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ラッキー

前話でもっと世界観の説明をしておくんだったと後悔している今現在。

今後も世界観の掘り下げと設定をしっかり練りながら書かねヴぁ・・・

コメント、感想、指摘などじゃんじゃん募集中です。

2019/8/8、多少加筆しました。展開の変化は(ry

 俺、黒谷蒼太は手にしているスマホを制服のポケットにしまう。

 そして、もう片方の手で持っていたペットボトルのふたを開けて、中身を一口。


 フゥ、とため息の様に息を吐いて、ふと目の前を歩く人の顔が目に映る。


 「ひっ……」


 そして、目が合うと最早当然の様に驚かれる。

 もう既に諦めたことだが、俺の人生において今のようにただ目が合っただけで驚かれることは、生活の一部といっても過言ではない。

 

 実に不本意な事だが、生活の一部というだけに今ではもう慣れてしまったほどだ。


 そんな俺の容姿といえば、黒髪黒目で目が鋭く、そのせいでよく目の下が隈の様に見える為、元来の鋭い印象を更に加速させて、最早悪人といわれても納得できる程の特徴の持ち主。

 何もしていないのに警察を呼ばれた時は流石にどうにかしなければ、と思った。


 普通の顔をしていてもクラスメイトにはよく、「朝眠たいのかわからんがスッゲェ怖い」と言われるのが偶に傷だが、不本意にも寝起きの時に鏡を見ればそいつの言い分もわかってしまう。

 身長も平均より高いのが威圧感を煽っているのかは知らないが、それならそれで個人的にはもう五センチくらいは欲しいくらいだ。


 ばかばかしい話だが、本当に悪人面なのは妹も全く否定しないことから流石に危機感を覚える。


 それはそれとして、先ほどのランキングバトル、あの静城風香が道行く人のいる往来で姿を現すのは珍しい。


 ランク二位、静城風香。その能力は<空間操作>。

 あらゆる空間に干渉が可能で、空間と定義されているものは全て操作可能というチート能力。こんな能力でもまだ二位であり、最高の一位様の能力だってこれ以上のチート。


 そんな人物を、とても幸運なことに今さっき目の当たりにして、俺はひどく気分が高鳴っていた。

 世界中に十人しかいないランカーの姿を、力を、実際にその目で確認ができたのだから。

 

 能力者。

 あるきっかけから特殊な超常的能力を自覚し、操ることのできる人々の事を指す。逆に、きっかけなどなく、全く能力を持っていない人々の事を無能力者と人は呼ぶ。

 

 その割合は世界で見て、きっかり六対四。若干能力者の方が多いくらいだが、日本で言えば大体七対三くらいだったか。

 世界的に見て、日本は進んでいるといえば進んでいるが、その分の帳尻は必ずどこかであわせられている。


 そしてその能力者たちがこぞって参加するランキング、通称ランク。

 世界各国が能力者による無能力者への差別や、力の弱い能力者への迫害に対する措置の一つで、世界共同で能力者を調査し強さ順でランク付けしたものである。


 このランキングは、いつしか能力者の中では一つの指標となり、順位が高ければ高いほど自身の能力の有用性を示せるものとして年々その盛況さが増すばかり。


 ランキングへの参加は自由で、今では世界中にいる能力者の約七~九割ほどランキングへ参加している。初めは執拗に痛めつけたり、強制的に参加させるなどの問題が発生したが、現在は能力者に対する制度が整ったためランキングバトルをスポーツのように楽しむ傾向が強い。

 俺は世界ランキングには参加していないが、観戦することは偶にある。

 そのため、本当に高い順位を持つ者たちくらいしか記憶はしていないが、まぁ十分だろう。


 そして、そのランキングの順位を決定付ける勝負事が、ランキングバトル。

 世界共同で調査しランク付けされたランキングをかけて能力者同士で戦闘を行うことの総称。勝利条件は相手へ有効な一撃を与えること。


 その際に用いられるリング状の腕輪のような形状をしている物は、正式名称をリング型防護結界装置、通称フィールドと呼ばれている。


 使用するときは腕から外し、上へ投げるだけで装置が作動する。作動した瞬間に輪が広がりランキングバトルを行う能力者を囲むように展開した後、ゆっくりと下へ降りておよそ一mの高さで浮遊するように滞在する。

 その効果は、フィールドの内側から外側への能力の影響を完全に遮断する、


 これは建物や道路などの公共施設がランキングバトルで破壊されることに頭を悩ませていた各国の政府が探し当てた結界系の能力者と防御系の能力者、形状変化系の能力者を集めに集めた大規模プロジェクトによって完成した代物だ。


 それを大勢のコピー系の能力者を国で雇い、大量に生産し続けることで現在の全ての能力者にいきわたっている。


 ちなみに、能力者を国で大勢雇っていたため、一時期の税金が二十%前後まで跳ね上がり、主婦や自営業の人達などの悲鳴がそこらじゅうで聞こえたという噂がある。

 ただ、それまで暴れまわっていた一分の能力者がピッタリと過度な破壊行動をしなくなった事は事実である。


 これのおかげで、能力者による器物の破損は減少し、それらの修復費用も格段に減少したらしい。


 さて、今まで長々と言ってきてそろそろ飽きてきた頃合だろうが、要するに何が言いたいかというと、戦後直後と比べて、今の時代は科学に掛け算をする形で能力者の存在が大きな需要を持っているということだ。


 俺が通う東京都立(とうきょうとりつ)秋原(あきはら)高等学校(こうとうがっこう)では、主に能力者に関することの専攻授業がある。

 いわば能力者専門高等学校のようなものであるため、中間期末テストの試験内容には必ず能力者やランキングに関係する問題が出てくる。


 学校の授業ですら能力者が絡んでくる程、時代は大きく移り変わっているのだ。


 「はぁ、能力者はなんで普通の高校にいけないのかねぇ~」


 かくいう俺も一応能力者であるため、今は法律によって通常の高校への進学は不可能となっている。だが、能力者を専門としている学校が各都道府県の都心にしかないため、実家が都心から離れているる人たちなどは距離的にいくらかで苦労するというのもよく聞く話だ。

 だが、国からの支援金制度があるためその辺りはあまり心配もいらないのだろう。


 国も色々必死だが能力者は能力、ランキングに関しての理解を徹底的に深めなければならないし、能力を持て余し暴れられても困るだろうことから法律で縛っていることは想像つく。


 そんな風に、暇を潰す様などうでもいい思考を続けながら歩いていると本日個人的ラッキー三発目と遭遇する。


 先ほど圧倒的な力を見せつけ挑戦者を返り討ちにした静城風香が路地で野良猫と戯れている様子を発見したのである。


 腰まで伸びた栗色の綺麗な髪に綺麗というより可愛いと万人が口を揃えて言うであろう整った童顔の顔立ち。目は若干タレ目がちでおっとりした雰囲気を纏っている。

 ついでに言えば美少女が猫と戯れているという非常に目の保養となるほんわかした空気がそこにはあった。


 普段なら知らぬふりを貫くが相手はランカーということもあり、友達とかになれたら個人的ラッキー四発目になるな~などと適当なことを考えつつ、俺は静城風香に声をかけた。


 ふと思ったがこれって相手が相手だったら普通に犯罪な気がしないでも……。

 

 そんな風に思っても、既に出た言葉は取り消せない。

やっぱ自分の中の妄想を文にするのって難しいですね。(^_^;)

偉大な先人様方には頭が上がりませんわ

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