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205ー魔術師団師団長ウォルター

「兄さま、さっき兄さまを鑑定したら、兄さまの中で火属性と雷属性の魔力が混じり合っていたんです。だから、こうなったんじゃないかと思います。それに、兄さま。魔力量が多いですね」 

「そうか? そんな事思った事ないな」

「シオンに聞いておきますから、それまで使わないで下さいね」

「えー、リリなんでだよ!」

「だって兄さま、もし危険だったら」

「え、そうなのか?」

「ボクには、分かんないです。だから、シオンに聞いておきます」

「ああ、分かった。リリ、有難うな」

「はい、兄さま」


 俺は早速シオンに確かめたくて、リュカと一緒に魔術師団の詰所に来ている。

 初めて来るんだよ。騎士団はよく行くけどさ。

 そこら辺のやつに聞いてみるか。


「ねえ、シオンはどこにいるかな?」

「は、え? リリアス殿下!? あ、副師団長は、今だと師団長の執務室かと思います。ご案内致します」

「有難う。助かるよ」

 

 連れて来てもらったよ、師団長の執務室。


「リリアス殿下!」

「急に来てごめんなさい。忙しかったかな?」

「いえ、とんでもない。お目に掛かるのは、初めてですね。

 私は、師団長を拝命しております、ウォルター・クリムエルと申します。殿下、どうされました?」


 魔術師団師団長、ウォルター・クリムエル

 シルバーグレーの肩まである髪に、ダークグレーの瞳。

 父より少し下位の歳かな?

 シオンとは違って、爽やかなイケオジだ。


「突然、すみません。シオンに聞きたい事があって来ました」

「殿下、どうされました?」


 俺は、フレイの事を話して聞かせた。

 身体に負担が掛かるのではないか心配だと。


「殿下、どうしてその場に、呼んで下さらなかったのですか!」

「え? シオン?」

「是非、見たかった!」

「フレイ兄さまだから、いつでも見れるよ」

「そうですか? で、鑑定された結果が?」

「うん。2種類の魔力が混じってた」

「なるほど、混じって」

「殿下、私も是非拝見したいですね。今、ちょうどシオンから、その話を聞いていたところです」

「じゃあ、見ますか?」

「ええ、是非!」

「リュカ、先にフレイ兄さまに話してきて。騎士団の鍛練場に行くから」

「はい、分かりました!」


 リュカが、走って行く。

 俺は、ウォルターとシオンを連れて、鍛練場へ向かう。


「しかし、間近で初めて殿下を拝見しますが、聞きしに勝る魔力量ですね」

「ウォルター、そう?」

「はい。是非とも魔術師団に入って頂きたい」

「ハハハ、まだ分かんない」

「殿下は、医術の方にご興味があると伺いましたが」

「うん。皇宮医師のレピオスに師事してる」

「レピオス殿ですか。彼は魔力操作にも長けておられる」

「うん。シオンに教えてもらうまでは、レピオスか、オクかルーに教わってたから」

「ああ、オクソール様も魔力操作は素晴らしいですね。ルー様とは、光の精霊様でしたか?」

「うん」

「それは、とんでもない師匠ですね」

「そうかな? でも、宝の持ち腐れて言われて」

「殿下がですか?」

「うん。ボク何にも知らなかったから。だから、シオンに師事して良かった」

「それは、光栄です」

「シオン、スパルタだけどね」

「殿下、私はスパルタではありません。探究心が強いのです」


 ほー、俺はドSだと思うぜ。


「殿下、フレイ殿下が待っていて下さるそうです」 


 リュカが戻ってきた。

 て、事はまだ鍛練場にいたんだな。


 騎士団の鍛練場に着くと、フレイいたよ。

 駄目だと言ってたのに、やってるよ。フレイの身体が光ってるよ。


「兄さま! ボクの話聞いてましたか!?」

「リリ。いや、やりたくてだな」

「もう!」

「殿下、今の状態のフレイ殿下を鑑定して下さい」

「シオン、分かった」


『鑑定』


 え、そうなのか。


「シオン、兄さまの身体能力が凄い」

「そうでしょうね」


 フレイの身体能力が、通常時のリュカを超えていた。人間じゃねーよ! スーパーだよ。


「フレイ殿下、一度解除して下さい」

「あ? ああ。分かった」

「フレイ殿下、魔術師団師団長のウォルター・クリムエルと申します。これは、副師団長のシオン・マグルスです。お見知り置き下さい」

「ああ、よろしく。あまり魔術師団と、関わる事がないから初めてだな」

「はい。私はクーファル殿下をご指導させて頂きました」

「ああ、そうか。私は指導を受けた事がないからな」

「はい。リリアス殿下にお聞きして驚きました。少し、検証させて頂いても宜しいですか?」

「ああ」

「では、シオン」

「はい。殿下、先ずは剣に付与して頂けますか?」


 そうして、一通りウォルターとシオンは見ていた。

 シオンは魔力の属性が、色で見えると言っていた。

 ウォルターも、きっと何かあるんだろうな。


「リリアス殿下、レピオス殿を呼んで頂いても宜しいですか?」

「うん、シオン。リュカお願い」

「はい、殿下」


 シオン、何か思うところがあるのか?

 また、リュカに走ってもらう。リュカ、何度もすまんね。


「フレイ殿下、レピオス殿にも見て頂きたいので、もう一度お願いします」

「あ? ああ。シオン、お前学園で俺より上だったな?」

「はい、ご存知でしたか?」

「知ってるさ。あの頃から、シオンは有名だった」

「兄さま、シオンが有名だったのですか?」

「ああ、魔術の申し子と言われていた」


 げ! シオン凄いじゃん!

 俺が、シオンを見る。


「リリアス殿下、噂は大袈裟になりますからね」

「いや、シオン。そんな事ないだろう」

「フレイ殿下こそ、有名でしたよ?」

「俺か? どうせ悪い意味でだろう?」

「とんでもない! 学力も、剣術も飛び抜けていると。たしか、殿下は3年間ずっと学力テストは一位だったのではないですか?」

「ええッ!! フレイ兄さまが!?」

「リリ、お前失礼だな! アハハハ!」


 超意外だ! クーファルならまだ分かる。

 脳筋で、ジャイ○ンのフレイが!?

 人は見かけによらぬものとは、この事だ。


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