第18話 ブラック・ビーツという、謎の命綱
さすがに気になって、もう一度クレジットを確認した。
「Special Thanks」とか「Voice & Face Models」とか、その辺を丹念に追っていくと、見慣れない名前が目に留まる。
Character Face Model: Black Beats
ブラック・ビーツ。
誰だよ。
ミュージシャンかなと思って検索したが、まったく出てこない。
YouTube にも動画はない。
SNSで名前を出している人もいない。
はてなマークだらけの頭で検索を続けていると、Twitteに、かろうじて一件、それらしいアカウントが見つかった。
@BlackBeats_official
プロフィール文:「韓国系アメリカ人コメディアン。ブラッド・ピットのモノマネ芸人」
知らねえ。
アカウント開設日は、『GARDA』配信の半年後。
フォロワー数、22。
そのうち半分くらいは、投資詐欺っぽいアカウントとか、botっぽい映画キャンペーン用アカウントとか、「フォロバ100%!」を売りにしてるどこかの国の観光案内アカウントとか、そんなのばっかり。
そして、なぜかこのゲームの公式アカウントからはフォローされていない。
いや普通、モデルにしてるんならフォローするだろ。逆じゃない?
投稿も少ない。
開設日のツイートの一つが、これまた引っかかる。
「しばらくアルバイトしなくてすむ。大きな仕事が入った」
匂わせ感はある。
あるけど、「いいね」が2つ。
リプライゼロ。
ファンの「おめでとう!」的なコメントも一切ない。
フォロワー22人の中に、たぶん本当のファンはいない。
何より致命的なのが……似てない。
プロフィールには「ブラッド・ピットのモノマネ芸人」とあるが、固定ツイートの自撮りを見ても、かなり頑張ってもブラピ度20%くらいだ。
「ブラピの親戚の、従兄弟の、そのまた友人」くらいの距離感。
(……これ、逆じゃないか?)
俺の中で、突拍子もない仮説が生まれた。




