73話 ぶどう
着替えながら、僕は考えていた。
あのボタンは、なんだったんだろう。
そう考えながら、着替えも終わり、部屋に戻ると、パジャマ姿の山本さんがいた。
少し、顔を赤くし頬をぷくっと膨らませながら言った。
「上川くん、私の体、見たでしょ!」
「み、見てないよ!」
「本当に〜!」
「本当だよ」
山本さんは、顔を赤くしながらニヤリと笑っていた。
今、部屋は、山本さんと、僕しかいない。
「ねえ、上川くん、今日、夜ふかししない?」
「うん、良いよ!」
少しの沈黙のあと、山本さんが、言った。
「ねえ、上川くん、スペイン式の年越しやらない?」
「スペイン式の年越しって、なに?」
「それはね、12時の鐘が鳴るまでにブドウを12粒食べるんだよ!」
「面白そうだね、やろっか。」
しばらくすると、銀のトレーを持った執事さんが来た。
「お嬢様、上川様、こちら最高級のブドウでごさいます。」
銀色のトレーに乗っていたブドウは輝いていた。
「今日もいいブドウね」
「はい、こちら、石川県から、取り寄せた、ルビーロマンですから」
「え、何、その、ルビ、なんちゃらって、」
「ルビーロマンね!、これは、糖度が18度を超えるみたいよ!」
「え……」
その時時が止まったみたいだった。
「え、それっていくらぐらいなの?」
そう聞いてみた、そしたら、
「一房150万円よ!」
「……150万!」
僕は、びっくりして、固まってしまっていた。
銀色のトレーに置いてある、そのブドウはキラキラと光っていた。




