379ーちびっ子達
読んで頂き有難う御座います。
残り10話になりました。
あと少しですが、最終話まで宜しくお願いします。
まず、最初に鑑定したアンシャーリ。
風属性と氷属性を持っていた。魔力量は、まだ6歳と言う事もあってそう多くはない。
風属性も氷属性も、父親のアスラールと同じ属性だ。氷属性は祖母のアリンナも持っている。
次に、アンシャーリの妹、2歳のアリーシア・サウエル。
この子は風属性と土属性だった。母親のラレースと同じ属性だ。やはりまだ魔力量は少ない。
最後は、アウルースの弟、まだ1歳だ。アルフィース・サウエル。
この子は、火属性と風属性と土属性を持っていた。火属性は祖父のアラウィンと母親のフィオン、土属性はフィオン、風属性は祖父のアラウィンと父親のアルコースが持っている。
そして、魔力量はフィオンが多いのでその影響なのか、まだ1歳なのに6歳のアンシャーリと同じ位ある。
「魔力量はまだまだこれから増やす事もできるし、成長と共に増えると思います」
「リリ、有難う」
「いえ、フィオン姉様」
「なるほど、属性は血筋があるのだろうな」
「フレイ兄様、みたいですね」
「リリ、魔力量はどう思う?」
「それも、血筋かも知れません。フィオン姉様は多いですから」
俺達、兄弟は皆魔力量が多い。脳筋チームのフレイやテュールでさえ魔力量が多く、剣と魔法を上手く組み合わせて使っている。
「だな。私は納得できる結果ではないかと思うが。フィオンどうだ?」
「フレイ兄上、そうですね。それに、お義父様とお義母様の属性も出ているのかも知れません。お義父様は、風属性と火属性。お義母様は氷属性をお持ちですから」
「リリ殿下! 有難うございます。お父様と同じ風や氷の剣が使えるかも知れないのですよね!」
「アーシャ、剣を使うつもりなの?」
「はい! リリ殿下! 領主隊を率いてみせます!」
「アハハハ! アスラの娘は領主隊を率いるか! 頼もしいな! 将来が楽しみだ!」
て、フレイ。爆笑したら駄目だぞ。
アンシャーリは、まだ思っていたんだな。アスラールを見ると、苦笑いをしている。でも、父親と同じ剣が使えると喜ぶなんて可愛いじゃないか。
「そうだね。アーシャ、僕たち皇族の女の人達もね、領主隊ほどじゃないけど鍛練しているんだよ」
「そうなのですか!?」
「うん。自分の身は自分で守れる様にね。
辺境伯領は魔物が出る場所が近い。鍛練するのは良い事だと思うよ。でもね、アーシャ。皇族の女の人達はそれだけじゃないんだ」
「リリ殿下、他にも鍛練されているのですか?」
「アーシャ、鍛練じゃなくてマナーや教養だよ。皇族として、貴族の女性達の上に立つだけのマナーや身のこなし、教養を身につけるよう勉強しているんだ。
アーシャのお祖父様も辺境伯領主だ。領地の貴族や民達の上に立つ人だね。アーシャ、僕が何を言いたいのか分かるかな?」
「リリ殿下。えっと……私も剣だけでは駄目なのですね?」
「そうだ。お利口だね、アーシャ」
アウルースもアンシャーリも、まだ小さいのに聡い子達だ。
「リリちゃま」
おふッ! ちゃまだって! なんだ、超可愛いな! アンシャーリの妹だ。
「アリーシア、何かな?」
「リリちゃま、ありがとうごじゃいまちた!」
「いいえ。どういたしまして」
可愛いなぁ。良い子だよ。
「アリー、リリ様じゃなくてリリ殿下よ」
「おねーちゃま、リリちゃまでしゅ」
「アハハハ、可愛い! そうだよ、僕はリリだ」
「あい!」
1番小さいアウルースの弟、アルフィースはアルコースに抱っこされてスヤスヤと寝息をたてている。
ちびっ子が4人だ。可愛いが、大変だろうなぁ。
「アスラ殿、大変ですね。4人もいると」
「リリアス殿下、そうなのですよ。もう毎日が戦争ですよ。どこかで誰かが泣いていますからね。父が、予想以上に面倒を見てくれるので助かるのですが、代わりに領主の仕事を私に振ってくるので困っています」
「アスラール、だから私はもう引退してお前に任せると言っているではないか」
「もう、すっかりおじいちゃんなんですよ。ちょっと目を離すと、直ぐに孫と一緒に遊んでいるのです」
アハハハ、アリンナ様が困ってるよ。
「辺境伯、引退はまだ早い」
「フレイ兄様、ですよね。父様だってまだ現役ですもん」
「リリ、まあ父上はな」
おや? フレイ、何なんだ?
「リリアス殿下、それ以上は突っ込まれない方が宜しいかと」
何だよ。気になるじゃん。いいけどさ。なんとなく、察しがつくからさ。だって、現皇帝の父より、フレイやクーファルの方が忙しそうだからな。
突っ込むのは止めておこう。
「リリさま、久しぶりにユキに乗りたいです!」
「アウルース、またそんな事を」
「父さま、駄目ですか?」
「いいよ、いいよ。ユキ、いいよね?」
「ああ、構わん」
ユキが体を起こしてぐぐーっと伸びをする。そうそう。ユキさん、食後の運動だよ。
「では、殿下。鍛練場に行きますか?」
「うん、オク。そうだね」
「わたしも行きたいです!」
「アーシャ、どうしたの?」
「リリ殿下、鍛練場て騎士団のですか?」
「そうだよ。ああ、アーシャ見たい?」
「はい! リリ殿下!」
「アハハハ、本当に好きなんだね。じゃあ、一緒に行こう。アスラ殿、アルコース殿、構いませんか?」
「もちろんです。ご迷惑ではありませんか?」
「アスラ殿、全然そんな事ないですよ」
迷惑なものかよ。アウルースとアンシャーリと一緒にいられるのは嬉しいさ。
「兄上、私がアウルとアーシャと一緒に行きますよ」
「アルコース、すまない。頼む」
フレイとアスラールは同級生で盟友だそうだ。次期同士、話す事もあるのかも知れない。
俺とアウルースとアンシャーリ、アルコース、オクソールにリュカとラルク、ユキと一緒に騎士団の屋外鍛練場に向かう。
俺としっかりと手を繋ぎながらアウルースが歩く。アンシャーリはラルクが手を繋いでくれている。
「リリさま、お城は広いです」
「そうだね、アウルは来るのがまだ2回目だったね」
「はい。去年、アーシャの5歳のお披露目の時についてきました」
「今年はアウルか。早いなぁ。もう5歳だ」
そうだよ。俺が辺境伯領に行った時、アウルースはまだ2歳だった。
今よりもっと幼児体型でプクプクしていて、歩き方も頼りなかったのにお兄さんになったよ。
「あ、殿下。テュール殿下がおられますね」
リュカが先に見えてきた鍛練場を見て言う。もう、誰がいるか見えるのか? 俺は小さくしか見えねーぞ。どれが誰かなんて分かんねーよ。
そう、思いながら近付いていくと手を振る人がいた。
「リリー!」
ああ、あれはフォルセだな。フォルセは遠目で見ても妖精さんだ。
「アウル、アーシャ。手を振ってくれているのが、僕の直ぐ上のフォルセ兄様だ」
「アウル、アーシャ。フォルセ殿下だ」
アルコースがそう教える。そっか、二人の立場から見ると皇子殿下だもんな。
誤字報告有難う御座います!
お世話になります。
ブクマ、評価も宜しくお願いします!