3R2
それからは順調に進んだ。
クエスト達成の報酬は基本的に50wと50exp、魔物を倒して貰える金額も少ない。
なるほど、炎の魔王として行動してる時も思ったが、通りで防具をつけているプレイヤーが少ないわけだ。
これは装備が揃うのは大分先になりそうだぜ……
何種類かの討伐系クエストも受けてみたが、レベルは18のまま変わりない。
ゴールデンウルフとの戦いでかなり上がってしまった為、もうこの辺の魔物を倒しても全然成長する気がしない。
強いて言えば50体目のモンスターを倒したところでスキルの体術が(2)に進化したくらいだ。
後は魔法、イメージが重要と言う謳い文句は伊達ではなく、炎の魔王の時に使った火球と火球(速)を簡単に覚えることが出来た。
これはもう次の階層に行くしかない。
交流掲示版を使ってキーダンジョンと呼ばれるものを探してみる。
掲示板の使い方はネットと同様で、調べたい単語を入力すればそれに対応する情報が一覧として表示される仕組みらしい。
後はそこから気になった物をタップするだけ。
とりあえず最初にキーダンジョンで入力してみた。
検索結果一覧には情報共有第四層鍵ダン、第三層キーダンジョンまとめ、第二層キーダンジョンまとめ、西の大陸キーダンジョン、東四層情報……等々、見慣れた画面が出てくる。
選んだのは、北の大陸キーダンジョンまとめ。
とはいっても内容はスカスカで、最初の層はダンジョンが存在しない為、2層との境界に行けば戦うことが可能な門番と呼ばれるボスモンスターを倒せば良いみたいだ。
ついでに門番の情報も手に入れた。
レベルは20、HPは人数×300、攻撃方法は直線ブレスと咆哮による足止め、牙と噛みつき、尻尾の5種類らしい。
モンスターの名前と容姿は書いてなかったが、ドラゴンとかそんな感じの敵なのだろうか?
答えを知っているであろう妖精は他のプレイヤーや施設ばかり見ている。
黒猫はいつの間にか肩から居なくなっていた。
まぁいい、この2人に聞けば答えてくれるだろうが、それは面白くない。
後はゴールデンウルフについて少し調べてみよう。
どうやら黄金シリーズと呼ばれる装備を作るのに必要な素材らしい。
黄金シリーズは単純に高性能、かつ、アイテムのドロップ率を上げる効果を持っている。
今の所、使ってる人はかなり少ない最高峰の装備だ。
つまり、素材が高く売れる。
'売りたいんです'での相場は黄金の毛が3000w、牙が4500w。
すぐに所持金が欲しかった俺はどっちも250wずつ安く売ることにする。
その瞬間に脳内に響く電子音。
どうやら2つ共売れたみたいで、合計7000w、運営に1割引かれて6300wが追加された。
そのまま'売りたいんです'で武器を探す。
俺に買って欲しいとでもアピールするように、3500wのオンボロソードが最初に出てくる。
「裕二さん、ダメですよ?」
画面を見つめていた俺に注意してくる妖精。
仕方ない……
相棒は1度諦めるか……
武闘家、肉弾戦、体術、近距離武器等で検索しながら武器を探してゆく。
体術の効果範囲にある武器はナックルの他にもグローブ、トンファー、丸太があるらしい。
ボクシング等でよく見る赤いグローブは攻撃と防御、トンファーは攻撃、丸太は何故か魔力が上昇する。
俺の好みは攻撃、速度のナックルだが、丸太は買っておいても良いかもしれない。
「裕二さん、ダメですよ?」
購入ボタンに伸びていた手に妖精が止まる。
「どう考えても使えないでしょう」
7200wの丸太、効果は攻撃+10 魔力+1
まぁ、弱い。
たしかに弱い。
やはりナックルかなー? そう思いながらどんどん探していく。
そして運命の出会い、プレイヤーの作ったオリジナル作品、マルタトンファー。
17500wと値段は高いが、性能も攻撃+30 魔力+5で悪くはない。
「裕二さん、もう少し考えて……
購入完了。
脳内にアナウンスが流れるとともに所持金が減る。
それでも良い、後悔はない。
俺はすぐに装備を取り替える。
手にフィットするこの感じ、トンファーにしては少し短いか?
「新武器?」
空中を歩きながら猫が帰ってきた。
「そうです、何処に行ってたんですか?」
「ライトの所」
「「えっ?」」
シャルの答えに2人の声が重なった。




