表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

206/442

206ー超人化?

「殿下、お呼びですか?」

「レピオス、悪いね。フレイ兄さまを見てほしいんだ」

「フレイ殿下を? どうされました?」

「いや、そうではないんだ。レピオス殿」

「おや、ウォルター殿にシオン殿。これは一体何を?」

「これからフレイ殿下に魔力付与をして頂くから、レピオス殿のスキャンで見てもらいたいのです」

「スキャンですか? 構いませんが、魔法付与とは?」

「まあ、見て頂ければ分かりますよ」

「そうですか。では、フレイ殿下。お願い致します」

「ああ、いくぞ」


 そして、フレイはブーストを自分自身にかけた。

 フレイの身体が光りバチバチと小さな稲妻が走る


「これは……なんと……!」


 レピオスが、驚きすぎて目が落ちそうな位、見開いている。


「フレイ殿下、プロテクトをお願いします」

「おう」


 レピオスがまたスキャンする。


「またこれはこれは……。」

「レピオス殿、もういいですか?」

「はい。ウォルター殿」

「兄さま、もういいですよ」


 フレイが解除した。本当に何ともないのか?


「レピオス、どう?」

「殿下、これは一言で言うと……超人化とでも言いますか」

「あー、やっぱり」

「リリアス殿下は、分かっておられたのですか?」

「レピオス、鑑定で見たんだ。でも、兄さまの身体に負担がかからないかと心配で」

「結果を申しますと、大丈夫です。それどころが、再生する感じですか」


 えッ!? マジ、超人化じゃん!!


「リリアス殿下、鑑定された時に光属性はありましたか?」

「ううん、なかった」

「そうですか。では、雷属性の電流の刺激と、火属性の影響で体温が上昇するのでしょうか? とにかく……んー、そうですね。

 例えば、病に罹ったとします。

 ブーストを掛ける事で、病の元を殺す感じでしょうか?

 例えば、筋肉を痛めたとします。ブーストで筋肉がほぐれ新陳代謝が高まり回復し、筋力が上昇し完治します。

 戦闘で使われる場合は、身体能力が上昇しスピードもパワーも普段の数倍に跳ね上がる感じでしょうか」


 あー、俺が見たのと同じ結果だな。


「そうなのか!? スゲーな!!」

「レピオス、兄さまの身体に負担はないの? 解除した後、後遺症が残るとか」

「いえ、多分逆でしょう。気分良く絶好調と言う感じでしょうか」

「そうなんだよ。絶好調さ!」


 えらいチートじゃねーか! どうなってんだ!?


「だからと言って調子に乗って多発すると、当然魔力が無くなります」

「あー、レピオス、当然そうなるのか。でも、兄さまも魔力量多いよね」

「リリアス殿下位あれば平気でしょうが……殿下、今鑑定してみて下さい。魔力量を見て下さい」

「分かった」


『鑑定』


「あ……もう半分になってる」

「え!? リリ、俺もう半分使ってるのか!?」

「はい、兄さま。あんまり使うと、魔力が無くなって倒れますね」

「あー、そうか」


 それでもさ、凄いじゃん!


「では、フレイ殿下。どれ位の時間持続できるのかを、検証される方が宜しいですね。リリアス殿下に、鑑定で確認して頂くと良いかと」


 そうだな。うん。レピオスの言う通りだな。

 目安を知っておかないとな。


「あ、あと兄さま。魔力をギリギリまで使うと、魔力量が増えます。寝ると復活するので、寝る前にすると良いですよ。ただ、枯渇しない様に気をつけて下さい」

「リリ、そうか! じゃあ、今夜からするぞ」


 本当にフレイは……父と違う意味で、永遠の少年だな。

 今も、もう剣を振ってるし。

 元気いっぱいだな、おい。


「リリアス殿下、今仰った魔力量の話は本当ですか!?」

「あれ? ウォルター、前にシオンに言ったけど」

「シオン!」

「あー、すみません。忘れてましたー」


 めっちゃ気持ちのこもっていない言い方だな。シオンが凄い変な顔してる。珍しい!


「そんな大切な事を、忘れていたと!?」

「ウォルター師団長、リリアス殿下を教えていると、そんな事は大した事じゃなくなるのですよ」

「はぁ!?」


 おいおい、俺は珍獣か何かかよ!



「リリアス殿下、ちょうど良い所におられました」


 オクソールが俺を見つけて近寄ってきた。


「オク、なぁに?」

「殿下、色々あって鍛練ができていなかったので、鍛練を再開しましょう」

「えぇ……」


 マイペースだな、おいマジかよ。俺、気付いてたけどスルーしてたのに。


「殿下、忘れてませんよ?」

「あぁ……はい」

「殿下、さぁ一緒に鍛練を始めましょう!」


 リュカは何でそんなに嬉しそうなんだ?


「殿下、リュカは身体を動かしたいんですよ」

「どうして?」

「昨日、殿下がされたからです」

「ボク? 何したっけ?」

「殿下! 俺の魔力を流して下さったじゃないですか!」

「ああ、あれ? え? あれだけで?」

「はい! 絶好調です!」


 おー、獣人の絶好調て怖ッ! ここにも、元気いっぱいなのがいたよ。


「オクソール様、少し提案があるのですが」

「これは、ウォルター殿。騎士団の鍛練場におられるのは珍しいですね」

「ああ、オクソール。俺を見てもらってたんだ」

「フレイ殿下をですか?」

「ああ。オクソール、凄いぞ」


 フレイとウォルターが、一連の話をした。

 今なら、ウォルターもシオンもいる。レピオスもいる。だから、少し騎士団に指導させてもらえないかと。

 うん。フレイのお陰で良いメンバーが揃ってるもんな。

 オクソールが騎士団長に話に行った。


「兄さま、クーファル兄さまも呼ばなくて平気ですか?」

「クーファルか? リリ、俺がこの時間に鍛練場にいた事がバレたら、叱られるじゃないか」

「兄さま……兄さまて、父さまそっくりですよね」

「リリ! それは止めてくれ! 最近よくクーファルに言われるんだ」


 あー、やっぱみんな思う事は一緒なんだよ。


「リュカ、クーファル兄さまに声掛けてきて」

「はい、分かりました」


 リュカが、ピュ〜と走って行く。本当、早いな。

 

「おや? リュカの身体能力が上がってますね?」

「レピオス、分かる?」

「殿下、何かされましたか?」

「昨日ね、ちょっとね」


 本当、俺の周りはチートが多い。

 俺なんて、霞んじゃうよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ