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2−2:不認可


 一行が中央大陸ケントルに到着した頃には、既に太陽はほとんど沈んでいた。


「そろそろぼくは行かなくちゃ。かわいいユウリ、今日はよくがんばったよね、とってもえらいよ。また明日会いにくるからね」


 ギンネは仕事の時間だ。正直なところ別に居ても居なくてもそう変わらないのだが、別れの時間はやっぱり少しだけ寂しい気もする。

 空に消えるギンネを見送って、ユウリたちは今夜の宿を探すことにした。のだが、


「ねーみて!あれ何かな?美味しそう〜!」


 ケントルは東西南北の大陸を繋ぐ人工島で、巨大な1つの都市である。その為あらゆる人、物、情報が行き交い非常に栄えており、街並みは統一感がなく非常にゴチャゴチャしており、夜中でも明るく非常に活気に満ちていて誘惑も多く、とにもかくにも迷いやすい。そんな中なにかの屋台を見つけたらしいルッチは吸い込まれるようにして人混みに消えていった。


「バカなんすかね。ピンク髪は目立つからいーすけど、こんなんはぐれたら一生再会できないまであるっすよ。紐で縛っときゃ良かったっすね」


 ウルムはジットリと呆れた目をしてそう言ったが、ユウリの手を引いてしっかりルッチを追いかけるあたり面倒見の良さがうかがえる。


「ユウリさんは絶対はぐれないでくださいねー、地味で見つかんないっすから」


 一言余計である。とはいえ一理はあると言っていい。ユウリの栗色の髪は特段珍しくもないし、目立つ特徴もこれといってない。はぐれたらなかなか見つけてもらえないのは事実だろう。


 …そう、栗色の髪は珍しくない。ユウリは人混みの中に見慣れた栗色のマッシュヘアを見た気がして目を見開いたが、すぐに見失ってしまった。


「今のは、マオ…?」


 まさか弟もアラドイムに?ユウリにとっては思いもかけない事だった。しかし見間違いかもしれない、弟もあまり目立った特徴はないし、似たような人ならたくさん居るだろう。…でも、もし、本当にマオだったら?


 気づけばユウリはウルムの手を振りほどいて駆け出していた。


「あ、ちょ!ユウリさんっ!?え、怒ったんすか???ごめんっすから待って!!!」


「なになにどーしたのウルム?ユウリは?」


「ルッチさんケバブ食ってる場合じゃないす!追うっすよ!!」



ーーー



「…どういうこと」


 大通りから少し外れた、月の光も届かない路地裏。ひっそりと人けのないその場所で乱雑に置かれた木箱の陰に隠れるようにして、マオは座り込んでいた。その横で子猫サイズになったカンナが首をかしげている。


「ねぇマオ、せっかくユウリを見つけたのに、どうして逃げてきちゃったの?」


「そんなわけない、今のは姉さんじゃない、だっておかしいだろ、おかしい、おかしいよ…」


「マオ?」


 暗がりの中で俯くマオの表情は読み取れないが、その声は弱々しく震えている。


「おっ…男と手を繋いでた…!僕じゃない男とッ!」


「え?うん、そうだね…?」


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