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91 美味しい方が良いでしょ?

 

 ハクは、魔の森の中に広がっている残りのダンジョン魔物を駆除しに行きたがったので、既に森の奥に走って行ってしまった。


 ふふ…でも、昨日の夜『プリーズ』でオレンジジュース出してみたら、なんと1ℓ紙パックで出てきたのよ!笑っちゃったよ。まあ、瓶とかペットボトルだと水入れとかに再利用出来るかもしれないけど、増えるとゴミになるから、燃やして証拠隠滅出来る紙パックで良かったかも。リサイクルシステムなんて無いし。


 ヘタって座り込んでいる5人の所へ転移し、万能庫からオレンジジュースの紙パックとマグカップを出して先ず1人に差し出した。


「お疲れ様です。これ飲んでみてね!美味しい果物の飲み物です!どうぞー。」


 と有無を言わさず押しつけた。


「は…はい…。」


 まあ、断れないよね。領主の娘から渡されたものだもん。へへ。大丈夫よー。毒じゃないからぁー。昨日ちゃんと毒味したもん。


 うん。小さめのマグカップ創ったから、大体150ccくらいかしら。味は保証するから、ゴクゴクっといっちゃって下さいね。


 魔力が少なくて思考力が落ちてるみたいで、そのまま何の疑いも持たず一口飲んだ。すると、その人は目を見開いて一気に残りを飲み干した。美味しかったでしょ?


「…えっ?魔力が…か、回復した?全回復した…。」


 うん。ハンバーガーと同じで魔力全回復効果がある事は証明されましたね!良かった良かった。


 そして、他の4人にも同じ様に飲ませて、同じ効果が出たのを確認した。


 ふと視線を感じてそちらを見ると、またかと言う様な父様の目が…。


 美味しいんだからいいでしょ?いいよね?


 マグカップを回収して生活魔法で洗って万能庫へ入れ、父様の所へ転移した。


「フィア、今飲ませた物は?」


「父様もどうぞ…果物の飲み物ですよ?美味しいですよ。」


 オレンジジュースを注いで渡すと父様は訝しげな表情で一口飲んだ。


「飲み物としても美味しい魔力ポーションなんです。飲みやすいでしょ?トレントの葉から作る魔力ポーションが苦くて飲み難いって聞いて、創ってみたんですよ。こちらと飲み比べてみますか?」


 そう言って、万能庫から昨夜トレントの葉っぱから錬金した魔力ポーションを出した。こちらは何故か小瓶に詰められた物が出来上がったんですが…もう、何も思わない様になりました。多分こちらの世界の小瓶なのでしょう。スルーです。


「いや…もう良い。」


 はい。解ってもらえたなら、いいんですよ。


 この様子を静かに見ていたソレストさんも、ダンジョンが確認出来たので、いつもの森の調査に行く事を伝えにこちらに来たので、約束通りハンバーガー2つを籠に入れ布で包んだ物をお弁当として渡すと森の奥に入って行った。


「ん?フィア、今ソレスト殿に渡した包みは何だ?」


「あ、はい、お弁当、携帯食です。実は昨日お約束しまして。私の創った物です。いっぱい創りましたので、父様もお腹が空いたら言って下さいね!」


「……ああ。」


 父様、なんかその反応は酷いと思います…。ハンバーガー本当に美味しいんですよ…。手軽に食べれるし、お腹も膨れるし、魔力も回復するし、もしかするとヒールの代わりになるかもしれない物なんだからー。


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