表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/18

第玖話

「ここは?」


こころ龍之介、声に首を傾げる。


【こころ龍之介】

「ん?あれ?今の女の子じゃなくって、中年のおっさんの声・・・。スタッフ、箱の扉押さえて!ディレクター、ちょっと来て。演出と違うんだけど」


【ベス】

「ホントですね、先生。女の子登場って、ココに・・・」


ディレクター、こころ龍之介に事情を説明する。

こころ龍之介、頷く。

会場、騒ぎ出す。


【こころ龍之介】

「会場の皆さん、お静かに。スタッフ、そのおっさん引き止めて。扉から出さないで」


【謎の声】

「おい、ここドコなんだよ。なんで開いた扉が閉まるんだよ」


【こころ龍之介】

「申し訳ない、時空間接続を間違えた様だ。元に戻すから、離れてくれ」


【謎の声】

「おい、待て。一体何の事だ?ココ、管理局の便所じゃないのか?」


こころ龍之介、何かに気付く。


【こころ龍之介】

「あのー、非常に恐縮なんですが、お名前だけ頂いていいですか?」


【謎の声】

「なんなんだ、私はワカツ・・・」


【こころ龍之介】

「はい、さようならー」


箱、光が消える。


【こころ龍之介】

「あー、ヤバかった。ミハエル、ちょっと来て」


ミハエル、ステージの上に。


【ミハエル】

「先生、どうされました?」


こころ龍之介、ミハエルに耳打ちする。

ミハエル、にやにやしながら頷く。


【ミハエル】

「その程度でいいんですか?消す事もたやすいですが」


【こころ龍之介】

「作者的には使い易いから、消すのはマズい」


【ミハエル】

「では、ご依頼通りに。報酬頼みましたよ」


【こころ龍之介】

「カリブでのバカンス、了解した」


ミハエル、ステージから消える。

ベス、不思議そうな顔。


【ベス】

「何だったんですか?今の一連?消す、とか言ってましたけど・・・」


こころ龍之介、ベスにニッコリ笑う。


【こころ龍之介】

「ベス、世の中には知らない方が幸せ、って事もいくつか在って。今のは、その1つ。理解(わか)った?」


【ベス】

了解(わか)りました。私は何も見なかった。何も聞かなかった。コレでいいですね?」


【こころ龍之介】

「ベス、君は利口だね。僕はそんな女の子大好きだよ。くっくっく」


会場、何もなかったよなーとざわつく。

こころ龍之介、何か思い付く。


【こころ龍之介】

「ここで読者様に挑戦状です。私、こころ龍之介はミハエルに、誰に対して何をする事を依頼したでしょう?また動機は?解答をコメント欄に書いて下さい。1番正しい正解者には、超豪華プレゼントを口止め料としてプレゼントいたします。締め切りは6月末日正午までです。正解もその時点で発表します」


【ベス】

「とりあえず、アヤしいですね」


【こころ龍之介】

「まあね。さて、今度こそ、時空間接続が上手くいったようだ」


ステージ中央の箱が再び光出し、ガタガタ震え出した。


【謎の声】

「ここは?」


こころ龍之介、箱の中から聞こえる声の主が、女の子なので安心する。


【こころ龍之介】

「今度、上手く行った様だね」


箱の扉の隙間から、光が零れだす。

扉が勢いよく開き、光が人型に集約されていく。


【こころ龍之介】

「こほん。会場の皆さん、大変お待たせしました。18年の時を越え、来て頂きました。本日、最後の超ースッペ~シャルなゲスト。“禁断のくらら・アーリーデイズ”主人公、天猫(あまね)くららさんの登場です。拍手でお願いします!」


会場、溢れんばかりの拍手!

光がゆっくりと消え、完全に女の子に変化。

“三獣士”、固まる。

“マルスの盾”、固まる。

天猫くらら、ゆっくり目を開け、首を傾げる。


【天猫くらら】

「ここは?」


“三獣士”、ダッシュでステージへ。

“マルスの盾”、ダッシュでステージへ。


【鉄、真、JJ】

『お嬢!』


【ガブリエラ、ミハエル&マルスの盾隊員】

『姫さま!』


天猫くらら、もう一度首を傾げる。

“三獣士”、天猫くららの前で立ち尽くす。

“マルスの盾”、片膝を付き、臣下の礼をとる。



【天猫くらら】

「あれ?ここって“ZOO”だよね?さっきまで誰もいなかったのに?」


【鉄】

「“お嬢”、今まで何処いっててん!心配したやろがぁ~」


【真】

「何をしようとかまいわせんが、連絡ぐらいしろ。“お嬢”」


【JJ】

「ホントだョ、皆んな捜し回ったんだカラ」


JJ、天猫くららの両肩を掴もうとする。

ガブリエラ&ミハエル、動く。

ミハエル、JJの喉元にフォークを突き付ける。

ガブリエラ、天猫くららとJJの間に割って入る。


【ミハエル】

「手荒な事はしたくないけど、それ以上動くと死ぬよ。貴方」


【ガブリエラ:暴走モード】

『下がれ!キサマごとき下郎が、直接話など出来る御方ではないわ。ましてや触るなど。無礼な!下がれ、下がれ!』


天猫くらら、なんだか解らないが、知った顔が脅されている事にキレる。

天猫くらら、ガブリエラの肩をつつく。

ガブリエラ、振り返る。


【ガブリエラ:暴走モード】

『はい、“姫さま”♡』


パシッ!


天猫くらら、ガブリエラにビンタ。

ガブリエラ、頬を押さえ立ち尽くす。

天猫くらら、踏み込むとミハエルの持つフォークを薙ぎ払う。

フォーク、こころ龍之介の顔の数ミリ横を掠め、ビヨヨーンと壁ち突き刺さる。

こころ龍之介、へたりこむ。


パシッ!

天猫くらら、今度はミハエルにビンタ。

ミハエル、頬を押さえ、ガブリエラと同じ様に立ち尽くす。


【天猫くらら】

「アンタ達、さっきから訳分かんない言葉喋って、そもそも誰?ぶっそうな事して、アタシの大事なツレに何するの!」


【カブリエラ:暴走モード】

『“姫さま”、そんな・・・、あんまりです・・・』


【ミハエル】

『お忘れですか?貴女さまをお護りするためだけに・・・』


ガブリエラ、様子がおかしい事に気付く。


【ガブリエラ】

『ミハエル、待て。この娘、“姫さま”に姿形は非常によく似ているが、何かが違う。何かは理解らないが・・・』


【ミハエル】

『確かに・・・、その様に思われます。姉上』


ガブリエラ、天猫くららに向くと深々と頭を下げる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ