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【能力者】  作者: 夢音いちご
3/4

2話【嫌悪】

______





4時間目が終わり、お昼を告げるチャイムが鳴り響く。




ここ授業は、全日制のものと何ら変わりはなかった。




けど……



名門校だから、覚悟はしていたが


授業のレベルが非常に高い。




特待生とはいえ、今後はこの高難易度をやり遂げなくてはいけないのか……



そう思うと気が落胆してしまう。





勉強はどうも好きになれない。




だって、社会的地位の上を目指さない限り必要ではないから。



私はそんなもの、望んでいないから。






……そんなことはさておき、さっさとお昼にしよう。





お昼休みは昼食を含め1時間しかない。



だから早めに済ませたい。





問題は場所だ。



まず、教室では食べたくないから移動しよう。





「あっ」




廊下の方に足を運ぼうとすると、リコの姿が見えた。



来てくれてたんだ。





にしても、彼女は相変わらず世間の注目の的だ。



現に、ただそこにいるだけでも目立っていた。




しかし、居心地の悪さからか戸惑っているようだった。



急いで向かおう。






「リーアちゃん」



「ひ……ッ」




真後ろから声が聞こえ、思わず肩が跳ね上がってしまう。




「う、後ろから呼ばないでくださいよー……びっくりしたじゃないですか」





私を呼び止めたのは、朝話した男子生徒の内の1人だった。



恐らく昼食のお誘いだろう。




「この後お昼一緒にどう?」




予感的中。




「ごめんなさい!友達が来ているので…」



「あ、わかった……ごめんね」



「また今度御一緒させてくださいっ」




それだけ言い残し、逃げるように去った。





早々に外部から来た私を誘うなんて、随分自信がおありのようで。




モテた経験のない男性ほど



自分より幼くて、優しくて、愛嬌のある女の子なら誰でも良いんだろうな。




この手の人って、高嶺の花の代名詞のようなルリさんには、きっと声をかけられない。



そういうところも含め、嫌いだなあと熟思う。




「お待たせしました!」



「リア……!」




私が来た時、彼女の表情が安堵に変わったように見えた。





何故わざわざこちらの教室まで来たのかとか



連絡すればよかったのにとか




色々と聞きたいことはあるけど……





「あの子見たことある〜」



「この2人が噂の外部受験の子?」





この様子だと……場所を移動してからの方が良さそう。





「お昼行きましょうか」



「うん!」




並んで歩き始めると、此方に向けられる視線がより分かる。




勿論噂話も。




本人達は内緒話のように扱っているが、全て筒抜けだ。




小さい声でも、これだけの人数が同じ事をすれば大きなものになる。




だから鮮明に聞こえるんだろうな。




内容としては




"元モデルと美少女"



"モデル活動やめたのかな"



"なんで能力者が今更"




といったところだろうか。





『私達の話されてるよー…』と、困惑した声でリコが話しかけてくる。




正直リコには、あんな低脳の戯言に耳を傾けて欲しくない。




けど、長年モデルの活動をしてきた身としては、他人の評価が気になるもの……だと思う。





だから、掛けてやれる言葉もない……





「ルリ様に話しかけた身の程知らずだ」



「あ、朝見た!親衛隊が追い払ってたわ」





私のことか。





「リア……」



「私のことですね」





特に気にしていない。




所詮性格ブス共の嫉妬に過ぎないし。





女子の内側の醜さは、中学で思い知らされたからよく分かる。




ルリさんの親衛隊を名乗る集団に連行されたのは、事実だし。(逃げたけど)





「リコちゃんってなんでモデル辞めたんだろ」



「能力者ってことがバレて首になったんじゃない?」



「モデルにしては身長ないし、丁度良かったかもねー」




…………





「ごめんなさい、先に場所取ってもらっててもいいですか」



「えっどした?」




彼女は疑問の表情を浮かべる。




『ちょっと忘れ物をしちゃって』と付け加えると、納得してくれた。





「じゃあ、空いてるとこ探して連絡する!」



「お願いします」




一言添え、手を振って彼女を見送った。






………さてと






「みなさん、なんのお話をしてるんですか?」





まずは笑顔で。



一応同じクラスの女子だった気がするから、話しかけても違和感はないだろう。





「あ、今年から入ったリアちゃん?だっけ」



「別に大した話はしてないよー」





なんて白々しいんだろう。



私は、陰湿な女子特有の、日和見主義な一面が大嫌いで仕方がない。




「入りたてだし、分からないことがあったら聞いて…」



「そんなことより」




強制的に会話を遮った。




時間の無駄だ。早く終わらせたい。




話していた内の1人の肩に手を置き、軽く力を込めた。




「う"ッ……ぃ……ッ!!」




肩を掴まれている女子は、みるみる顔が歪んでいく。




「次あの子のこと喋ったら、こんなんじゃ済まないですよ。



では、私はこれで失礼します」






「大丈夫!?」



「ちょ……今のって」




「……あー」




誤解誤解されないよう、振り返って彼女達に喋りかける。





「能力は使ってませんからね」





忘れ物なんて嘘で……



ただ、これがしたかっただけ。





さて、そろそろ連絡が来る頃だろうか。




スマホを取り出すと、リコからの新着メッセージが確認出来た。





『調理室借りれたからおいで!2号館の2階だよ』

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