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250/442

250ー愛された子

いつも読んで頂き有難うございます!

投稿が遅くなってしまいました。

申し訳ないです!


間違えて同じお話をアップしてしまいました!

250話が正解です。申し訳ありません!

「リリアス殿下、アウルースがベッタリで申し訳ありません」


 俺達は夕食を終えて応接室に来ている。例のユキ待ちだ。もう、アウルースもアンシャーリも部屋でおネムだ。


「アルコース殿、全然そんな事ありませんよ。ボクも可愛くて仕方ないですから」

「有難うございます。まさかこんなにリリアス殿下を追いかけるとは思いませんでした」

「アハハハ、嬉しいです。アウルは本当に良い子です。まだ2歳なのに大切な事は分かっている」

「そうですか? ただの甘えん坊にしか思えませんが」

「まだ2歳ですから。両親が大好きなんですよ」

「あら、じゃあ10歳のリリはもう両親が大好きじゃあないのかしら?」

「え!? 母さま、ボクは母さまが大好きですよ!」

「あら、良かったわ」


「リリアス殿下、明日も船で出られるそうですね」

「はい、アスラ殿。浅瀬に気になるところを見つけたのです」


 俺はシェフが見つけた浅瀬の話をした。遠浅になっていて、珊瑚礁が見える場所があると。そこが、気になるんだ。


「ああ、シェフは凄いですね。潜った時に気付いたのでしょう?」

「アスラ殿、その通りです」

「ニルズがのっているサイズの漁船が通れるルートがあるのです。そこ以外は殿下の仰る通り遠浅で珊瑚礁になっています」

「そうなのですか? アスラ殿は浅瀬に船で行った事はありますか?」

「いえ、漁場はある程度深さがある所ですから。皆あまり浅瀬には行きませんね」

「あー、もったいない」

「もったいないですか?」

「ええ、珊瑚もアクセサリーになりますよ。真っ赤な珊瑚があるのですが貴重です。乱獲は駄目ですけど」

「珊瑚がですか?」

「ええ、アスラ殿。とても綺麗ですよ。そんな珊瑚があるかどうかは分かりませんが。それに明日はそれが目的ではないんですけど」

「私も明日もご一緒してもよろしいですか?」

「もちろんです」




「……ん〜、ふわぁ……」

「殿下、おはよう御座います」

「ニル、おはよう。めちゃ良く寝たよ」

「それは宜しかったです」


 翌朝、俺はベッドから下りて顔を洗って着替える。


「ニル、今日も海に出るんだ」

「はい、ラルクから聞きました。また気になる所があるのですか?」

「うん。ちょっとね。もしかしたらまた領地の産業に繋がるかも知れない」

「まあ、そうなんですね」

「もしかしたら……だけどね」



 俺は朝食を食べて、港に向かう。オクソールに馬に乗せて貰っている。

 朝、アウルースがグズらずにちゃんと送り出してくれた。聞き分けのいい子だ。

 早く帰って一緒に遊ぼう。


 アースは朝からアンシャーリに捕まってしまった。今日は1日アンシャーリの相手だ。

 レイもそれに付き合う。アース一人だと不安だからな。



「殿下、アウル様お利口さんでしたね」


 リュカが並走しながら話してきた。リュカはラルクを乗せている。


「ね、リュカ。あの子は賢いよ。ちゃんとボク達が話している内容を理解している」

「そうですか?」

「うん。大きくなるのが楽しみだ」

「殿下、またおじさん臭い事を」

「アハハハ。ラルク、そう?」

「アウルはいい子だ。この地に必要な子だ」


 俺の直ぐ横を走っているユキが言った。


「ユキ、そうなの?」

「ああ。我はそう思う」

「そっか。次男のアルコース殿の息子なんだけどな。」

「後継者と言う意味ではないぞ」

「ユキ、そうなの?」

「ああ。リリは特別だが。時々その地に愛された子が産まれる。アウルはそうだ。この地に愛されている」

「そっか。そうなんだ」

 

 アウルースは言ってたなぁ。

 空が綺麗だと。海も川も畑も綺麗だと。

 あの子の目には、どんな風に映っているんだろう。



「リリ殿下! こっちだ!」

「おっちゃん! ニディ!」


 港で二人が待っていてくれた。


「今日は少ないんだな」

「うん。アースとレイがアンシャーリの相手してるんだ」

「そうか。嬢ちゃんか」

「アンシャーリの我儘に付き合ってもらって申し訳ない」

「アスラ殿、気にしないで下さい。大丈夫ですから」

「殿下、有難うございます」

「アハハハ、まぁ子供は皆そんなもんだ。さ、今日はこっちだ」


 俺達は馬を預けて、ニルズとニディの後を歩く。

 今日のメンバーは、オクソール、リュカ、シェフ、ラルク、ユキそれにアスラール、アスラールの側近セインだ。

 側近のセインは何度も会っているが、控えめな人でまだあまり知らない。


「それよりフレイ兄さまだよ。大人なのに」

「フレイ殿下がどうかしたのか?」

「食べ過ぎなんだよ」

「へ? 食べ過ぎ?」

「おっちゃんそうなの。兄さまて、子供みたいな所があるんだよ」

「クーファル殿下とはまた全然違うんだな」

「うん。クーファル兄さまはいつも冷静で頼りになる。でもね、カリスマ性はフレイ兄さまなんだ」

「ほぉ。さすが次期皇帝じゃねーか」


「親父、俺先に乗るから」

「ああ、分かった。殿下、今日の船だ。昨日より小さい船じゃないと、あそこに行けないんだよ。浅いからな」

「うん。おっちゃん」



「シェフ、どこら辺だった?」


 もう船は動き出している。昨日シェフが見つけたポイントを目指している。


「殿下、もう少し沖ですね。白く見えたので、きっと珊瑚礁があるのでしょう」

「うん。どうなってるんだろう。楽しみだ」


 実は少し思い浮かべているのがある。

 前世、地球で世界遺産に登録されていたりするアレじゃないかな? て、思っている。

 だって、遠浅で珊瑚礁だからな。前世でも見た事ないからな。是非見てみたい。



「殿下! もうすぐだ! あそこに白く見えるだろ?」


 ニルズが指差す方を見る。

 確かに白く見える。もう少し近くで見たい。

 どんどん船が近づいて行く。

 今、船が進んでいる海底にも珊瑚がある。海の色が違う。その上、透明度が高い。綺麗な海だ。地球だと、良いリゾート地になるだろうな。まあ、ここには魔物がいるんだけどな。


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