表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

429/442

429 番外編ー鬼ごっこをしよう!

『6/1発売、感謝をこめて!』

番外編の2話目の投稿です。

SSですが、読んでいただけると幸いです!

「ねえ、リュカ」

「はい、殿下。何ッスか?」

「今日はヒマだね」

「そうッスか? 平和で良いじゃないッスか」

「ん~。リュカ、お外に行こう」

「え、行きますか?」

「うん、お外で遊ぶ」

「はいはい」


 リュカと2人で外に出て来た。と、言ってもだ。俺達のいる皇子宮や皇家が生活するのは城の1番奥だ。そこから中庭に出るのも遠い。

 トコトコ歩く。トコトコ、ポテポテと歩く。ああ、大きな階段を降りないとな。


「リュカ、おねがい」

「はい、抱っこしますよ」

「うん」

「殿下、このまま抱っこで行きますね。で、外で何するんッスか?」

「ん~そうだなぁ……リュカと2人で鬼ごっこしてもなぁ」

「何スか? 鬼ごっこ?」

「しょう。じゃんけんして負けた方が鬼さんで勝った方をおいかけりゅの」

「ほう。殿下と2人でッスか?」

「ね、楽しくないよね」

「そうッスね。俺すぐ捕まえちゃいますよ?」

「そりぇはありぇだよ。追いかけりゅ前に10読むの」

「ああ、殿下がまだちびっ子だからッスか」

「違うよ! しょういう決まりなの!」

「はいはい。ハンデですね」

「だかりゃぁ、違うって」

「はいはい。どっちにしろ2人だとあっという間ッスよ」

「だよね。ニリュもつりぇてきたりゃよかった」

「それよりオクソール様っしょ」

「あ……」

「殿下、何スか?」

「オクだ」

「マジっすか!?」


 丁度前からオクソールが歩いて来た。ご都合主義だ。


「殿下、どちらへ?」

「オク、良いとこりょにきたよ! 一緒に行こう!」

「え!? 何です!?」

「いいかりゃ、一緒に行くの!」


 ふっふっふ! これで3人だよ。あと何人かいないかなぁ……あ!


「フレイにーしゃま!!」


 前を歩いているフレイを見つけた! 側近のデュークも一緒だ。


「おう、リリ!」

「にーしゃま、いしょがしいですか!?」

「そんな事ないぞ。リリが1番だからな!」


 うん、意味が分からない。


「にーしゃま、一緒にいきましょう!」

「ん? どこに行くんだ? オクソール?」

「いえ、私も分かりません。リュカ?」

「あのですね、外に行きます。で、鬼ごっこをするそうです」

「「鬼ごっこ?」」

「はい。じゃんけんして負けた人が鬼で、勝った人を追いかけて捕まえるそうです」

「そうなんです! リュカと2人だとつまんないです!」


 あ、また良い人を見つけたぞ!


「しぇふー!!」

「おやおやッ! リリアス殿下! どうされましたッ!?」

「シェフ! お前も行くぞ!」

「え? フレイ殿下、どこにですか?」

「ねえ、りゅか。こんなもんだよね」

「そうッスね。充分ですね、て凄いメンバーになってますよ」


 よし。これで鬼ごっこができるぞ。


「リリ、何をどうするんだ?」

「にーしゃま、じゃんけんします。負けた人が鬼でしゅ。鬼しゃんが10数えている間に逃げます。鬼しゃんに捕まえりゃりぇない様に逃げりゅんです!」

「よしッ! オクソール、リュカ、シェフやるぞ! デュークはリリを抱っこして逃げたらどうだ?」

「ボクも自分で逃げます!」

「リリ、まだ小さいから無理だろう?」

「だって兄しゃま、自分で参加しないとおもしろくないです!」

「殿下、じゃあ殿下が逃げる時は10先に逃げるのはどうです?」

「オク、しょう?」

「はい。鬼なら10数えるのは無しで」

「えぇー、めっちゃハンデじゃん」

「リリ、そうしておけ」

「兄しゃま、分かりました」

「じゃあいいッスか? じゃんけんですよ」


 じゃ〜んけんポン! で、オクソールが負けて鬼だ。


「リリ、先に逃げるんだ!」

「あい!」


 俺は一生懸命逃げる! が、なんせまだ3歳だ。必死で走っても大した距離は稼げない。


「……10! 捕まえますよ!」

「うわッ! オクもう!?」


 そりゃそうさ。俺はあっという間に捕まったさ。つまんねー。

 後はもう鬼ごっこじゃなかったね。なんせ、みんな身体能力が高いからさ。シェフなんてオクソールが捕まえようとすると、ヒョイヒョイと躱して逃げている。

 時々、バック宙とか披露している。意味が分からない。


「ハッハッハ! オクソール、まだまだだなッ!」

 

 なんて、フレイは笑っていると不意をつかれてオクソールに捕まった。

 リュカは呆気なくアッサリと1番最初に捕まった。

 フレイの側近デュークも健闘虚しく捕まった。

 残るはシェフだ。


「もう、信じられないッスね。何スか? あのシェフの身体能力は?」

「ね、シェフじゃないよね」

「リリのシェフは戦うシェフだからな」

「それにしても、シェフの身のこなしは素晴らしいですね」


 て、俺達見学だよ。並んでしゃがんで見学だ。これ、鬼ごっこなの? 何なの? 何かの訓練なの? て、感じだ。

 近くを警備していた兵や、城の使用人達が応援しながら見ている。みんな集まってきてもう一大イベントだよ。

 見学していた野次馬から、あぁー! と、声が上がった。

 シェフがとうとうオクソールに捕まったんだ。


「あぁ〜、やっぱりオクソール殿には敵わない!」

「シェフ、おちゅかれー!」

「殿下、捕まってしまいましたぁッ!」


 いやいや、大健闘だよ。鬼ごっこには見えなかったね。


「はぁ、シェフは速いですね」

「いやいや、オクソール殿こそ」

 

 俺、あんまり楽しくないよ?


「ブハハハ! 殿下は1番最初に捕まりましたからね」

「リュカだってじゃん!」

「リュカはもっと鍛えないとダメだな」

「そうですね、まだまだですね」

「えぇー! フレイ殿下!」


 この後、騎士団で鬼ごっこが流行ったらしい。第1騎士団vs第2騎士団とかで対戦しているらしい。しかも、本気らしい。

 俺は本当楽しくなかったよ。あっけなかったからね。やっぱ鬼ごっこは同じ様な年齢の子としなきゃ楽しくないね。

 脳筋とはしちゃダメだ。うん、教訓だ。


読んで頂きありがとうございます!

よろしければ、評価とブクマをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ