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6話 出遅れねずみの初日 食えないねずみと、分かち合う満腹

[ 麦 : 一般的な穀物 (素材アイテム) ]

[ ひよこ豆 : 栽培しやすく栄養価の高い穀物(素材アイテム) ]

[ ヒエ : 寒冷地で育てやすく、保存の簡単な穀物(素材アイテム) ]


 ひと通り残飯の山を漁ったクラウは、ねずみたちにウケそうなアイテムを、ねずみらしく少ないインベントリ容量に詰め込めるだけ詰め込んだ。


 よく考えてみるとインベントリというものはプレイヤーの特権だ。

 ネズミたちはここから巣穴まではお腹が空いたらかじりながら咥えて持ち帰る訳だから、1匹分にしかならない。


(これは群れのヒーローだな)


 と下心満々な一方、ねずみとしては初めてインベントリを確認したわけで、


(ねずみでもゴーストでもカタツムリでも、傷薬とマナポーションは貰えるんだよな

 せっかくだから少しおすそ分けしていくか)


「これどうぞ。今後ともよろしくね」チッチー


「ギッ(はいはいといった相槌)」


 近隣の人種族からしたら余計なことかもしれないが、クラウの群れとしたら以降も大恩人となるゴブリンたちだ。

 これくらいはと、逃げ切れたときに生き延びられる程度の傷薬を置いていくことにした。


 よく見ると片キバの欠けたゴブリンに尻尾を上げて挨拶し、巣への帰路についたクラウであった。



「おーい! みんなー! めしだぞー!」チー! チー!


 しばらくは自分の餌を探していたスモールラットたちだったが、気持ち大きい一匹が目の前で立ち止まった。


「チチチ(どこにも無いじゃないかといった素振り)」


「いまからインベントリパワーをお見せしよう」豆ポイー


「ヂッ!?(なにもないところ豆が!?)」


「これもこれも」チューチューポイポイ


「チチー!?(おまえすごいやつだったんだな!?)」


 気持ちいいぐらいいい反応をするスモールラット。すると、なんだなんだとほかのねずみたちも集まりだした。

 よく鳴き声を聴いてみると、なんか喜んでそうなぐらいのから、豆!やら美味しい!やら単語レベルで伝わる鳴き声、そしてさっきのレベルで疎通できるねずみと段階があることに気づく。


「さてはお前もすごいやつだな?」チチチ?


「チ! チチチ!(あたぼうよ 一番狩りがうまいからな)」


「そんな君を見込んで伝えたいことがある」チーチー


 少し大きなねずみをボス格と見込んで、ゴブリンの残飯塚のことを伝える。

 狩りがモテステータスっぽいこともわかったが、苦手な群れのねずみもいるだろう。


 クラウはダイチュー(と呼ぶことにした)をつれて、ゴブ塚に向かうことにした。



「チー…(これは、生まれて育ち切る前に死ぬ仲間を救えるな……)」


「ゴブリンとも仲良くやろうね」チュー


 群れとも打ち解けて、当面の食糧問題も解決できそうになった途端、眠気と疲れに襲われた久良は、ほどほどにログアウトすることにした。


「今日はここで寝るから先に帰っててね……」チュー(ログアウト)




「ヂッ!?(突然きえた!?)」

人種族のNPCなら噂に聞いて「そういうもの」とできる仕様も、少し理性のあるモンスターが情報無しで見たら驚くでしょうね〜という回でした。


さて、ねずみとして受け入れられたクラウは、寝るかたちでログアウトしたようですが……?

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