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リトル


 リトルウルフとはよく言ったものだ。

 グレーの毛並みに小さく細い身体、こちらを見つめる大粒の瞳。


 うん、これはチワワだ……


「どこがウルフなんだ?」


 噛みつこうとしてくる犬を左手のナックルで殴りながら妖精と猫にしか聞こえないように呟く。


「だってリトルですし……」


 顔を逸らしながら答える遠藤さん。

 ウルフの要素はどこに行った? そう聞きたい衝動を必死に抑える。


 遠くからだと可愛いモンスターだが、瞳をこれでもかと見開き、口を大きく開けて突っ込んでくる為、倒すことに罪悪感は微塵も感じない。


 気が付けば5匹に囲まれていた、一応群れで行動する習性は持っているみたいだ。


 特に焦りは無いが、ワンワンワンワン喧しい。


 今は魔王の心得を持ってないので敵の言葉はわからないが、どうせくだらない事を言っているのだろう。


「ちなみになんて言ってるんだ?」


 一斉に飛びかかってくるチワワ達。

 左手と右手で1体ずつカウンターに成功したが残りの3匹に噛まれてしまう。


 痛みは強く無いが、HPが28に減ってしまった。

 どうやら1噛みにつき8ダメージ喰らうみたいだ。


「低レベルのエサがやってきた 言ってる」


 つまらなそうな黒猫が教えてくれた言葉に呆れながらも犬を光に変えていく。


 噛み付かれた所から血は出ない。

 それでも少し不愉快だ。


 さっきよりも力を込めて拳を落とす。

 途中でレベルが上がった音を聴きつつ残りを全滅させることに成功した。


 さて、次に行こう。


 牙を集める為に他のリトルウルフを探していると、大きな岩の周辺にプレイヤーが集まっているのを確認、刺激された好奇心に負けて足が勝手に歩き出す。


 そこに向かう数メートルでもチワワの襲撃は止まらない。

 迎撃しながらも距離が少なくなると共に色々な情報が入ってくる。


 そこは緑色に光っていた。


 岩を中心に輝くフィールド、そこに人間が群がっている。

 

 調査しますか?

 はい、いいえ


 光に触れると同時に脳内に流れる音声に少し驚いたが、迷わずに前者を選択する。


 薬草を拾いました


 続けて調査しますか?

 はい、いいえ


 答えは勿論決まっている。

 その後15回程調査すると、俺の視界から光が消えてしまった。


 まだ他のプレイヤーが集まっている事から推測するに、個人個人で調査出来る回数が決まっているのだろう。


 今回手に入れたのは薬草×12、緑のキノコ×4

 薬草は単体だとHPが10回復するらしい。

 緑のキノコは特に効果はない、俗にいう素材アイテムみたいな物だろう。


 牙はまだ5個しか持っていない。

 残りを集める為に犬を倒しに行きたいが、このままの体力で狩りをするのは危険かもしれない。


 クエストに必要な薬草は10個なので余った2つで回復しておく。


「裕二」

 

 不意にシャルの真っ黒な尻尾がピンと伸びた。

 その先に居るのは同じくらい黒い狼。

 人間に囲まれながら眠る、チワワではない本物のウルフが草原に居座っていた。


 頭の上には時間と数字が表示されている。


 ゴールデンウルフ レベル20

 2000/2000

 目醒めまで01:09 参加人数26人


 残り時間を表しているであろう数字は刻々と減っていく。


 なるほど、黒い狼の周りにいるのが参加プレイヤーか。


 どうする?

 参加するか?


 今までのゲーム知識と照らし合わせればレアボス、もしくわ固定のレイドボス。


 後者だった場合いつでも挑めるし、もしかしたら報酬の良いクエストがあるかも知れない。


 前者だった場合はこのチャンスを逃すのは勿体無さすぎる。

 しかしレベル4では足手纏いになる可能性が高い……


 考えてる間に残り時間は少なくなっていく。


 とりあえず近くに行こう。


 そこで他の人のレベルを見て決めるか……


 今の所は参加人数28人、狼の周辺では色々な装備のプレイヤーが話している。


 この感じは好きだ


 mmoならではの協力プレイ。

 たまに傲慢な奴や変な奴も居るが、見た感じの雰囲気は凄く良さそう。


 残り時間が30秒を切ってしまった。


 これはとりあえず話しかけよう。


 俺は見る限りで1番強そうな装備をつけているプレイヤーの肩を叩いてみた。

  


 

 


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