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74ー美味しかった!

ブクマ100件、有難うございます!

こんな盛り上がりのない、拙い文章を読んで頂き有難うございます。

感謝感激雨○RASHI⁉︎

 おはようございます。

 俺は今、朝食を食べる為に食堂に向かっている。

 いつもの様にニルと手を繋いでね。


 なんで、いつもみたく起きたとこから始まらないかって?

 あのですね、昨日栗に興奮した俺が、厨房で騒いで食べてたもんだからさ、噂になってるんだよ。

 て言うか、すれ違う使用人皆に、言われちゃう訳よ。


「殿下、昨日はご馳走様でした!」

「美味しかったです!」

「殿下、沢山食べましたか!」


 とかさ、言われちゃってる訳さ。


 それにね『みんな一緒に、美味しいを味わうんだからね!』て、言ったらしく。

 俺がね。言ったんだって。覚えてないけど。


「なんてお優しい!」

「お可愛らしい!」


 て、なっちゃってる訳さ。

 その上ね、ニルに『あーん』して食べさせてもらってたのがさ、可愛いんだと。ま、いいけどさ。

 それで、小っ恥ずかしくて食堂に行きにくいんだよ。

 分かる? きっと皆にさ、生暖かい目で見られるんだぜ。ほんわかした目でさ。


「殿下、開けても宜しいですか?」


 ほら、現実逃避してる間に食堂に着いちゃったよ。

 ね、長くなるから俺の可愛い寝起きは省略したんだ。残念だけど。


「うん、ニルいいよ」


 ――コンコン……ガチャ……


「リリ!!」


 ――ボフッ!!


「フグッ……!!」

「フィオン様! お力を!」

「ああ、ごめんなさい」

「……プハッ、姉さま? ビックリしました」


 食堂に入ったら、いきなりフィオンに抱き締められたんだな。

 急に息できなくなって、マジびっくりしたわ。


「リリ、昨日どうして姉様を呼んでくれなかったの?」

「えっと……ボクは、あの場にいた人達だけで試しに焼いただけなので……姉さま、ごめんなさい」


 上目遣いで目をウルウルさせて言ってやった。


「リリ、そんな! 謝らなくてもいいのよ。今度は姉様を呼んでちょうだいね」

「はい! 姉さま!」


 やっと自分の席に座れた。フゥ〜……

 変な汗が出たわ。クーファルがウインクしてるぜ。

 うん。朝から俺、頑張ったよ。アハハ……


「殿下、今日の朝食です。昨日の栗と、さつまいもでポタージュを作ってみました」


 ほう、ペーストにしたんだね。凝ってるなぁ。

 あ、でもミルクが美味しいて言ってたなぁ。俺にはちょっと大きいスープスプーンで掬って、あ〜ん! と、口に入れると……栗とさつまいものハーモニーー♪


「……ン〜……シェフ、絶品!」

「殿下、有難うございます!」

「ああ、本当に美味しいね。」

「クーファル殿下、有難うございます」

「殿下、昨日あれからシェフ達厨房の皆は、試行錯誤した様ですよ。」

「あッ! 辺境伯様! それは秘密です!」

「え? シェフ、そうなの?」

「はい、実は皆で盛り上がってしまいまして。今日のオヤツは楽しみにしていて下さい! あ、昼食もです!」

「そうなの!? 楽しみにしておくよ!」


 うん、仲良くしてる様で良かったよ。



 さて、軟膏に使う薬草の抽出はどうかな?

 ぶっちゃけ前世のアロマだ。抽出方法までカブってる。

 しかし、この世界では効果倍増なんだな。

 なんでだろ? 魔素があるからかな?

 進捗状況を確認しに、レピオスと一緒に調薬室に向かっている。

 もちろん、リュカが護衛に付いている。


「ねえ、レピオス」

「なんでしょう? 殿下」

「ボク、まだ見学したいんだ」

「はい?」

「だからね、領地内の見学だよ」

「はぁ、では私が確認しておきましょうか?」

「ううん、ボクも行くけど」

「はぁ」

「ククッ……」


 リュカ、また笑ってる。


「あのね、だからさっさと済ませたいの」

「はい、分かりましたよ」

「ホントに分かってる?」

「はい。面倒なのは避けたいと」


 うん。さすがレピオスだ!


「リリアス殿下!」


 あ〜、やっぱ面倒そうだ。

 俺が面倒だから避けたい相手……

 そう辺境伯領薬師 ケイア・カーオンだ。


「どうかな? 進んでるかな?」

「はい! 殿下! 明日中には全て揃います!」

「そう。早いね。じゃあ材料が全て揃ったら、知らせてもらってもいいかな?」

「はい! 畏まりました!」

「じゃあ、おねがいね」

「あ、殿下!」


 さっさと捌けようと思ったのに、呼び止められたぜ。


「どうしました? 何かトラブルでもありましたか?」


 レピオス、ナイスアシストだ!


「いえ、あの……」

「なんですか? ハッキリおっしゃいなさい」

「はい!あの、昨日は私も美味しくいただきました! 有難うございます! ご馳走様でした!」

「あぁ、食べたんだ」

「はい! あのトゲトゲがあんなに美味しいなんて! 今まで勿体ない事をしておりました」

「美味しかったのなら、良かったよ。じゃあ、よろしくね。」

「はい! 殿下、お任せ下さい!」


 俺たちはさっさと調薬室を出た。


「なんでしょうね、あの変わり身の早さは」

「リュカ、手のひら返しとも言うよね」

「殿下もリュカも、そんな風に言ってはいけませんよ」

「レピオス、分かってるよ。ただの冗談だよ」

「え、俺は本気ですよ?」

「これ、リュカ。まだよく知らないのに、決めつけてはいけません」

「はい、レピオス様 」


 リュカがふくれちゃったよ。


「リュカはお子ちゃまだね〜」

「うわ、殿下。酷いですよ」

「エヘヘ。でもまあ、これ以上濃い人はいいかな」

「そうッスね。本当に」

「クックックッ……」

「それで殿下。今日はどこを見学されるんですか?」

「リュカ、わかんない」

「わかんないですか?」

「うん、リュカのお勧めはある?」

「いや、俺もわかんないです」

「アスラ殿、お暇じゃないかなぁ〜? また、どっか案内してくれないかなあ……」


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