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第四話 夢で逢えたら

「たったそれだけの時間でまた死ぬのか?」


『・・・我の存在が消滅するまでの時間なのだ。我が消滅すれば、お前の精神と体は再び離れる。』


「・・・なんで、俺と契約したんだ?」


『興味が湧いたのだ。我らが出会ったあの世界は精神世界。我ら一族のようなうつろわぬものでもなければ、自分が何者かもわからず普遍的無意識に飲み込まれてしまう場所だ。』


「だが、俺は飲み込まれもせず名を言ってみせた。・・・だからか?」


『それもあるな。お前の持つうつろう心に惹かれたほうが強かったかもしれぬが。』


「うつろう心?」


『我ら悠久の時を生きるものは、心もうつろわぬ。だから、お前らのようなものの心は興味を惹かれるのだ。』


「・・・俺は(たかし)だ。お前は止してくれ。そういえば、あんたの名前は?」


『・・・我らの言語はお前・・・天には聞き取れぬ。好きなように呼べ。』


「そうか。その名に意味はあるのか?」


『”天の御使い”という意味だ。何故、そんなことを聞く?』


「呼び名を考えるヒントさ。・・・でも、運命めいたものを感じるな。」


『何がだ?』


「俺の名は天と書くからな。・・・ダジャレみたいなもんだけど。?そういえば、初めて会ったときは思考が読めたのになんで今は言葉を交わさないと意思疎通できないんだ?」


『ここは精神世界ではない。お前の夢の回線を借りている。契約は済んだが、初期設定をしなければ精神の共有はできないのでな。』


「初期設定?」


『大分、興味を持ってきたな。我と繋がりたいと念じろ、お互いが念じて回線を固定すれば初期設定は完了する。』


「まだ完全には信用も理解もできてはいない。だが、興味深いところもあったし一通り話を聞いてみようと思っただけさ。とりあえず、その初期設定をやってみよう。・・・たしか念じればいいんだな?」


『そうだ、細かい補助はこちらでやる。決して自らの名を忘れるな。・・・では始めるぞ。』

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