第漆話
【こころ龍之介】
「やぁ、ベスお疲れ様。読者さまは如何だった?」
【ベス】
「ええ、とても喜んでお帰りになられました」
【こころ龍之介】
「それは良かった!それでは、みなさん本日のお給事をして頂いてるメイドの皆さんに、ご注目下さい」
【ベス】
「私、ずーっと気になっていたんですけど、あの鮮やかなスカイブルーと白の組み合わせのメイド服って、もしかして・・・」
【こころ龍之介】
「さすがだね、ベス。はい、それではメイドの皆さん、全員ステージの上に」
会場、ホントの萌えだぁーと拍手。
メイド達10人、ステージの上に。
【こころ龍之介】
「改めてご紹介させて頂きます。大阪・日本橋より、この大座談会の皆さまのお給事の為だけに来て頂きました。“カフェ・ド・ヲタロウテ”のメイドの皆さんです!」
メイド達、ぺこりと頭を下げる。
会場、拍手喝采。
【ベス】
「それでは代表して、メイド長の方にお話を聞きたいと思います。こんばんは、お給事ありがとうございます。お名前頂いても宜しいですか?」
メイド長、頷く。
【メイド長・愛琉】
「はい。私、日本橋“カフェ・ド・ヲタロウテ”より参りましたメイド長の愛琉と申します。以後、お見知りおきを♡」
メイド長・愛琉、頭を下げる。
メイド達、続いて頭を下げる。
会場、拍手。
【ベス】
「あのー、こころ先生、私、個人的に愛琉さんにお聞きしたい事があるのですが、いいですか?」
【こころ龍之介】
「そーだなぁ。愛琉さん、構いませんか?」
【メイド長・愛琉】
「はい、何なりと♡」
【こころ龍之介】
「ベス、時間押してるから、質問は1つだけね」
【ベス】
「了解りました。愛琉さんに質問です。ネットの某巨大掲示板“7ちゃんねる”のメイド板で話題になっていたんですが、そのメイド服って、どこかのブランド製なんですか?」
会場、ここでネット掲示板の質問かー、と驚く。
【メイド長・愛琉】
「私どもの制服ですか・・・」
愛琉、会場のある人物に目線を合わせる。
愛琉、頷く。
許可が出た様子。
【メイド長・愛琉】
「私どものメイド服は、ヨーロッパの“サヴ・ルーゲン”というブランド製です。こちらのブランドまだ直営店が、パリ、ミラノ、ニューヨークにしかなく、伝え聞いた処では、来年の春を目安に東京に出店するとか。これで宜しかったでしょうか?♡」
【ベス】
「やっぱり、そーだったんですね!ありがとうございました」
【こころ龍之介】
「“サヴ・ルーゲン”って、デザイナーの名前ではないですよね?」
【メイド長・愛琉】
「詳しくは知りませんが、デザイナーの希望でコンセプトをブランド名にしたとか♡」
【こころ龍之介】
「コンセプト?」
【メイド長・愛琉】
「はい。訳すと、“甘い嘘”♡」
メイド長・愛琉、人差し指を立て口に持っていくと、妖艶に微笑む。
こころ龍之介、真っ赤になって照れる。
こころ龍之介、なんとか気を落ちつける。
【こころ龍之介】
「あっ、あ、ありがとうございました」
【ベス】
「ではステージよりご退出頂き、残りわずかですが、お仕事頑張って下さい。会場の皆さま、拍手をお願いします」
メイド達、深々と礼をしてステージを下りる。
会場、拍手。
【ベス】
「こころ先生、大丈夫ですか?」
【こころ龍之介】
「いやー、愛琉さんて魅力的なメイドさんだねー。思わず、『今日終わったら、大人のデートして下さい!』とか言いそうになったよ。危ない、危ない」
【ベス】
「先生、今、言ってますが・・・・」
【こころ龍之介】
「あ”っ。愛琉さん、冗談ですよー。気にしないで下さいね」
メイド長・愛琉、密かにウインク。
こころ龍之介、気付くがあえて気付かない振りをする。
危ない、危ない。
【こころ龍之介】
「コホン。さて、ここで・」
会場のドア、バタンと勢いよく開く。
会場の一同、一勢に振り向く。
暗くて誰か判別つかない。
【謎の声1】
「あー、やっぱりほとんど終わりかけてるやん」
【謎の声2】
「うそぉ、ホントに?」
【謎の声1】
「見てみーや。料理コーナー、ほとんど残って無いし・・・。もー最悪や!」
【謎の声2】
「ホントだね、ご飯残ってないわ。ははっ」
謎の2人、大遅刻で登場。
【こころ龍之介】
「ん?アレは誰?」
【ベス】
「先生、あの入口ん所ですよね?」
こころ龍之介とベス、入口を確認する。
謎の2人、騒ぐ。
【謎の声1】
「アカン、完全に忘れられてる・・・」
【謎の声2】
「大遅刻したし・・・。ははっ」
謎の声1、叫ぶ。
【謎の声1】
「コラ、作者っ!ウチらを忘れるな!!」
こころ龍之介、ハッとする。
【こころ龍之介】
「もしかして・・・、いや、まさか・・・、えっ、でも・・・照明さん、スポットお願いできるかな」
謎の2人、スポットライトが当たる。
会場、おー、と驚く。
【謎の声1】
「そう。ハルナとシズクや!」
【こころ龍之介】
「あれ?とっくにインタビューとかも済んで・・・」
ベス、こころ龍之介の袖を引っ張り、囁く。
【ベス】
「先生、こころ先生。今、ADさんが調べたら、手違いでまだの様です」
【こころ龍之介】
「えー、マジで?そりゃ、イカン。ハルナとシズク、大至急、こちらへ」
ハルナとシズク、ステージへ。
会場の一同、拍手。
【ハルナ】
「先生、もー、勘弁してほしいわ」
【こころ龍之介】
「いやぁ、スマン。スマン。今度、同伴するから勘忍してくれ」
【ハルナ】
「シズクもな」
【こころ龍之介】
「むぅ。分かったけど、W同伴は止めにしない?せめて、別の日にしない?」
ハルナ、キッと睨む。
【こころ龍之介】
「ううっ。分かった、キミらの好きにしたらいい。作者はつらいなぁ・・・」
【ベス】
「お話の途中、ごめんなさい。インタビューさせて頂いていいですか?」
ハルナとシズク、同伴が確定して機嫌直る。
【ハルナ】
「どーぞ」
【ベス】
「自己紹介をお願いします」
【ハルナ】
「シズク、アンタから先して」
ハルナ、マイクをシズクに渡す。
シズク、ため息を吐く。
【シズク】
「こんばんは、皆さん。ミナミ・宗右衛門町にあるクラブ“シャ・ブラン”で勤めています。キャバ嬢のシズクこと、服部・M・アサミです。出身は静岡で、数週間前に大阪に来ました。夢はモデルになる事です」
【ベス】
「シズクさん、ミドルネームがあるって事は?」
【シズク】
「はい、お母さんがポルトガル人です」
【ベス】
「なるほど~。身長も高いですもんね。頑張って下さい」
会場、がんばれーと拍手。
シズク、ぺこりと頭を下げる。
【ベス】
「さて次は、夜のミナミに咲くひまわり“ハルナ”さんです」
会場、おーアレが噂のと驚く。
【ベス】
「はじめまして、ハルナさん。ってゆーか、前にあった事ありません?」
【ハルナ】
「はじめまして、皆さん。会った事、ないんちゃう?」
ベス、首を傾げる。
ベス、何かに気付いた様子。
【ベス】
「あ”ーっ!ゴメンなさい。誰かに似ていると思ったら、瑠奈に似ているんだ!」
【ハルナ】
「ベスさん、瑠奈の事知ってるん?」
【ベス】
「知ってるも何も、クラスメイトだし、“はねくみ”のメンバーですよ。あそこの制服着てる団体も。ハルナさん、どの様なご関係ですか?」
“はねくみ”、手を挙げる。
こころ龍之介、割って入る。
【こころ龍之介】
「おいおい、ベス。まだハルナの自己紹介がすんでないよ。その中で語って貰おう」
こころ龍之介、改めてハルナに尋ねた。