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閑話 ディラント領編

 

 副ギルドマスターの独り言


「クレスト、フィアちゃんは凄いぞ。さっきあの子の戦闘を初めて見たが…あの魔の森のトレントを瞬殺だった。しかも一度の攻撃で数十匹だ。防御魔法(シールド)も完璧だったよ。」


 兄は私にそう話した。


「知っているよ…。」


 そう、その娘は登録した日、酔った冒険者に絡まれたのだが、指一本触れられる事なく撃退してしまったのだから。しかも無詠唱で魔法を操る精霊魔法士。登録カードには只の魔法士となっているが、私は情報としてあの娘が職授の儀で授かった職を知っていた。


 たった8歳の子供。


 最近登録したばかりの新人の冒険者見習い。


 その娘は貴族の令嬢だった。しかもこのディラント領主の娘。


 普通、貴族ならば10歳の学院入学時に冒険者登録をする事になる。


 なのに、態々8歳になると同時に登録に来た。


 8歳からの冒険者見習い登録は、本来なら貧しい者達の救済として許可されている制度なのだ。


 貴族の子供が遊び半分で登録など、なんと物好きな…と初めは呆れたのだが、それはとんでもない勘違いだった。


 既に彼女は子供だとは侮れない程の逸材だった。


 空間魔法を使いこなし、防御魔法も攻撃魔法もそして治癒魔法まで使えると職員からも聞いていた。確かに私も実際に目の前で防御魔法や治癒魔法を使ったのは見た。情報では神聖魔法も使えると聞いた。


 そして、その空間魔法の一つであるアイテムボックスからは、無数の素材や魔物を出し、一部屋埋まる程だった。


 兄の話によれば、彼女が使用したのは《ファイアーアロー》よく知られている初級炎魔法だ。通常1本〜3本放つだけのものなのだが、それを一度に数十本打ち込んだらしい。そして、トレントの群れを一撃で殲滅。トレントは初級魔法のファイアーアローなどでは倒せない魔物なのだ。魔法耐性が高いからだ。それ故にトレントから採れる素材は貴重で魔法杖の材料や魔道具、魔力ポーションの原料になるのだ。それだけでもうあの娘が普通ではないのがよくわかる。


 今日領邸からギルド宛に通達が来て、魔の森にダンジョンが発見されて、早急にその整備に着手し新たに冒険者の町を造るという。完成したら冒険者ギルドに協力するよう求めてきた。だが町を造るのはそんなに容易くはない。


 何年も…下手をすれば数十年かかるだろうと考えていた。


 だが、突然出現した、石材を敷き詰めた魔の森まで続く街道。


 ディラントの南門から真っ直ぐに作られた道もあの娘がたった数時間で創り出したものらしい。


 町は…すぐに完成するかもしれない。


 兄のソレストはギルドマスターだが、ギルドの運営を私に任せ、王家からの依頼で魔の森の調査を専門にやってきた。


 兄は昼前ギルドに戻ってきた時、あの娘と1匹の魔物を連れていた。


 あの娘が魔の森から連れてきたのが伝説の魔物フェンリルで、それを従魔にすると言ってきた時は驚いたが、それは兄が勧めた事だと聞いて納得した。従魔にすれば主人の制御下に置ける。フェンリルが脅威でなくなれば更に調査が進むだろうからな。


 魔の森にあるというダンジョンの整備が終わり次第、冒険者ギルドも移転するか、支部を出すかしないといけない。


 これから益々忙しくなる。偶には兄が手伝ってくれると良いのだが…無理だろうな。


色々と忙しくて中々書く時間がとれません。

更新が不定期で申し訳ありません。

暇を見つけて少しづつ頑張って書いてますのでこれからも読んで下さると嬉しいです。

宜しくお願いします。

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