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霊峰ガルダに登ろう!  作者: 静先輩
ガルダ史編
27/28

第27話 地雷を知らなかった男

 ここまで読んで、ふと頭をよぎった疑問があった。


「じゃあなんでネルソンは無事なんだ?」


 標高五万メートルを走って駆け回ってた英雄だからといって、「麓の天然地雷」に免疫があるわけじゃない。

 むしろ危険なのは、登山口に至るまでの最初の100mだ。


 ネルソンのルート図や記録を引っ張り出して照らし合わせてみた。


 驚くべきことに、ネルソンがガルダに行った当時。


 この爆発現象そのものが、まだ発見されていなかった。


 先住民(本当にいたのかよ)は、経験則として「ここ踏むとヤバい」と知っていたっぽい。

 だが、ネルソンと王国との接触段階では、先住民との文化交流は成立していなかった。


 山に近づく外部の人間には容赦なく槍が向けられる。

 言語も未解明。

 示されるジェスチャーの意味もわからない。


「その頃は文化交流が成立してないから、山に行ったらガンガン槍を向けられるし、言語も未解明だから教えてもらうことは無理」


 一応、「特定のジェスチャーを見せると槍を引っ込めて道を通してくれる」という、謎の和解プロトコルがわかっていて、ネルソンはそれを利用して槍を避けたらしい。

 ゲーム内にあった「先住民の和解ギミック」。妙に抽象的なハンドサインを入力すると道を開けてくれる、あれだ。


「それでゲームにも和解ギミックがあったのか……」


 プレイ中は「なんだこの音ゲーみたいなミニゲーム」としか思ってなかったけど、史実をなぞっていたのか。


 それにしても、だ。


 地雷にはジェスチャーは通じない。じゃあダメじゃん。死ぬじゃん。


「……いや、運良すぎない?」


 爆発現象のことを最初から認識していたわけでもないのに、たまたま危険地帯を踏み抜かず突破している。


 王笏を杖にしてクレバスを三段跳びする前から、こいつの人生そのものが「激ムズローグライク」みたいになってる。

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