃は中々通らない。あの口の大きさに入る物なら何だって丸呑みだから。魔法も余り効かないと聞いている。」
ふーん。身体は分厚いゴムみたいなのだろうか。ここからでは、あんまり良く見えないけど、かなり大きいみたいね。
ちょっとだけ弱点とか無いか試してみたいんだけど…ダメかしら。ここから攻撃したら、あれ全部こっち向かってくるよね。攻撃するなら全部殲滅する覚悟が必要ね。
「ソレストさん、アレとちょっとだけ戦ってみたいんですけど、駄目ですかね。目視転移で行って、私の攻撃が効かなかったら、すぐに転移で離脱しますので。弱点探さなきゃ、討伐隊連れて来ても無理ですもん。」
「うわー、俺も一緒に行きたいな。アレとは戦った事が無いんだ。だけど、君の足手纏いになりそうだし、ここから観察させてもらおうかな。…君のお父さんに知れたら大目玉食らいそうだけど。」
ふふ…そうね。父様の許可は絶対出ないわ。




