11家族
お読み頂きありがとうございます。
今年はこれで更新終わりです。
扉を開けて数人が部屋に入って来た。
エリーちゃんが、呼んだ人達。
「「フィアっ!」」
「目が醒めたのね!良かったわ」
白銀の髪の物凄いと表現する程の美女が目に涙を浮かべながら、抱きついてきた。
いい匂いがするぅ…これは母親ですな。
「どこか、痛いところとかないかい?」
ふおぉぉー!目の前にめっちゃイケメンがおるっ!
黒髪?いや…濃紺の髪の美青年だ!…これは父親と思われる。うん。記憶が浮かんできた。両親ですね。
あと、この家族に関する記憶によると兄と弟がいる。
両親の名前も不明。だって、『とうさま』『かあさま』としか呼んでなかった…。
兄は…5歳年上の10歳。『アルにいさま』と呼んでいた記憶がある。正式名称は不明。10歳なので王都の学校にいるらしい。
弟はエルド。2歳。今父親に抱っこされている。
鑑定を使いたいけど、近すぎて気づかれてしまいそうなので、今はやめておこう。
「とうさま、かあさま。ご心配をおかけしました。どこも痛いところはございません。」
「「え…?フィア…?」」
2人がハモる。何故?
「フィア…声が?」
えっ…なに。声?声がおかしい?!前と違うの?!
あ。5歳児じゃないよね。今の話し方は。失敗した。
「フィアが言葉を話してる…」
「声を出せるようになったのね!」
は?声?出せなかったって…
ええーっ!とうさま、かあさまって呼んでたのは、心の中だけかいっ!
喋れなかったなんてわからなかったよ。
まあいいわ。魔物ショックで声が出る様になったということでいいよね。
「はい、とうさま、かあさま。ちゃんと声が出せる様になりました。ところで、あれからどうなったのでしょうか?私達が魔物に遭遇したあとです。助かったのですね。」
「ああ。ただのオークばかりだったから、護衛の者達で撃退できたのだ。」
貴族に生まれついた者は5歳になると、王都の大教会で祝福を受け職業を授かるのが貴族の決まりだそうで、それを終えて領地へ戻る途中だった。
貴族は民を守るために戦うのが基本なので、強制的に戦闘系の職業になることが多い。私には、この世界に本当に神がいるのかはわからないが、自然とその人にあった職業が選択されるらしい。
平民は冒険者ギルドなどで適性検査を受けて戦闘系職業に就く。エリーちゃんみたいなメイドさんとか、商人など、非戦闘系職業はそれぞれギルドがあり、それに加入する事で、身分が保証され職業に就けるそう。
私も前世では治癒師ギルド行ったなぁ。すでに聖女って職になってたけど、便宜上、治癒師の身分証が欲しかったんだよね。
…就活しなくていいなんて、良い世界だと思うよ。
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