Prolog
「そこの綺麗な蒼いロングヘアの生徒会本部2年生、ルリさーん!」
桃色の髪をした少女は、校内の桜並木を駆け抜け、少し先を行く少女向かって叫んでいる。
ゆるく巻いたツインテールに、大きな瞳が印象的だ。
背は周りの生徒と比べてもかなり低く、一言で表せば、とても可愛らしい。
「……私?」
名前を呼ばれたからか、その女性は、声がする方に体を向けた。
ルリと呼ばれた少女はとても端正な顔立ちをしており、背丈も間違いなく平均以上ある。
モデルの活動をしていると言われても可笑しくない程だ。
そして、少女が言っていた通り、美しく長い蒼髪が印象的。
「何あの子」
「ルリさんに話しかけるなんて…私だってまだ話したことないのに」
「しかも能力者じゃん!」
少女が持つバッグのキーホルダーを指差し、女子生徒が言う。
能力者は、その印である銀色のリングを、必ず何処かに身につけなければならないと義務付けられている。
「能力者かー…ルリさんは純血で特別だけど、他の人達って中途半端だよね」
どうやら、ハーフの能力者はあまり良い印象を抱かれていないようだ。
周りの生徒の反応を見るに、ルリは、重宝に値するとされている純血の能力者らしい。
「私、リアって言います!」
運動が苦手なのか、50m走程度しか走っていないのに既に息切れ状態。
そんな中、リアは挨拶を始めた。
「あの子可愛くね?」
「な!能力者でも可愛けりゃよくないか?
それにあの子、純血かハーフもまだわかんないじゃんか」
笑顔で名乗る少女に、登校中の生徒…
主に男子勢は、その優れた容姿に酔いしれている様子。
数秒後、少女が爆弾的発言をするとも知らずに。
「あの、私、ルリさんのことが好きです!!」
桜が舞う蒼い空の下……
それまで悪口を言っていた女子生徒も
リアを見てデレていた男子生徒もが
一瞬にして黙り込んだのは、言うまでもない。




