魔王vs魔王2
探索はスムーズに進んだ。
奥に行くにつれて紫の色が濃くなって行く。
村を出てから遭遇したモンスターは今の所リザードマンだけだ。
何回か装備を奪おうとしたが1度も成功しなかった。
そもそもどれだけ吹っ飛ばしても武器を落とさない。
魔王らしく無理矢理奪おうとした事もあったが、
『この犯罪者めぇ』、『お前それでも人間かぁ』等と言いながら奴らの手から武器が離れる事はなかった。
相手が好戦的であり先に自分が恐喝されたからだろう。
罪悪感は微塵も感じない。
何故シルバーソードは手に入れられたのか?
理由を知っているであろう2人の妖精は、誰でも調べればわかる範囲、の基本的なシステムについてしか教えてくれない。
今までも戦闘を手伝ってくれる事は無いし、モンスターに狙われる事も無かった。
「モンスターの種類少なくないか?」
俺は素直な感想を口に出す。
村にあったノートにも書いてあったし、騎士の撃破報酬として解毒剤も手に入れた事から1番警戒していた毒の攻撃も見ていない。
いや、一応ウサギが紫のオーラを纏っていたか……
それに最高難度のダンジョンにしては出てくるモンスターのレベルが低すぎる。
スライムも、ウサギも、トカゲも20〜30の間、
ハミルトン領地のゾンビですらレベル30あった筈だ。
弱すぎる……
たしかに魔王のステータスは他のプレイヤーよりも多少優遇されている。
だが、ここまで来る事が出来るプレイヤーならば装備は充実しているだろうし、ハミルトン領地の推薦レベルを考えればレベルも20は超えているだろう。
言ってしまえば、簡単すぎるのだ。
現実世界で何か習っているわけでもない、
喧嘩をした事だってない、
あるとすれば同じ様なVRゲームでの戦闘経験位だ。
そんな俺でさえ、バトルに慣れてきてしまえば、つまらない、と感じてしまう程にモンスターが弱すぎる。
「そうだね、製作者が出てくるモンスターの構成も、拾えるアイテムも、レベルも全て考えているから理由は判らないけど 僕も同じ事思ってたよ
これはダンジョンの感想として伝えておくね」
真面目な顔で学が答える。
「可笑しいですね
詳しくはネタバレになってしまうので言えないのですが、ここにはまだまだモンスターがいる筈なのです」
遠藤さんも首だけを使い辺りを見回す。
2人はモンスターを作っている側の人間だ。
俺よりも感じる事はあるのだろう。
考察を続けながら歩いていると突然開けた場所に出た。
真ん中には6枚の羽を生やした虫が飛んでいる。
確認する必要もなく理解できる。
あいつが魔王ベルゼブブだ。
さらに近付く、
薄緑の透明な羽が支えている身体はハエを巨大にした様なイメージだ。
緑色に光る恐ろしく大きな眼、
紫色の6本の足の先端は鋭く尖っている。
人間と同じ位のハエに近付くと目の前に文字が現れる。
ベルゼブブ レベル60
魔王
HP50
攻撃50
防御50
速度50
技術50
魔力10000
スキル
魔蟲召喚
状態転換
対複数人補正(人数×0.1)
魔蟲召喚 魔力1を消費して魔蟲を召喚する
状態転換 自分が受けたダメージ、状態異常、その他
効果を召喚している虫に移す事が出来る
戦いに参加しますか?




