能力者とランカー
処女作です。文の形成とか言葉の使い方とかすごく自信ないです。とにかく不安ですが、初めての事というのは緊張がつきものなので自分なりに頑張ろうと思います。
文の形成が自信ねぇとかきちんと文法を勉強しろというツッコミは虚空の彼方へぶっ飛ばそうと思います。
2018/12/2
誤字の修正と多少の加筆をしました
※展開の変化は特にありません
2019/8/8、多少加筆しました。同じく展開の変化はありません
1945年。
世界規模で争い合った災禍の様な戦争、第二次世界大戦が終結して数年が経ったある日。復旧に追われた敗戦国である日本で、常人とは違う、なにか特殊な力をその身に宿した<能力者>という存在が世界で初めて確認された。
戦後一番と言っていい程の大きなこの話題は日本はおろか、アメリカ、イギリスといった世界全土に瞬く間に広まった。曰く、人とは違う何かが生まれたと。
当然、それに伴って世界初となる能力者を巡り、決して小さくはない諍いが勃発した。それも、敗戦国である日本に生まれてしまったのが更に不幸を加速させ、実に多方面からの圧力が掛けられたのだ。
特にアメリカからの要請は激しいもので、このままいけば早々に第三次世界大戦が始まってしまうかと思われたその時、またしても世界を驚かせたニュースが舞い込んだ。
それが、第二、第三の能力者の出現だ。
それも、初めの能力者が確認されてから一年と経たずに報告に上がったため、当時の学者は新たなる人類の進化とも推測していた。
それから、まるで菌が繁殖をするかのように、日本、中国、アメリカ、そして世界へと能力者の報告は上がっていった。
そしてそれは、今や割合として六割を占め、世界的に能力者の時代へと変化していったのだ。
その最先端は、日本。それは都心だけでなく、現在は日本を発端とした世界的なコンテンツが楽しめる工夫が街のいたるところに見受けられる。
それが顕著なのは、やはり都心である東京都。
その、どこにでもあるとある一角。
「お、ラッキー」
学校帰りであるらしい少年は、自販機の「あたり」を示す表示を見て思わず口にする。
なんてことはない、数字が揃えば「あたり」で一本無料となるよくある自販機だ。少年は今、喉が渇いたからジュースでも買おうかという軽い気持ちで、この自販機でジュースを買ってあたりを引いて驚いたわけだ。
そういう他愛もない理由で、迷うことなく少年は同じジュースのボタンを押し、自販機からジュースを取り出す。
少年の名前は黒谷蒼太。
東京都新宿区にある、主に能力者の育成を専門とする学校、東京都立秋原高等学校に通う二年生だ。
そんなどこにでもいる様な普通の高校生じみた少年、蒼太は同じ二本のジュースの一本を自分の鞄へしまうと、もう一本を歩きながら飲み始める。するとふと目に映ったのは能力者が「ランキングバトル」で使う場所の範囲を示すリング状の光線と障壁、そして道を半ば占拠する程の人だかり。
街角で目に映るその光景は、通行者が遍く吸い寄せられていると錯覚する程度には盛況であり、これだけ人が集まるのはそうあることではなかった。
掃除機のように吸い寄せられるその様が気になり、黒谷は後列に入って現在進行で行われている「ランキングバトル」を見物し始める。
状況はどうやら一方的な能力による攻撃を繰り返している様だ。
攻撃をしている方の能力は、その辺にある物を高速で射出している様から、物を動かす系統の能力だろうと蒼太は見た感じから当たりをつける。
もう一方は――――――。
と、視線を動かした瞬間に蒼太は驚きで固まった。
なぜならそこにいたのは「ランカー」と呼ばれる、数ある能力者のなかで世界ランキング十位以内を示す映画スターばりの存在がいたからだ。
それがランキング第二位、静城風香。
ランカーになると名前だけでなく、その能力と顔写真がランキングに掲載される。それによれば静城風香の能力は<空間操作>。
あらゆる空間と定義されているものを操ることが出来る能力。「ランキングバトル」の戦績もさることながら、特筆すべきはその神々しさすら秘める整った容姿にあった。
日の光を綺麗に反射する腰辺りまで伸びた栗色の髪に、言葉すら失うような真紅で染まる瞳を持ち、その幼さを残す童顔は人の視線を惹きつけてやまない。
まるで天界に住まう女神を想起させるほどに、静城風香という齢十六の少女が持つ容姿はズバ抜けていた。
そして、その能力も抜きん出ている。
<空間操作>は全ての空間に干渉し、操ることのできる能力である。
現に物を射出されているにもかかわらず、風香は素知らぬ顔。その理由は、飛ばされたものは例外なく、足元へと落下しているからに他ならなかった。
「クソッ! そんなことまでできるのかよ! <空間操作>ってのは!!」
そんな風香を相手している男が我慢ならないというように怒鳴る。
ダメだな、この男。と蒼太が思った瞬間。
「……うるさい。」
透き通るような声で風香が言い放った時にはもう、勝負はついていた。声とともに空間が歪み、元に戻る瞬間の圧縮された空気によって、男が吹き飛ばされたのだ。
そして、それが有効な一撃とみなされたのか、リングから勝利者の名前とファンファーレが機械的に告げられる。それを見届けた観衆は、勝負がきまったことと勝利者へ向けた割れんばかりの大歓声を上げた。
勝利を収めた当の風香は、何も言わずにその場を去っていく。
その後ろ姿は、それだけで絵画のモデルになりそうな仄かな哀愁を漂わせており、風香個人にファンクラブができるのも納得のいくものであった。
なかなか面白いものが見れたと得をした気分になりながら、未だ鳴り止まぬ風香への声援をBGMに蒼太は帰路へつく。その手には何時の間にやらスマホが握られており、まるで今しがた通話を終えたかのように耳から離し、一言呟いた。
「解析終了。能力保管完了。いやぁ、ホントに今日はラッキーだな。」
蒼太の呟きは、観衆の声によって虚空へと消えていく。
そんな、なんでもないような日常と非日常を表すような場面から、この物語は始まりを迎える。
作品に対する意見、誤字脱字の報告等、気になる点がありましたらコメントよろしくお願いします。




