表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

375/442

375ークーファルの婚姻

 クーファルの婚姻式はフィオンの時と同じ城のすぐ近くにある、帝国の大聖堂で執り行われる。当然、大聖堂には光の神を祀っている。


 クーファルのお相手、ミリアーナ・アイスクラー侯爵令嬢。俺が5歳からの友達のディアーナのお姉さんだ。

 ミリアーナ嬢はフォルセと同級生で、アカデミーの卒業を待っての婚姻だ。

 クーファルも、もう29歳だ。相変わらず、人気もあって超イケメンだけどな。


 クーファルは俺が1番頼りにしている兄だ。長男のフレイ以外の兄弟は婚姻したら城を出て行くと聞いて、俺は一時落ち込んだ程なんだよ。

 しかし、結局は誰も出て行く気はない様だ。

 先に婚姻したテュールも城にいる。今迄いた皇子宮ではなくて、別宮にだが。クーファルもそうなる。

 皇子宮に残るのが、俺とフォルセだけになるから少し寂しいが、同じ城の敷地内なのでいつでも会える。


「リリ、クーファル兄上蕩けそうな顔をしているね」


 横に座っているフォルセが小さな声で話してきた。


「そうですね。卒業まで待ちましたからね」

「ね、同級生だよ。僕は少し複雑だよ。姉上なんて呼べないよ」

「そうか、そうなるんですね。でも、フォルセ兄様。シャルフローラ様や、エウリアー様にも姉上て呼んでないですよね?」

「あ、そうだね。じゃあいいや」


 なんだそれは。フォルセは何歳になっても妖精さんだ。フワフワしていて超絶可愛い。


「リリ、なんか急に背が伸びてない?」

「兄様、急には伸びてないです。徐々にです。でも、ラルクの方が大きいんです」

「そりゃ、だってラルクの方が年上でしょ?」

「兄様、1歳だけですよ?」

「あれ? そうだっけ? ラルク、大きいね」

「でしょう?」


 あ、母様に睨まれちゃったよ。


「フォルセ兄様、母様が睨んでます」

「あ、怖い。大人しくしとこう」


 ペロッと舌を出す。もう、フォルセ超絶可愛いな。


 無事にクーファルの婚姻式が終わって、婚姻のお披露目パーティーだ。

 沢山の貴族が出席している。クーファルとミリアーナは父と皇后様、ミリアーナの両親と一緒に順に貴族達の挨拶を受けている。


「リリ、もう辺境伯一家とは会ったのか?」


 長男で次期皇帝のフレイだ。フレイにも子供ができた。1歳の男の子がいる。

 奥さんのシャルフローラは、今二人目を妊娠中で悪阻が酷い時期なので式には出席していたが、お披露目パーティーは欠席だ。

 まだ、家族とその側近達しか知らない事だが、フレイの長男には光属性があった。

 俺が鑑定したからな。魔力量も普通より多い。フレイはその事が分かって直ぐに側妃は持たないと宣言した。


「光属性を持った皇子が産まれたんだから必要ない」


 と、ハッキリ言った。実際、そうなんだから父も皇后も了承した。

 実は二人目も男の子だと分かっている。俺が見てしまって、うっかり口を滑らせてしまった。


「リリ、それは言ったら楽しみがないだろう」


 と、フレイには言われた。


「まあ、そうか。じゃあ3人目も頑張るか」


 だ、そうだ。女の子も欲しいそうだ。勝手にしてくれ。


「フレイ兄様、もう話しましたよ。アウルともしっかり話しました」

「アウル、大きくなっただろうな」

「はい。しっかりしてますよ。相変わらず可愛いですけどね」

「アハハハ、リリはアウル大好きだからな」

「フレイ兄上、アウルってフィオン姉様の?」

「フォルセ、そうだ。フィオンの長男だ」

「ああ、あれだね。贈り物で号泣していた」

「そうです。フォルセ兄様、よく覚えてますね」

「そりゃそうだよ。だって、花を咲かせるなんて事は誰にもできないからね」


 ああ、そうだった。辺境伯邸の裏にある光の木と呼ばれている5本の木に花を咲かせたんだった。懐かしいなぁ。


「リリ、アウルの属性は見てないのか?」

「フレイ兄様、見てませんよ。どうしてですか?」

「いや、アウルは持っていそうだろ?」


 そうか。そうかな。見てみたいな。


「フィオン姉様に何も言われてないので」

「そうか。フィオンに話してみよう」

「フレイ兄様、止めて下さい。自然に分かるまでいいですよ」

「いや、気になる。辺境伯はきっとアウルが継ぐだろうからな」


 うわ、フレイ。それを言ったら駄目だろ?


「ん? リリ、どうした?」

「フレイ兄様、それは言ったら駄目ですよ」

「そうか? しかし、アスラもそう思っているぞ?」


 そうなのか?


「フレイ兄様、でもアスラ殿は挑戦すると言ってましたよ?」

「リリ、挑戦て意味分かってるのか?」

「はい。挑む事です」


 なんだよ。分かってるぜ?


「フレイ兄上、リリは天然ですから」

「フォルセ、そうだったな」

「リリはそのままでいいよ。変わらないでいて欲しいな」

「ああ、本当にな」


 兄二人よ。俺は成長しているんだぜ。


「リリ。フレイ兄上、フォルセ」

「クーファル兄様、おめでとうございます!」

「クーファル、おめでとう」

「クーファル兄上、おめでとうございます」

「有難う」

「あー、俺だけ放っておかないで下さいよ! クーファル兄上、おめでとうございます!」

「テュール、有難う」

「クーファル兄様、おめでとうございます」

「フィオン、久しぶりだね。わざわざ有難う」


 おー、久しぶりに兄弟が全員揃ったよ。


「テュール、婚姻の時に来れなくてごめんなさいね」

「フィオン姉上、気にしないで下さい。妊娠中は気をつけないといけませんから」


 テュールが、あの叔祖母様の孫娘との婚姻式の時には、フィオンは二人目がお腹にいて欠席だったんだ。

 だから、兄弟全員が集まるのは本当に久しぶりだ。何か嬉しい。


「フレイ兄上もフィオン姉上も子供がいるんですもんね。何か信じられないや」

「フォルセ、貴方呑気な事を言って。次はフォルセでしょう?」

「姉上、僕は想う人ができるまでしないと公言してますから」

「そんな事関係ないわよ。ご令嬢方はフォルセを狙っているわ。令嬢達は強かだから」

「えぇー! やだやだ。リリ、助けて」

「フォルセ兄様、頑張って下さい。分かっていた事ですよ?」

「やだ、リリったら冷たいね。ずっと二人で仲良くしようね、て言ったのに」


 それは置いておいて、フォルセが令嬢方にロックオンされているのは事実だな。


「クーファル兄様、幸せそうですね」


 こんな穏やかなクーファルは初めて見たぜ。


「リリ、有難う。リリも幸せにならないとね」

「兄様、僕は今でも幸せですよ?」

「リリ、それは意味が違うよ?」

「クーファル兄上、リリは天然ですから」


 フォルセ、天然てさっきも言ったぞ。


誤字報告、有難う御座います!

何であんなミスをしたのか。助かります。有難う御座います。


ラストが近付くにつれて不安が大きくなります。

あともう少しです。

最初から読んで下さっている方々、本当に有難う御座います。

どんなラストでも、どうか大らかな気持ちで読んで頂けますようお願いします。


ブクマ、評価して頂けると勇気がでます!

有難う御座います!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この皇族御一家が集まってキラキラしくお話ししてるの華やかだろうな~! 美男美女満載。 上が30過ぎ下が13才とか年齢的にも最高ですね…絵姿販売したらめっちゃ売れそう。私も欲しい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ