表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/172

101 想像神?

お読みいただきありがとうございます。

 

 そして、リグトス子爵は話し始めた。


「襲撃者の正体は、おそらくガルダート教会教皇直属の神殿騎士団と思われます。今朝、私は皇帝陛下と皇太子殿下に呼ばれマリアナ皇女の警備を厳重にするよう仰せつかっておりました。予てから教会が皇女様に対し、皇籍からの排除を唱え、怪しい動きをしていた為です。しかしそれは少し遅かったようで、既に城内に潜んでいた神殿騎士達に陛下と殿下は…捕らえられました。」


「あぁ…妾の所為で…父上と兄上は…。」


 んん?どうしてマリアナちゃんはそんなに嫌われてるのかしら…。自身を責めて泣くマリアナちゃんの頭を優しく撫でながら、小さくキュアヒールを発動して落ち着かせる。


「私は城内の異変を感じ取った皇太子殿下に咄嗟に隠され、皇女様を護り脱出するよう厳命されました。そして隠し通路から皇女の居室へ行くよう指示を受けた直後でしたので、彼奴等に踏み込まれた際、私が皇女様の元に向かったのを隠す為、陛下と殿下はわざと神殿騎士達の前に出て行かれたのです。余計な犠牲を出したくないのと、明らかに彼奴等の狙いが皇国の支配と皇女様の御命でしたので…。」


「しかし、それでは皇帝陛下と皇太子殿下の御命も危険なのではないのか?」


 父様が危惧した通り、今すぐにでも助けに行かないと危ないんじゃない?もしかしたらもう既に…。


「いいえ、恐らくは幽閉。処刑などはないでしょう。皇国民は皇帝家を敬愛申し上げており、お姿を拝見出来なくなれば直ぐに怪しむでしょう。教皇如きが民を支配など出来はしない。畏れ多い事ですが、隷属の魔道具を使われる可能性が高い。」


 思わず、身体がピクリと反応してしまう。そういえば『隷属の魔道具』はグランダ皇国で作られているんだったわ。


 聞いたら隷属の魔道具の出所はガルダート教会だそうです…何その聖職者にあるまじきダーティーな所業。人間をそんなモノで思い通りにしようなんて!これから私の心の中ではガルダーティー教会と呼んでやろう!


 それにしても、マリアナちゃんだけを殺そうとするのは何故?…理由を聞いた。


 それはマリアナちゃんの職が、ガルダーティー教もといガルダート教では認められないものだったらしい。どんな酷い職業だったのかと思ったけどね、『巫女』だった。全然排除する様な職には思えないのだけど?


『巫女』は女神リルディアから授かるレアな職なのだそう。私の『精霊魔法士』と同じくらいレアらしい。


 私は、鑑定でマリアナちゃんが『巫女』って知ってたけど、何も不思議に思わなかったのよ。だって日本には普通にあったし、ゲームとかでも普通に出てきた職業だったもの。


 創造神ガルダートが授ける職は剣士や騎士など、実は各ギルドで普通に就ける職ばかりで、魔法系、精霊系など、バルディア王国の女神教会で授かる職にはならない。


 …もう完全に怪しい宗教じゃないですかね。創造神ガルダートは本当にいるのかどうかって話じゃん。…うん、まあ、リルディア女神様も見た事無いんだけどね。ハクの話もあるし、リルディア様はいるんだと思うの。


 きっと想像(・・)神ガルダーティーが正解ね。


 その教皇一族は、信者を増やし続け、いつの間にかガルダート神を国教にまで押し上げ広めた。何かの魔道具を使った可能性はあるかもね。


ブックマーク&評価ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ