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3R6


 歩いて2分、閉じられた門の近くに寄っても象はもう出て来ない、その代わりに脳内に機会的な声が響く。


 第二層へ行きますか?

 はい いいえ


 隣にいる頼人がこっちを見ている。

 恐らく同じアナウンスを聞いているのだろう。


 行こう、そんな思いを込めて軽く頷いた後に はい を選択する。


 目の前の門の隙間が輝くと同時に俺達は光に包み込まれていく。


 それから少しして光が収まると、目の前にあったはずの門が後ろに存在していた。


「ここが二層ねぇ」


 隣から聞こえる呟き声に俺も辺りを見回してみる。


 砂漠、と表現するのが一番近いのかもしれない。


 雲ひとつない快晴の空に燃える真っ赤な太陽、その光を受ける砂で覆われた地面は踏めば足跡が残る。


 砂の上を走り回るプレイヤーにそれを追いかける猪のモンスターや、空を飛ぶペンギンのような魔物、さらには植物に口が付いている様な奴もいる。


 今回受けてきたキークエストは3つ、ヒマワリもどき、ミドルウルフ、ゴリラッシュをそれぞれ10体倒す事がクリア条件だ。


 せっかくの機会だし、全てのモンスターと戦ってみたい気持ちは有るが、時間の問題で対象の魔物だけを探していく。


 ヒマワリもどきは動きが遅く、黄色い花で囲まれた茶色の部分に大きな口があるモンスターだった。


 攻撃方法は噛みつきと蔓を伸ばしての拘束攻撃。

 HPが高いのが特徴だったが、頼人も俺も近接戦で楽に倒す事が出来た。


 ミドルウルフは完全に柴犬だ。


 遠くから見ると可愛すぎて攻撃出来るか不安だったが、近くに行くと白目を向いて襲いかかってくるので遠慮なく殴る事が可能。


 この中で最も厄介だったゴリラッシュ。

 見た目はアライグマの様な縦に長く柔らかそうな体に、ゴリラの顔が付いている感じ。


 顔と体の大きさが同じなのがもの凄く気持ち悪い……


 そんなアンバランスな見た目の癖にかなりスピードが速く、攻撃は躱されるし魔法も当たらない。

 

 攻撃力と体力が低いモンスターだったので倒す事が出来るが、この先ゴリラッシュの上位互換が現れたら負けてしまう可能性が高い。

 

 推薦レベルはどれも15前後、とはいえ最初に心配していた程苦戦することなく魔物を倒せてしまった。


 このクエストをクリアしている間に良い事が2つ。


 まずはレベルが20になった瞬間にランクアップ。

 魔法も結構使ってたせいか、魔法武闘家見習いに進化した。


 特典として自由ポイントが5手に入り、スキルに魔法(1)固定が追加された。


 見慣れない文字、固定について調べると、スキルが条件を満たしても進化しない状態らしい。


 つまり俺は魔法で何体敵を倒しても(2)には到達出来ない。


 それから丸太トンファーについて。

 魔物に対しての当て方によってダメージがかなり変動する。


 例えばバットの様に振りながら攻撃する場合、敵と離れた場所から振り抜いた方がダメージが大きい。

 

 他にも突きの要領で攻撃すると25ダメージ、同じ敵に裏拳の要領で攻撃すると45ダメージだったりした。


 このゲームのダメージ判定はかなり奥が深いのかもしれない……

 

 頼人はレベルが14に上がり、隣でドロップアイテムの整理をしている。


 持ちきれないアイテムは捨てるしかない、勿体無いのでクエストの報告ついでに売れるものは処理しておこう。


「お待たせ、戻ろうか」


 空中で指を動かしていた男が話しかけてきた。


「おけ」


 短い返事をしながら門の方へ歩き出す。

 残るキークエストは3つ。


 そのうち2つは採集系、残る1つはダンジョンを攻略するものだ。


 歩きながらこの後の予定を決めていく。


「採集系のクエストは後にして、まずはダンジョンに行くのが良いと思うんだけど、どうかな?」


「それで良いと思うよ」


 お互いの意思の確認。

 とはいえ重なるのは当然だろう、今回の採集系クエストは道中の魔物を倒せば勝手に溜まっていく。


 他を終わらせてから足りない分を集めるのが効率が良いやり方だろう。


 道を覚えたからか、拠点まで辿り着くのがさらに早くなった気がする。

 

 拠点についてから、報告をする前に拾ったアイテムの内使わない物を全てw(ワールド)に変える。

 スズメの涙みたいな額だが、途中で捨てるよりは全然マシだろう。


 クエストの報告と同時にライトのレベルが15に上がったみたいだ。

 残りのキークエストを全て受けてから、もう1度第二層に歩いていく。


 採取系クエストの内容は獣の牙を20個集める、鳥の羽を10個集めるの2種類。


 その内、獣の牙は既に13個集まっている。

 これはミドルウルフとゴリラッシュを倒した時にドロップしたアイテムだ。


 鳥の羽は持ってないが、名前的に空を飛んでいた魔物が怪しいだろう。


「ダンジョンの情報は調べたのか?」


「勿論、こっちだよ」


 始まりの草原を歩き終わり、第二層に突入。

 どうやら目的のダンジョンは門を出て左に2分の所に有る鍾乳洞の内部らしい。


 頼人の案内について行くと見えてくる洞窟の様な物。


 入り口に近づいた瞬間に久しぶりの警告が出てくる。


 ※この先輝石の洞窟 推薦レベル ソロ25 パーティ20※


「ダンジョン攻略動画撮りたいんだけど、良いかな?」


 俺が頷いたことを確認した頼人は少し上を見ながら挨拶を始める。


 さて、これでカッコ悪い姿を見せる事が出来なくなった。


「頑張ってくださいね」

「裕二 後で 見る」


 肩に乗っていた猫と妖精が応援の言葉を残して空に飛び立っていく。


「まおさん、準備は良いかい?」


「あぁ」


 恒例の言葉に短く返事を返す。


 俺達はどちらからともなく、洞窟の中に足を踏み入れて行った。

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