表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

340/442

340ー待ってたよ

「殿下、目が覚めたらいらっしゃらないのでビックリしましたよ」

「イル、ごめん。急襲だったから」

「あの大きな音ですか? 大丈夫でしたか?」

「イル様、あれは殿下の魔法ですよ」

「え? リュカさん?」

「あの大きな音は殿下の攻撃魔法です」

「…………!!」


 あー、ほらリュカ。イルマルが固まったよ。どーすんだよ。

 よっこいしょとソファーに座って、俺はりんごジュースを飲む。


「コクン……コクコク」


 あー、動いた後のりんごジュースは格別だね。


「激うまッ」

「プハハッ、殿下。寝る前にあまり甘いものをとらない方が良いですよ?」

「だってリュカ。お喉が乾いたの。りんごジュースは激ウマなの」

「アハハハ! 殿下、ご無事で何よりです!」

「キース、ありがとう」

「騎士団が到着して後始末をしています。明日になったらクーファル殿下が来られるので、その頃には大体分かっているでしょう」

「リュカさん、じゃあ今は何も分からないの?」

「そうですね。ただ、男爵の力だけであの人数は集められないでしょう」

「キース、とにかく明日兄さまが来てからだよ。ボクももう寝るし。みんなも寝よう。まだ夜中だ」

「殿下、でも……」

「キース、大丈夫だよ。兄さまなら悪いようにはしない」

「殿下、分かりました」


 さあ、寝ようぜ。はいはい、さあ、みんな寝よう。俺はさっさと部屋に戻る。


「殿下、良いんですか?」

「だってリュカ。確実な事はまだ何もないからね」

「まあ、そうですが」

「リュカもおつかれ様。怪我がなくて良かったよ。少しは寝てね」

「はい、ありがとうございます。では、殿下、ラルク様、失礼します」


 リュカが部屋を出て行った。きっとまたオクソールの元に行くんだろうな。少しは身体を休めてほしいな。


「殿下、着替えて下さい」

「うん、ラルク」


 そして俺は、ラルクにオートで着替えさせられてベッドに入った。

 いやぁ、まるでニルみたいだ。助かるわ〜。



 翌日、起きたらかなり朝寝坊してしまった。

 ラルクは……? 起きてるのか? いないぞ?


「殿下、お目覚めでしたか。すみません、シェフの所に行ってました」

「うん、おはよう。ラルク寝た?」

「はい。寝ましたよ」


 なら良いけどさ。ラルクだってまだ子供なんだから。しっかり睡眠はとってほしいよね。


「殿下、軽く食べられますか? また直ぐにお昼になりますが」

「ん〜、少しで良いや。お昼にちゃんと食べるよ」


 俺は身支度をしながら答えた。


「はい。お待ち下さい」


 ラルクがドアを開けるとそこにはシェフがいた。

 こう言うの、久しぶりじゃねーか? ドアの外にシェフが待っているのなんてさ。


「殿下、パンケーキです。小さめにしてます」

「うん、シェフ。ありがとう。ラルクはもう食べたの?」

「はい。頂きました」


 シェフが作ってくれた、パンケーキを食べる。

 ウマウマだ。りんごジュースも美味いぜ。


「兄さまはいつ頃来るのかなぁ?」

「殿下、もう直ぐだと思いますよ」

「そう?」

「はい。オクソール様が表で待っておられますから」

「そうなんだ。兄さまも早いね。モギュモギュ。ユキは?」

「調理場です」

「また?」

「はい。またです」


 その時ちょうどユキがノソノソと部屋に戻ってきた。


「リリ、起きたか」

「うん。ユキずっと食べてたの?」

「そんな訳あるまい」

「ふぅ〜ん」

「そのパンケーキと言うものは美味いな」

「パンケーキ貰ってたの?」

「ああ。シェフが焼いていたからな」


 なんだよ、やっぱずっと食べてんじゃん。


「ユキ、太るよ?」

「リリ、何を言うか。我が太る訳なかろう?」

「いやいや、食べてばっかだと普通に太るよ?」

「…………」


 まあ、好きにすれば良いけどさ。太いユキヒョウの神獣て、全然カッコよくないよね? と、俺は思うよ?


「…………」

「アハハハ! ユキ、間食をやめて一食の量を少し減らしたらどうですか?」

「ラルク、間食とはオヤツか?」

「そうですね」

「それは駄目だ。シェフの作るオヤツは外せない」

「あー、シェフのオヤツは美味しいもんね〜。でもさぁ、ユキ」

「リリ、何だ?」

「お腹がぷよぷよの神獣って、どうだろう……?」

「ぷ、ぷよ……」

「うん。やっぱさぁ、ユキヒョウだしぃ、神獣なんだしぃ。ぷよぷよはないよね〜」

 

 ぷぷぷ……! ユキ、こんな事言われてどうするかなぁ?


「む……満腹をやめよう」

「え……?」

「腹八分目と言うではないか」

「あぁ……」

「食事もオヤツも満腹を止めて、腹八分目にしよう」

「ユキ、食べないと言う選択肢はないんだね?」

「リリ、シェフの料理は美味い」

「そうだね……」


 ユキさん、本当にシェフの料理がお気に入りなんだね。うん。もう、何も言わないよ。まぁでも、昨夜は俺とラルクを乗せて大活躍だったからな、今日はヨシとしよう。


 ――コンコン


「失礼します。殿下、クーファル殿下がお着きになられましたよ」

「リュカ、ありがとう。行くよ」


 クーファルが来たらもう安心だぜ! 俺は、リュカの後をラルクと一緒に付いて行く。ユキも俺の横にいる。


「失礼します。リリアス殿下をお連れしました」


 リビングのドアを開けると、そこにはなんと……!


「リリアス殿下、お怪我もない様で安心致しました」

「レピオス! なんだ! 来てくれたの!? どうやって!? レピオス!」


 リビングに入ると、クーファルの横に座っているレピオスがいたんだ!

 超嬉しい! なんだよ、なんだよ〜! レピオス、来るなら一言言ってくれよぉー! 嬉しいぜ! 思わず走り寄ってしまったよ!


「アハハハ。リリ、落ち着きなさい」

「兄さま! レピオスを呼んでくれたのですか!?」

「ああ。薬草の事もあるからね」

「実は、麻薬のお話を聞いた時に直ぐに来たかったのですが、シャルフローラ様が来ると仰って聞かなかったのです。なんとか説き伏せて諦めて頂きました。それで、少し遅くなってしまいました」

「あー、だって麻薬と言っても薬草だもんね」

「そうなんですよ。どこからか、聞かれたらしくて。本当に困りました」

「どうやって説き伏せたの?」

「はい。説き伏せたと言うか、フレイ殿下が懇々と言い聞かせて下さいました」

「アハハハ! フレイ兄さまが!? 見たかったよ」

「あれはシャルフローラ様の悪い癖ですね。薬草となると見境が無い」

「アハハハ! レピオスまで! 疲れてるじゃん!」

「殿下、そう仰いますがね、本当に大変だったのですよ」

「ありがとう! レピオスが来てくれて嬉しいよ! 本当に心強い!」

「おやおや、こんな老いぼれにそう言って下さるとは、嬉しいです」

「何言ってんの! まだまだレピオスは若いよ! ボクの師匠なんだから、宜しくね!」

「はい、殿下。ありがとうございます」


 あー、レピオスのこの安心感よ! 嬉しいねー!


久しぶりの登場、レピオスです。

覚えて頂けているのかちょっと心配。


いいね!有難う御座います!

ブクマ、評価、感想をお願いします!

励みにして、頑張ります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ