二話 ビニール傘の精霊さんと話したよ。
とりあえず勢いで二話目も投稿、本当に勢いで投稿したため誤字があると思います。あとで修正して置きますね。
空に包まれ抱かれているようなそんな不思議な感覚、後頭部にとても柔らかな感覚を感じながら意識が覚醒していく。目を開けると眼の前には白い美少女が満面の笑みを浮かべこちらを見ていた。
「お目覚めですか我が主、日傘廻様」
彼女が僕に話し掛けてくる。とりあえず僕は起き上がることにした…そして気付いた彼女は僕に膝枕という行為をしている事に。顔が赤く染まっていくのが分かった、落ち着け僕クールダウンだふぅぅ。
「んぇぇ、えっと貴方は誰ですかどうして僕の名前を知っているのですか。何故僕は生きているのですか。」
いきなり美少女に声を掛けられあまつさえその美少女に膝枕されていた事で動揺しつつ彼女に質問する。彼女はその笑みを絶やすことなく答えていく。
「私はビニール傘の精霊、名前はまだ御座いません。廻様が何故生きておられるのかと言うと貴方様が私を使って異形の者を斬ったからです。確かその辺りに死体が在るはずですよ。」
少し聞き流せ無い事を彼女が言った気がするが、ここは一旦置いておき周りを視てみる。
確かにあの化物がいた、頭から一直線にスッパリと切り裂かれ二分されているあの化物が。不思議なことに周りの木々に外傷は見当たらず返って精気をを帯びている様にさえ見えた。
「君を使って僕がこれをしたって言うの、ていうか君を使うってどういう事なのさ。」
次の質問を僕が繰り出したと同時に彼女の体が光り出す、光が収まった時其処にはあのコンビニで買ったビニール傘が在った。
「こういうことです、廻様貴方様が向こうで手に入れたビニール傘は此方で武具となり其処に私が宿ったのでございます。」
彼女は淡々とそう言った。え、本気で言ってるの五百円だったんだよ、コンビニのビニール傘だよ、大抵すぐ壊れるんだよ(コンビニで働いてる人すいません)それがあんな化物を一刀両断できるような武器なんて、嘘だ~。
人の姿に戻った彼女の顔から笑みが消えて少し拗ねた風にこう言ってくる。
「信じてませんね廻様。」
彼女がジト目で此方を見てくる。
「いやだって五百円のビニール傘だよ。信じろって言う方が難しいよ。」
少し不機嫌な彼女に焦りながら慌ててそう返す。すると彼女は立ち上がってこちらに近づき僕の手を取った。
どぎまぎしている僕とは対照的に彼女の顔は真剣だった。そのままの顔で彼女はもう一度ビニール傘の姿になる。僕の手には一本のビニール傘が握られていた。
「異形の者だけが斬られているのは貴方様が一番恐怖し一番敵だと認識していたから。そして私には邪を祓い浄化する力があります。木々に精気が戻っているのはその為です。此処は障鬼の森と呼ばれている所らしく木々には邪の力を蓄えています。木を標的にし斬るという意思があれば浄化した部分から切り裂けます。さあ私を振るってみてください。」
彼女ががそう期待した声で言ってくる。正直気が進まないけれどとりあえずやってみる事にした。木に向かって思いっきり横薙ぎに振ってみる。型などあった物ではないがしっかりと振り抜く、『一線』標的に定めた木一本のみが薙倒された。切り口は美しく切り株だけのテーブルのようになっていた。
「ええええ、嘘でしょう。」
思わず声が出る。手の中に納まっているビニール傘が光り人の姿に戻る。何所となく誇らしげな顔をしていた。
「どうですか本当だったでしょう、ふふん。」
僕はまだ放心していてあまり聞いていなかった。
「私の力は貴方様の生きたいという思いに呼応して強くなるのです。だから常に生きたいと思っていて下さいね!」
「わかった、覚えておくねて言うよりたぶん僕は死んでも生きたいと思うだろうから大丈夫だと思うけど。」
ようやくビニール傘で木が斬れるというシュールな光景から立ち直った僕はそう答えた。
「そういえば君の名前はまだ無いって言ってたよねそれってどういう事なの。」
僕の質問に彼女は急に瞳を無邪気にキラキラさせ始めた。
「私は生まれたばかりで名前が無いのです。だから主である廻様に名を付けて欲しいのです。。さすがにビニール傘の精霊という名前は私も締まらないと思っていました。」
ええーと本当に僕で良いのかな、そういうのはもっとちゃんとした人に付けてもらった方が、と思って彼女を見たら凄く期待の篭った目で見られてしまった。ええーと白とかは安易だし外国風に考えてみようマリーとかメアリーとか、だめだね全然合わない感じがする。それにどちらかと言えば日系の顔だしなー『ビニールガサ』から考えてヒニルカサの五文字だからうーん。
「よし、君の名前は『陽向光』だ、よろしくね光。」
ありがとうございました。
文字数変わらず増やせるように頑張ります。