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3話 出遅れねずみの初日 スポーン

クラウ(洞窟はじっとりしているけど、ネズミだからか落ち着くなぁ)チー


 スポーンしたのは数匹のスモールラットと、遠めにムカデのようなものが見える以外は特徴もない狭い穴だった。

 周りを見回しながらスモールラットの動き方を確認する。

 

 ワーギフには3つの操作方法が用意されていて、体感式、思念式、コマンド式と言うらしい。


 脳の信号を読んで、まるで体を動かしているように遊ぶ「体感式」は、太刀筋やステップなど細かなコントロールが可能でPvPなら一択、らしいのだが……


「這うだけのカタツムリも挫折したけど、ねずみも難しいんだよなぁ」


 そう、人外種族が活躍しにくい理由の一つに、体感式が難しすぎることがあったのだ。


(思考をAIが読んで動作を再現する思念式のラグは素早く動きたいねずみには不適

 でもわざわざVRMMO買っておいて、俯瞰視点のほうが強いコマンド式やるかね)


 流行りのVRゲームを敬遠している間、無料の古典的なMMOを遊んでいた久良にとって、体感式はVRMMOの魅力そのもののようにも思えた。


 当面は作業や移動は体感式、戦闘はコマンド式にするかな、など考えていると、


(それにしてもこの満腹感はたまらないな、とにかくボーっとするし眠たくなってくる……)zzz


 天恵【満腹】はものの見事に久良の食料ゲージを満たし続け、常に食後のような感覚に付きまとわれていた。


 周囲のスモールラットたちがしきりに小虫を追いかける中、うとうとし続けた久良は、1時間しないうちにネズミの体で寝落ちしてしまったのである。


[ 状態 : 睡眠

これまでの行動に対して経験ボーナスが付与されます

レベルアップ! あなたは現在 Lv.3 です

称号 : 「余裕」を獲得しました

称号 : 「不動」を獲得しました ]




(んん、ゲーム中に寝落ちとは、不覚……)チー…


 しかしながらログを読むと、そこそこの内容が書いてあった。


【余裕】

・非戦闘時間15分毎に余裕を1つストック(最大3つ)

・戦闘開始時に受ける状態異常を余裕ストック分まで無効化する


【不動】

・非起動時に各ステータスが1.2倍になる


(行動が自動で称号や経験になるタイプ

 さすが最新のゲーム。むねがたかなっちゃうね)


 そして、長い時間余裕を見せるクラウ(ねずみの姿)に、周りのスモールラットの目つきも変わりつつあった……

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