第28話 「爆発現象の実証」という嫌すぎる研究成果
ガイドブックの年代表を追っていくと、「ガルダ大調査隊爆発事故」という項目が出てくる。
ネルソンの登頂から半年後、とある大国が、初の「本格的な国家調査隊」をガルダに派遣した。
科学者、軍人、技師、補給要員など含めて22人。
それまで、ガルダに挑んだのは、3~4人の少人数ばかりだった。
ネルソンも単独。
そこへ、いきなり22人規模の大所帯がどーんと乗り込んだわけだ。
で、どうなったか。
「登山口にて突発的爆発に巻き込まれ、9名死亡、負傷者多数」
標高0メートルでゲームオーバー。
山に取り付く前に、「ガルダこええ……」を通り越して「国民の税金ェ……」になるやつだ。
「……よりによって初の大規模調査隊で、そこで踏み抜くか」
ガイドブックの引用元になっている当時の報告書も載っていた。
たった3ページの、薄い紙束。
冒頭は、それっぽい言葉で飾られている。
「ガルダは想像を絶する自然の要塞であり、その全貌解明にはさらなる長期調査が必要である」
などと、遠回しな表現で「何の成果も得られませんでした」をオブラートで包んでいるが、中盤以降はもはや開き直りだ。
「しかしながら、本遠征における重要な科学的成果として、いわゆる「地面の爆発現象」の存在が実証されたことをここに報告する」
ん?「実証」?
「発見した」じゃなくて、「実証された」。
理論的に予測されていた現象が、観測によって裏付けられました、というニュアンスだ。
単なる『発見』ではなく、事前に予測されてたのか?




