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380ー鍛練場

遅くなってしまいました!

申し訳ないです!

「やあ、こんにちは。もしかして君達が、アウルとアーシャかな?」

「はい! フォルセ殿下。アンシャーリと申します。初めてお目に掛かります」

「アウルースです。初めまして」

「やだー!リリ、何この子達! 超可愛いじゃん! お利口だねー。初めまして、僕はフォルセです。宜しくね!」

「フォルセ殿下、ご無沙汰しております」

「アルコース殿。お久しぶりです」

「フォルセ兄様、まさか鍛練じゃないですよね?」

「リリ、まさかとは何かな? 僕だって少し位は鍛練するよ? まあ、今は見てるだけだけど。ニルを借りてるんだ」

「あ、じゃあテュール兄様とエウリアー様も?」

「そうそう。分かっているんだけどさぁ、ニルは強いね。エウリアー様だって強い筈なんだけど、まだ相手にならないや」


 本当にニルは、ビックリするよ。エウリアー様が、婚姻して城に入られてからはニルが鍛練のお相手をしているのだが、超強かった。マジかよ! て、思ったもんな。

 妊娠と出産で、暫くまともな鍛練をしていなかった筈なのに、強さは変わらない。

 なのに、当のニルは「私は普通です」なんて、シレッと言うんだぜ。普通な訳ないだろ? て、感じだ。


「リリ殿下、ニルて殿下の?」

「アーシャ、そうだよ。あのニルだ。強いんだよ、めちゃくちゃ強い」

「凄いです! そうなんですか!」

「そうなんだ。テュール兄様の奥さんの鍛練のお相手をしているんだけどね。2人共、めちゃくちゃ強いんだ」


 俺達は鍛練場のベンチに座ってエウリアー様とニルの打ち合いを見ている。

 アンシャーリがキラキラとした目で見つめている。


「凄いわ! 叔父様、わたしも鍛練したらあんな風に強くなれますか!?」

「アーシャ、よく覚えておきなさい。あの人達は普通じゃない」


 あらら、アルコースに普通じゃないなんて言われちゃったよ。


「リリ! 来てたのか! 鍛練するか?」


 テュールだよ。直ぐ鍛練とか言うんだよ。


「テュール兄様、しませんよ」

「おや、君達は辺境伯のお孫さん達か?」

「初めまして、アンシャーリです!」

「アウルースです!」

「リリから話は聞いてるよ。初めまして、俺はリリの兄のテュールだ」

「テュール殿下、お久しぶりです」

「アルコース殿、本当に久しぶりだ。アンシャーリがアスラール殿の子で、アウルースがアルコース殿の子だったかな?」

「はい、6歳と5歳です」

「そうか、よく来たね。可愛いなぁ。小さい子は無条件に可愛い」


 テュールがアンシャーリの頭を撫でている。その内、テュールにも子供が出来るだろうよ。


「ねえ、リリ。リリの愛しいアウルくんと何するの?」

「フォルセ兄様、久しぶりに一緒にユキに乗ろうと思って」

「ユキに? アウル、怖くないの?」

「はい! フォルセ殿下、全然怖くありません! 気持ち良いです! 楽しいです!」

「そうなんだ! アウルのこのホッペはなぁに? プクプクだね〜。髪もサラッサラだ!」


 フォルセはそう言いながら、しゃがんでアウルと目線の高さを合わせニコニコしながらアウルの頬を突いたり髪を撫でたりしている。


「フォルセ兄様、ちょっと引きますよ」

「え? だってリリ、本当に可愛いね」


 アウルも確かに可愛いが、見た目妖精さんにそう言われてもなぁ。


「アウル、フォルセ兄様は妖精みたい、て言われてるんだ」

「リリさま、妖精ですか?」

「そう。ほら、兄様の見た目がね」

「ピカピカでフワフワです。皇子様は皆そうなのですか?」


 いやいや、アウル。そんなわけないじゃん。フォルセだけだよ。


「リリは自覚がないからね〜。アウルもピカピカで可愛いよ?」

「フォルセ殿下、有難うございます!」

「リリアス殿下! 鍛練なさいますか?」


 ニルがエウリアーとの打ち合いを終えてやって来た。

 なんでだよ! アウルースやアンシャーリも一緒なのに、何で鍛練になるんだよ。


「ニル、しないよ〜! ユキに乗せてもらいに来たの。アウル、行こう」

「はい! リリさま!」

「ユキ」

「ああ」


 ユキさんは、伏せて乗りやすくしてくれる。俺は、アウルを先に乗せてその後ろに乗る。


「ユキ、いいよー!」

「しっかり捕まっていろ」


 ユキがしなやかに静かに走り出す。

 ああ、ユキの走りは綺麗だなぁ。


「キャハハハ! ユキ早いー!」

「アウル、しっかり捕まるんだよ!」

「はい! リリさま!」


 ユキと出会えたのは、本当に偶然だったのかなぁ。そう言えばルーが、引き寄せたかもと言ってたっけ。

 ユキにも沢山助けられたよな。


「リリ、何を考えている?」

「何でもないよ! ユキ、もっと早くー!」

「しっかり捕まっているんだぞ」


 そう言って、ユキはスピードをあげた。

 こうして、アウルと一緒にユキに乗るのももしかしたら最後かも知れないな。

 アウルも大きくなったらもう二人一緒には乗れないだろうし。


「キャハハハ! リリさまー! ユキ早ーい!」

「アウル、お口開けっぱなしじゃない!」


 俺は後ろからアウルの腰に手を回して支える。まだ、ぷにぷにだぜ。可愛いなぁ。

 そりゃあ、可愛いさ。そのうちアウルも思い出すのかなぁ?

 ちょっと感傷的になったりしながら、鍛練場を何周かまわった。


「ハァ、ユキ凄いです! カッコいい!」

「アハハハ、アウルはユキが好きだねぇ」

「はい! リリさま! リリさまもユキもみんな好きです!」

「そうか、みんな好きかぁ」 


 良い事だ。幸せだな。日常の小さな事が本当に幸せなんだ。しみじみ思うよ。


「アウル! 戻ってきなさい!」

「はーい! ユキさん、父さまのところまで戻って!」

「ああ」


 この返事とかさぁ、ユキさんて男前なんだよね。イケおじっぽいよ。


「リリ、我はまだ若い」

「アハハハ、ユキごめん」


 雰囲気だよ、雰囲気。いや、確かユキは超長生きしてなかったか?

 前にオクソールに歳を聞いて驚いた記憶があるぞ。


「アウル、お前ずっと口開けてたら口の中がカラカラになるだろう」

「父さま、大丈夫です!」


 そうだよ、アウルはずっと口を開けて笑ってた。天使だよ。


誤字報告有難う御座います!

有り難く適用させて頂いてます!

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