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78ー反感

「リリ、おはよう」

「リリ、おはよう。よく眠れたかしら?」

「兄さま、姉さま、おはようございます。グッスリ寝ました。ありがとうございます」

「殿下、おはようございます」

「アラ殿、おはようございます。昨夜はすみません。すぐに寝てしまったみたいです」

「いやいや、お気になさらずに」

「ありがとうございます。でも、星空は覚えてます。とってもキレイでした」

「それは良かった。殿下、今朝早くにケイアから報告がありました。準備ができた様です」

「そうですか。では食事が終わったら、早速行ってみます」

「では、レピオス殿にも伝えておきましょう」

「はい。ありがとうございます」


「殿下、おはようございます!」


 いつも元気なシェフだ。シェフの、通常運転にはいつも救われるわー。


「シェフ、おはよう! 今日も美味しそうだね」

「はい! 有難うございます! 殿下、今日は調薬室に1日おられますか?」

「うん、多分。レピオスと相談するけど」

「そうですか。もし1日いらっしゃるのなら、おやつをお持ちしましょう」

「シェフ、本当!? うれしい!」

「はい! 楽しみにしていて下さい!」

「うん! シェフいつもありがとう!」

「いえ! 何を仰います、殿下!」

「本当にシェフは殿下が1番なんですな?」

「はい! 辺境伯様。当然です!」


 シェフ、お願い。少し抑えようぜ。


「殿下、おはようございます」


 食堂を出たらレピオスが待っていた。


「レピオスおはよう。もう食べたの?」

「はい。年寄りは朝が早いですから」

 

 いや、何でだよ。レピオスまだそんな歳じゃないだろ。


「レピオス、何言ってんの? まだ若いのに」

「ハハハ、殿下。少し大人になりましたか?」

「やだ、レピオス。何でだよ」

「ハハハハハ」

「レピオス、調薬室に行くでしょ?」

「はい、そう思ってお待ちしておりました」

「殿下! おはようございます!」

「リュカ、おはよう! もう食べた?」

「はい! しっかり! 行きましょうか?」

「うん、ありがとう」


 レピオスとリュカと一緒に調薬室に向かう。


「殿下、あの薬師ですが」

「うん、レピオス。どうしたの?」

「最初の殿下への対応の件が、広まってしまってまして」

「え、レピオス。そうなの?」

「そうですね。騎士団にも領主隊にも広まってます」

「リュカ、そうなの?」

「はい。殿下が調理場で使用人も関係なく、みんな食べて! て、されたでしょう?」

「え? リュカ、それとどう関係があるの?」

「はい、あんなにお優しくて可愛らしい殿下に何て態度をとったんだ! と、言われてます」


 マジかぁ……!!


「なにそれ?」

「そうですね。邸内でも同じです」

「レピオス、まずいね」

「はい」

「かなり、マズイです」

「リュカ、頼むよ」

「いやいや、殿下。何をですか!? 」

「騎士団と領主隊の方、おねがい」

「殿下、無茶言わないで下さいよ」

「だってさぁ、ボクあんまり騎士団と領主隊とは会わないよ?」

「せめて、俺じゃなくてオクソール様に言って下さいよ」

「そう?」

「はい、そうです」

「ん〜、放っておけば、そのうち消えるだろうと思ってたのになぁ」

「殿下、それは甘かった様です。想像以上に殿下は、領主隊の心を鷲掴みにしていたみたいですね。さすがです!」


 リュカ、お前面白がってないか?

 何親指たててウインクしてんだよ!


「リュカ、意味わかんない」

「ハハハ、しかし殿下。邸内もそうですよ」

「えぇー! レピオス、ボクほとんど知らないよ?」

「調理場の件が決め手でしたね。アレで皆の心を鷲掴み……イテッ!」


 思わずリュカの足踏んじゃったよ。


「リュカ、やめて。マジで」

「いや、殿下。俺もマジです」

「えぇー!? 」


「殿下、リュカ。それより何か起こる前に、手を打つ方がよろしいかと」

「レピオスどうすんの?」

「辺境伯様のお耳に入れておきますか?」

「そうだね。あと、オクとね」

「オクソール様はもうご存知ですよ」

「じゃあ、オクがなだめてくれるかな?」

「殿下、オクソール様が、自発的にそんな事をされると思いますか?」

「え? リュカ、オクはしない?」

「て、言うか、興味がない?」

「リュカ、マジ!? 」

「マジです」

「あー、面倒だな」

「ええ、本当に面倒です」

「これ、リュカ。あなたまで何ですか」

「レピオス様、すみません」


 リュカ、また叱られたよ。


「ま、とにかく軟膏作りを進めよう」

「ええ。それが最優先ですから」

「うん、レピオスおねがいね」

「はい」


「殿下! おはようございます! 準備できました!」


 俺達は調薬室にきている。

 元気な挨拶をして張り切ってくれているのは、今話していた薬師のケイア・カーオンだ。


「おはよう。じゃあ、軟膏作ってしまおう」

「はい! 殿下、作り方を教えて頂ければ、後は皆で作っておきます!」

「そう? いいの?」

「はい! もちろんです!」

「じゃあ、どうしよっか。軟膏が2種類と虫除けの液体もあるからね。レピオスおねがい。手分けしようか?」

「はい、殿下。では、私は軟膏2種類の方を」

「分かった。じゃあボクは虫除けだね。適当に分かれて集まってくれるかな?」


 そうして軟膏と虫除けを作っている間に、リュカが辺境伯とオクソールに話しに行ってくれた。


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