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企画「ひだまり童話館」参加作品

三人で良かったね

作者: 奈月ねこ

「ひだまり童話館」開館3周年記念祭参加作品です。

 ある森の中に子ゾウのゾウ丸くんがいました。鼻を長くして木の実を採ろうとしています。でもあと少しで届きません。

 そんなところにやって来たのが友達のキリンのキリ子ちゃんでした。


「ゾウ丸くん、どうしたの?」

「あの木の実が食べたいんだけど採れないんだよ」

「まかせて! わたしが採ってあげる」


 キリンのキリ子ちゃんは長い首を伸ばしました。それでも木の実には届きません。


「届かないわ」

「キリ子ちゃん、ありがとう。諦めるよ」

「でも……」


「二人でどうしたの?」


 そこへやって来たのがウサギのウサ美ちゃんでした。


「あの木の実が採れないのよ」


 キリンのキリ子ちゃんはウサ美ちゃんに説明しました。


「ゾウ丸くんもキリ子ちゃんも採れないなんて……」


 そのとき、ウサ美ちゃんが言いました。


「いいことを思いついたわ!」


 ウサ美ちゃんは自分の考えを二人に話しました。


「それならいけるかも!」


 二人も同意しました。そしてやってみることにしました。まずはゾウ丸くんの鼻でウサ美ちゃんを巻いて、キリ子ちゃんの頭に乗せます。そしてウサ美ちゃんがジャンプするというものでした。


「さあ、やってみよう!」


 ゾウ丸くんは早速ウサ美ちゃんを鼻で巻いて、キリ子ちゃんの頭に乗せました。ウサ美ちゃんは精一杯体を伸ばしました。でも届きません。さあ、ジャンプです。ウサ美ちゃんは精一杯ジャンプしました。すると、木の実に手が届きました。でも、そのままウサ美ちゃんは木の実と一緒に落下していきました。


「危ない!」


 ゾウ丸くんが長い鼻でウサ美ちゃんを受けとめました。そしてよく見ると、ウサ美ちゃんの手には木の実がありました。ウサ美ちゃんは同じ方法で木の実を三つ採ったのです。

 さあ、三人で木の実にかぶりつきます。


「酸っぱい!」


 三人が声をあげました。ゾウ丸くんが採ろうとしたのは、ゆずだったのです。どうしようかと悩んで、キリ子ちゃんが思いつきました。


「食べられないなら、使いましょう!」


 キリ子ちゃんが二人を引き連れてやって来たのはお風呂。キリ子ちゃんはお風呂にゆずを入れました。


「さあ、ゆず湯よ!」

「わあ、気持ちよさそう!」


 三人はお風呂に入って温まりました。


「三人分のゆず湯だね」


 ゾウ丸くんの言葉にキリ子ちゃんとウサ美ちゃんは笑いました。




おしまい

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大人だったら「棒を持って来よう」とかなりそうなところ、 子どもらしく頭を寄せて考え付くところがとても可愛らしいです。 そして最後の発想もとっても可愛いですね。 ほっこり、ほこほこ。良い香…
[良い点] あたたかくなる話でした。 ラストは体もホカホカですね♪ ほのぼのしました。
[良い点] 三人(?)で協力する様子が、とても微笑ましかったです。 ほっこりしました!
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