第肆話
【ベス】
「インタビューも山を越しまして、後半あと少しになって参りました。今度はこの方々です。京都老舗料亭旅館“佐津眞”より七代目・隼人鉄心さんと、双子の美人姉妹、葵さんと茜さんです。皆さん拍手でどうぞ~」
一同、拍手。
藍、手を振る。
【藍】
「お父ちゃ~ん。お姉ちゃ~ん」
鉄心、頭を掻いて照れる。
葵と茜、手を振る。
【ベス】
「それでは、お願いします」
【鉄心】
「あっ、すいません。京都・東山の料亭旅館“佐津眞”で、板長しております七代目・隼人鉄心です。本日はお招き頂きありがとうございます。女将の六代目・花は、本日は諸用がございまして、失礼ながら欠席させて頂いております。代わりにウチの若女将として修行中の、葵と茜の姉妹を連れて参りました。以後、お見知りおきを」
男性一同、京美人の双子だーと歓喜の声。
【葵】
「葵どす」
【茜】
「茜どす」
【葵&茜】
『よろしゅうお願いしますぅ~。現在、彼氏募集中どすぅ~』
一部の男性、俺の時代キターとか言う。
鉄心、一部の男性を噴怒の眼差しで睨む。
ミツル、黙り込み凹む。
会場から笑いの声。
ベス、凹むミツルを無視して話を続ける。
【ベス】
「で、ですね、鉄心さん。本マグロ、美味しかったですぅ。赤身も全然違いますねっ。大トロにいたっては、もう表現が・・・、只々、美味しかったです。感動しました」
【鉄心】
「そうかい?それは良かった。後でいいもの一品創作るから、嬢ちゃん当たるといいねぇ」
【ベス】
「えっ、それって・・・、えっ?」
こころ龍之介、口いっぱいに“JJ特製のハーレム風ペペロンチーノ”を含んだまま乱入、これで4度目。
【こころ龍之介】
「うおっうぅ(ストップ)!うおっうぅ(ストップ)・・・・。うっ」
こころ龍之介、パスタが喉に詰まったらしく、顔色が赤から青に変化。
こころ龍之介、さらに口を押さえる
【こころ龍之介】
「ううぅ|(水)~」
ガブリエラと桜子、水の入ったグラスを持ち乱入。
【ガブリエラ&桜子】
『はい、お水!先生、大丈夫?』
こころ龍之介、それぞれの持ってきたグラスを左右の手で取り、2杯一気に飲み干す。
【こころ龍之介】
「ぷはぁ~。う~、今日、何回死にかけるんやろ・・・」
ガブリエラ、こころ龍之介の背中を軽く叩いたり、さすったり。
桜子、こころ龍之介の顔に飛び散った水滴を、ハンカチで拭う。
【こころ龍之介】
「おおきに、助かった。ありがとう、ガブリエラ、桜子」
【ガブリエラ】
「ホント、先生、子供みたいね」
【桜子】
「早く奥様作らないと」
【こころ龍之介】
「パスタ喉に詰まらせるのと、嫁がどう関係あんねん」
会場、笑いの渦。
こころ龍之介、身を正す。
【こころ龍之介】
「えー、おほん。鉄心さん、さっきの事はまだ秘密なんで、頼みますよ~」
【鉄心】
「先生、申し訳ない」
こころ龍之介、手を上げて了解と答える。
【こころ龍之介】
「さて、ベス。移動しながらのインタビューお疲れ様でした。ちょっとだけ私が司会進行させて頂きます。桜子、サポートお願い出来るかな?」
【桜子】
「はい、それは構いませんが・・・」
【こころ龍之介】
「じゃあ、前方のステージに一緒に来てくれる?」
【桜子】
「はい」
こころ龍之介と桜子、ステージの上に移動。
【こころ龍之介】
「では皆さん、こちらの方にご注目覧下さい!」
一同、なんだなんだと注目。
【こころ龍之介】
「今まで、どれほどの人達が様々な作品の中で、あぁ、キャラと共演したいと思ったでしょうか?パロディ作品ならいざしらず、公式の作品なんて、所詮叶わぬ夢・・・、いいえそんな事ありません。作者のイマジネーションをフルに使えば、それは・・・可能。こころ龍之介、やっちゃいます。ただ今より、“禁断のくらら”公式読者さま参加特別イベント“あなたの好きなキャラクターと共演出来ちゃうぜ!但し、質問は1問だけね!”を開催します!!」
一同、リアル読者と共演だぁーと大興奮。
【こころ龍之介】
「こちらは大座談会前に、実際に愛読していただいている読者様に、質問依頼と出演オファーを出しまして、お返事あった方から更に抽選で選考させて頂きました。外れた読者さま、ホントに申し訳ないです。次回にご期待下さい」
こころ龍之介、ぺこりと頭を下げる。
桜子、とりあえず頭を下げる。
【こころ龍之介】
「それでは呼ばれた方はステージの上にどうぞ」
こころ龍之介、メモを桜子に渡す。
【桜子】
「まず最初はですね、《マルスの盾》より、ガブリエラさんです」
ガブリエラ、少し驚きながらステージに上がる。
【桜子】
「続いて、《はねくみ》より、エリザ・ベ・・ス?えっ、ベス?」
【こころ龍之介】
「そっ、ベス。意外と人気あるんだわ」
桜子、気を取りなおす。
【桜子】
「ベス~、こちらへ」
ベス、照れながらステージへ。
【桜子】
「3人目はこの方、“ケルベロス”より、ジョージさんです」
ジョージ、呼ばれると思ってなかったらしく、和栗のモンブランを頬張っていたが慌ててアイスティーで流しこむと、ダッシュでステージへ上がる。
【桜子】
「いよいよ、最後の方です」
こころ龍之介、ニヤニヤする。
【桜子】
「お待たせしました、《ケルベロス》より、ミツルさんでーす。ステージの上にどうぞ~」
ミツル、頭掻きながら前に進み、ステージに足を掛けた瞬間滑ってこける。
会場、定番だぁー、とツッコミ。
呼ばれた4人、ステージ左側に集まる。
【こころ龍之介】
「君達に質問を下さった方は、この方がたです。どうぞ、お入り下さい」
【桜子】
「会場の皆さん、ステージの皆さん、拍手でお出迎えお願いします」
会場、溢れんばかりの拍手。
入口が開き、読者さま入場。
こころ龍之介、更にメモを桜子に渡す。
【桜子】
「ご紹介させて頂きます。まずは、“無垢ネコ”さまです」
無垢ネコさん、ぺこりと頭を下げステージへ。
【桜子】
「次に、“くっきー”さまです」
くっきーさん、周囲に会釈しながらステージへ。
【桜子】
「お3人目は、“のあ”さまです」
のあさん、キョロキョロして、手を振りながらステージへ。
【桜子】
「最後はこの方、“高見波”さまです。どうぞステージの上へ」
高見波さん、かなり緊張した面持ちでステージへ。
読者代表4人、ステージ右側に固まる。
こころ龍之介、読者さまに向かい。
【こころ龍之介】
「さて、本日は遠路遥々、こころ龍之介ワールドまで足をお運び頂き、真に感謝しております。僅かですが、ご堪能していって下さい」
こころ龍之介、正面を向く。