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151ーアースとレイ

アースとレイの兄弟の内容を変更しました。

 父と母に挟まれて、貴族の挨拶を受けている。

 なんでも、位の高い貴族から順らしい。

 最初は公爵家らしいのだが、今年5歳の子供はいないらしい。

 次は侯爵家だ。最初は、いかにも貴族のご子息て感じの男の子だった。次も同じ侯爵家だ。


「リリ、衛生管理局の局長だ」

「父さま、レピオスがいるのも?」

「ああ、医師も所属は衛生管理局だ」

「陛下、エイル様、ご挨拶申し上げます。リリアス殿下、お初にお目に掛かります。

 衛生管理局局長を拝命しておりますヒューイ・アイスクラーと申します。妻のエリーネ、娘のディアーナにございます。ディアーナ、ご挨拶を」

「お初にお目に掛かります。アイスクラー侯爵が娘、ディアーナにございます。お見知りおき下さい」


 小さな令嬢は、淡いブルーのふわふわのドレスで、優雅に綺麗にカーテシーをした。可憐なお姫様だ。


「アイスクラー侯爵、リリアスはよく医局に出入りしているのだよ。医師のレピオスに世話になっている」

「はい。殿下のお話は伺っております。まだ、5歳なのに薬湯をお作りになるばかりが、万能薬まで作れると。

 娘のディアーナも、回復魔法を少々使えますが、リリアス殿下はハイヒールもお使いになられるとか。素晴らしい事でございます」

「有難う。リリアス」

「はい。リリアスです。よろしくお願いします」


 ヒューイ・アイスクラー侯爵

 歳の頃は……シェフと同じ位だろうか?

 シルバーグレーの髪にブルーの瞳。

 細身だが、目に力があるのが印象的だ。


 娘のディアーナ・アイスクラー

 アッシュブロンドのふんわりした髪を顔の両脇だけ編んでいて、紫の瞳がチャーミングだ。

 髪も瞳も夫人と同じ色だ。

 まるでお人形みたいだな。

 ちょっと顔色が悪い気がするが、大丈夫か?


 挨拶と言っても、5歳児がいる貴族限定だからそう多くはない。

 早々に挨拶を終えて、俺は両親と一緒に並んで座っている。


「リリ、フロアに出てきても良いんだよ?」

「父さま、ボクを猛獣の中に放り出すつもりですか?」

「リリ、これ位あしらえなくてどうするの?」

「母さま、これ位ですか?」

「そうよ。リリのお兄様達はもっとよ」

「えぇ〜……」

「エイル、リリはまだ今日が初めてだからね」

「陛下、慣れですわ。それに、同じ歳のお友達が出来るかも知れませんよ?」

「お友達ですか?」

「ええ。リリはこんな機会でもないと、同じ歳の子達と知り合うきっかけがないでしょう?」

「はい」


 まあ、そりゃそうだ。

 城から出ないからな。城には子供なんていないしな。


「母さま、じゃあフロアに出てきます」

「ええ、それが良いわ。陛下、私達も参りましょう」

「ああ、エイル」


 俺はフロアに出る。と、あっという間に囲まれてしまった。


 ――リリアス殿下、魔法がお得意だそうで?

 ――リリアス殿下、ダンスはされませんか?

 ――リリアス殿下、辺境伯領に行かれてたとか?


「ああ、うん……」


 もう、俺5歳のちびっ子にタジタジだよ。中身はおっさんなのにさ。

 少し間をおき、逃げようかとした時だ。

 一人の男の子が話しかけてきた。


「殿下は医師になられるのですか?」

「ううん。皇宮医師に師事はしてるけど、そんなつもりもないよ?」

「殿下の護衛はオクソール様だと」

「ああ、うん」

「もったいなくはないですか?」

「もったいない?」

「はい。せっかく上級騎士のオクソール様がお側におられるのに」

「ああ、オクソールからも教わっているよ。毎日鍛練を受けている」

「オクソール様にですか!?」

「え? ああ、うん」

「羨ましい! オクソール様はどうですか? 厳しいと噂では聞きますが?」

「もう、厳しいなんてもんじゃないよ?」

「羨ましい!」


 え? 羨ましいのか? 小さいのにもう脳筋なのか?


「え? 毎日死んじゃうよ?」

「殿下! そんなにですか!?」

「うん、そんなにだよ。もう、容赦ないからね」

「僕も受けてみたいです!」

「君は騎士になりたいの?」

「はい! あ、僕先程ご挨拶しましたが、第1騎士団に2番目の兄がいます。

 シグフォルス侯爵の息子でアース・シグフォルスです。アースとお呼び下さい」

「宜しく。ボクはリリ」


 アース・シグフォルス

 金髪碧眼。ぴょんぴょん跳ねた癖っ毛を短くしていて、碧眼が爽やかだ。同じ5歳なのに、俺より大きい。

 

「じゃあ、アースは3番目なの?」

「いえ、5番目です。うちは男ばっかりの5人兄弟なんです。ですから将来は家を出ないといけません。僕も兄の様に、騎士団に入りたいのです」

「5番目! へえ、偉いね」

「殿下、これくらい当たり前です。貴族も大変なんです」

「そっか」


 う、5歳児に負けてる俺。どーなの? 情けねー。


「殿下は学園に入られないのですか?」


 また、別の子が来た。

 この子は……確か1番最初に挨拶した子だ。


「どうかな? でも兄さまも姉さまも、皆学園に行っていたから行くと思うよ」

「僕は、身体を動かすのは出来ませんが、沢山学びたいと思っています」

「えっと、君はたしか……」

「僕はジェフティ侯爵の息子でレイリオン・ジェフティと申します。父は文官をしております。レイとお呼び下さい」


 レイリオン・ジェフティ

 ダークグレーの髪を後ろで一つに結んでいて、青緑の瞳の聡明そうな子だ。この子は俺と同じ位の身長だな。


「じゃあ、レイはどんな学問が好きなの?」

「色々好きです。物語を読むのは好きですが趣味です。考古学も好きです。でも、戦略を考えたりするのも好きです」

「へえ、凄いね。君も兄君がいるの?」

「はい、僕は3人姉弟で次男です。1番上が姉で学園の高等部に通っています。兄はまだ学園の初等部の歳です。殿下は、薬学にお詳しいと聞きました」

「別に詳しい訳じゃないんだ。薬湯を作れるってだけだよ」

「殿下、僕らの歳で薬湯を作れる者などいませんよ」

「そうなの?」

「はい、殿下。そうですよ。凄い事です。それに殿下は回復薬や、回復魔法もお使いになるとか」

「うん」

「回復薬はハイポーションですか?」

「ううん、万能薬」

「では、回復魔法は?」

「え、ハイヒール?」

「殿下はバケモンですか?」

「うわ、レイ。その表現は酷いね。アハハ」

「でも殿下。大人でもそんなに出来る人はいないですよ」

「殿下は、魔物を討伐もされたんですよね?」

「ああ、アース。辺境伯領に行っていたから」

「うわぁ、俺も討伐したい!」


 あれ? 僕が俺になってるぞ?

 この二人の男の子は、ギラギラしてなくて良いな。


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