第二節 ケチ君
第二節 ケチ君
ケチ君――。
ショタ顔でケチ。身長は163cm。彼は高校二年生から三年生の1学期までの進路選択でこう、用紙に書いた。
『世界征服』
彼は普段から友人にこう話す。
「僕は世界征服がしたいんだよ。音楽で世界一になるとか、世界を牛耳ってやるとか、そういう意味じゃなくて本当に世界征服がしたいんだよ。旧〇ヴァのネ〇フ占拠は燃えたね。ああやって人々を〇していきたいんだよ」
ドSのサイコパスである。そんな彼は高校二年の冬から、とある悩みを抱えるコトとなる。
――。
雪がちらほらと舞う通学路――、ケチ君は両手をハァーっと息で温めながら歩いていた。
(もう少しで3月になるのに、まだまだ寒いな。おばあちゃんを騙して、厚手のコートを買わせないと……)
発想がkz……。するとそこへ――、
「そこのアナタ、電話番号を教えてくれない?」
ノブが現れた。
「ヒッ!! また出たぁ!!」
ケチ君は恐怖した。初代ベ〇リンガに似た謎の生命体が、電話番号を教えてくれとせがんできたのである。
「今すぐ! 僕の視界から消えろ! じゃないと、僕は! 酷いぞ!!」
ケチ君は声を大にしてノブを威嚇した。それに対し、ノブは――、
「うっふ、かわいい。照れちゃって」
「ヒッ!!」
ケチ君は全身の毛穴という毛穴が、恐怖で反応し、体毛がぴしゃりと立った。所謂鳥肌が立った状態である。しかしノブはお構い無しに続ける。
「前、好きだった人は……アレ? 付き合っていた人かしら?……ううん、結婚していたヒト……思い出せない、まあいいわ。彼よりもアナタは……アナタの方が魅力的なの。だ・か・ら、私はアナタのコトをアイシテイマス」
「ヤメロォオオ!! 黙れェエエ!! お前みたいな初代ベ〇リンガ、誰が好きになるか!! 独りで寂しく死んでしまえ!!」
「まぁ酷い。あんなにも私達は愛し合った仲じゃないの。あの日だって、あの夜だって」
「!(コイツと会うのは今日が2回目なのに……何を言ってるんだ、コイツ)」
ケチ君を更なる恐怖が襲った。
「もういいわ、訴えてやるんだから♡ 最高裁まで戦ってやるわ♡」
数年後――、最高裁判所にて。
「カツーン!」
「判決を言い渡す。被告人、ケチ君を……」
ゴクリ、と唾を呑むケチ君。
「死刑とする」
「えぇ!?」
ケチ君、死す!!