これが魔王のレベ上げだ?2
俺はアイコンをタッチして自分の持ち物を確認する。
オンボロソード(攻撃+10)
杖に似た木の棒(魔力+10)
空に向かって叫ぶ
ファイヤーボール
妖精はかわした
空に向かって叫ぶ
アイスボール
妖精はかわした
こっちを笑ってみている
空に向かって叫ぶ
メラ
妖精はかわした
そしてこっちを指差し笑ってくる
メラ メラ メラ メラ メラゾーマ
どうやら技名は何でも良いらしい。
自分の発動したい魔法のイメージを脳内から引き出し具現化してくれるみたいだ。
攻撃が当たらない妖精には後で仕返しをするとして俺はずっと跳ねているスライムに目を向ける。
まぁいいぜ、今にも壊れそうなオンボロソードとはいえとりあえず攻撃力は元々の20に合わせて30になった。
スライムがどんなに強くても攻撃が効くなら勝ち目はある。
さらに俺は魔王のスキルでどんな攻撃も1割増で与えることができる。
さて記念すべき最初のバトル
しかも相手は自分の21倍のレベル
これは燃えないわけがない
まずは遠くから魔法を使ってみる。
俺は片手をスライムに向け
ファイヤーボールと唱える。
掌から出た水風船位の大きさの火の玉は真っ直ぐにスライムに向かっていき、
バシュー
頼りない音を上げて火が消える。
一応当たった所から煙は出ているが、
スライムのHPに変化は無い。
弱すぎる……
基本的に初期魔法は一発につき魔力を1使う。
メラゾーマ、もとい使う魔力を多くする事で大きさや威力を上げることも出来るみたいだ。
後はレベルアップかランクアップか報酬、何かしらのイベントで強い魔法を覚えろって感じなのだろう。
それにしても、確かに魔力は10しかないし、
緑の馬鹿に無駄打ちしたため、込められた魔力も1だった。
しかしこの威力だ……
恐らく他の魔法も駄目だろう。
スライムは攻撃された事に怒ったようで跳ねながらこっちに向かってくる。
いいぜ、元々俺は接近戦が得意だ。
飛んでくるスライムの軌道に合わせてオンボロソードをあてに行く。
ブチャ ブチャ
剣が当たった所から血の変わりに紫のゼリーみたいなものが飛び散る。
さらに所々ひび割れている剣にスライムの一部が付着する。
スライムのHPバーは10%程度減っていた。
これならいける。
単純計算でも後9回当てれば勝てるはずだ。
レベル21とはいえ所詮はスライム、
攻撃速度は遅いし、防御も30は超えていないみたいだ。
そこからは単純作業だった。
スライムが飛び跳ねて来たら剣を合わせる。
基本的に動きは遅いスライムの移動方法は跳ねる事だ、
毒や、特殊な攻撃を喰らわないように一撃与えたら距離を取る。
今の俺のレベルだとワンパンって可能性も捨て切れないからだ。
それを繰り返す事丁度9回
予想通りスライムは消滅した。
これだけの格上を倒したんだ。
一気にレベルアップ出来るかもと期待する。
てれてーてれれてっててー
レベルが1→6に上がりました
HPが50→60になりました
ステータスポイント15手に入れました
スキル魔王の心得Ⅰを手に入れました
魔王の心得…魔王として持っていて当然の資格
Ⅰでは魔物と話せるようになる
「おめでとう!
少しは苦戦すると思ったけどー、流石裕くんだね」
いつの間にか地上に戻ってきた2人の妖精がこちらに飛んでくる。
俺は早速ゲットしたポイントを攻撃に割り当てる。
佐藤 裕二 レベル6
魔王
体力60
攻撃45(+10)
防御10
速度10
技術10
魔力10
スキル
全武器(1)
魔法(1)
対複数人補正(人数×0.1)
魔王の心得1
攻撃を上げた理由は簡単、
この適正レベルを大幅に超えたダンジョンで効率良くレベルを上げる為には相手の攻撃を喰らわずに高火力で叩き潰すしかないと思ったからだ。
3人は更なる敵を目指してダンジョンを進む。