第弐話
【ベス】
「それでは、今度は“はねくみ”のみんなに話を聞きたいと思いまーす
“はねくみ”一同、はーいと返事。
【ベス】
「でも考えたら、私を含め、公式で全員集まるのは、今日が初めての気がするんですが・・・」
【桜子】
「確かに。いつもはクラスや寮で集まってるのに、7人揃う事なかなかないもんね。あっ、ゴメンなさい、自己紹介だったわね。私は鷲尾桜子、“聖クリ”2年F組所属、生徒会長と“はねくみ”リーダーやってます。実家は横浜で、バイク・メーカーです。ちなみにここにいるメンバーは、全員同じクラスです」
【こころ】
「ウチは鷹見こころとよ。“聖クリ”で運動部総代と“はねくみ”では副リーダーやっとっと。おかげさまで、いろんなスポーツの代表合宿とか、よく呼んで貰ってたりもしてると。実家は福岡のちびっ子園とよ」
【ベス】
「こころは、いつも忙しそうだよね?」
【桜子】
「そうなのよ。なのに、まだ駅前のラーメン屋さん“博多っ娘、純情”でバイトもしてるのよね」
【こころ】
「うん。ウチ、孤児やけ。学園生活は特待生やからタダと、多少のお小遣いも出るとよ。けど、福岡に残ってる弟や妹らに何か送ってやるのは、やっぱり自分で稼いだお金やないとアカンと思うばい。後、進学した時の学費とか」
【藍】
「偉い、偉い。ホンマ、そんなこころちゃんやから、ウチは大好きどす。あっ、ウチは隼人藍といーます。よー分かりませんけど、文化部総代もやらしてもらっておす。実家はそこで鮪捌いてるお父ちゃんのいる京都の料亭旅館どす。皆さん仲良うしてやってくださいねー」
男性一同、可愛いーと絶叫。
【皐月】
「烏丸皐月、東京都出身、基本引きこもりです。今日は来ていませんが、兄は“聖クリ”で歴史の教師やってます。それから、自分、目立つの嫌いです・・・」
【ベス】
「はい、で、私がベスこと、エリザベス=スノウィオウロード」
一部の男性達、ベスちゃーんと声がかかる。
ベス、小さく手を振る
【ベス】
「ありがとうございます。で、ロンドン生まれの神戸育ちです。5才の時に日本に来ました。パパはイギリスの在日領事でしたが、今は本国へ帰ってます。ちなみに、寮は私とローズと皐月が同室で、向かいの部屋に桜子、こころ、藍が住んでいまーす」
【ローズ】
「次、ミー、ネ。」
ローズ、自分を右親指で差し、ブラウスしか羽織っていないノーブラの胸を突き出す。
一部の男達、サービスだと騒ぐ。
【ローズ】
「ワタシハ、ローズ・M=ピーコックマン、ト言イマス。アメリカ、テキサスカラ、来マシタ。ステイツデハ、マーシャル・アーツノハイスクールチャンプ、デシタ。ダディハ、アメリカ大陸横断バスノ社長サン、ヤッテマース」
【ベス】
「ちなみに、ローズ。今日もノーブラ?」
【ローズ】
「イエス。オンリー、ニプレス、ネ」
一部の男達、やっぱりサービスだと騒ぐ。
【ベス】
「はい、落ち着いて下さいね。“はねくみ”最後は、このヒト」
【瑠奈】
「こんばんわ。鳩村瑠奈です」
一同。おー!と歓声。
瑠奈、ペコリと頭を下げる。
【瑠奈】
「ぇっと、大阪府富田森市出身です。実家から通ってます。クラスでは、保健委員やってて、かなりのドジっ子です」
【ベス】
「でも、一部の男の子の支持、凄いですよ~。泣きの瑠奈って」
【瑠奈】
「ぁ、ぁりがとぅ、ござぃます」
瑠奈、再びペコリと頭を下げる。
【ベス】
「“はねくみ”の中で、唯一彼氏がいるのが、瑠奈なんだよね?」
【瑠奈】
「そぅなのかな。ははっ」
一部の男達、俺たちも彼女欲しいーとダミ声。
こころ龍之介、乱入
【こころ龍之介】
「そこのモテない、ジョージとミツル、静かにする」
ジョージとミツル、名指しされ凹む。
【ベス】
「ここの時点で乱入って事は、また新作ですか?」
【こころ龍之介】
「残念、同じネタは2つはやらない。でも、さすがに、可愛い子や綺麗な子が7人並ぶと、楽しいねぇ。クールビューティ“桜子”、熱血ガール“こころ”、天然系美少女“藍”、ミステリアス“皐月”、正統派外国人美少女“エリザベス”、エロカッコイイ“ローズ”、それと男心をくすぐる萌え系ドジっ子“瑠奈”。我ながら、書いてて楽しいわ」
【桜子】
「で、先生、何がしたいの?」
【こころ龍之介】
「ふふっ。君たちには、“禁断のくらら”シリーズには、基本、ずっとどんな形であれ、参加してもらおうとは思っている」
“はねくみ”一同、やったぁと歓喜の声。
【こころ龍之介】
「でだ、1つ条件がある」
こころ龍之介、ニヤリと笑う。
【ベス】
「もしかして、毎晩、取っ替え、引っ替えですか?」
“はねくみ”一同、サイテーとブーイング。
ローズ、動く。
【ローズ】
「ソレデ主役モラエルナラ、ワタシハ構ワナイ」
ローズ、こころ龍之介に近付き、耳元で囁く。
【ローズ】
「ネッ、イイデショ」
こころ龍之介、真っ赤に照れる。
他の“はねくみ”一同、それもアリかと考えだす。
こころ龍之介、首をブンブン横に振る。
【こころ龍之介】
「こらこら、作者をからかうもんじゃありません。ちょっと楽しそうだけど・・・」
龍之介、壁を指差す。
【こころ龍之介】
「私がやりたかったのは、コレだ!」
バサっと幕が落ちた。
【ベス】
「えっ、何?“君こそスターだ!はねくみ☆トゥエルヴ、追加メンバー募集”但し、①名限定」
一同、え”ーっと驚く。
【桜子】
「先生、どういう事ですの?“はねくみ”は、現在、7名。5名も追加されるのですか?」
桜子、こころ龍之介の首を捕まえブンブン振る
【こころ龍之介】
「くっ、苦しい・・・」
桜子、手を離す。
こころ龍之介、はぁとため息。
【こころ龍之介】
「死ぬかと思った・・・。1名は既にスカウト済みだ。現在、キャラクター養成所で、猛特訓している。気をつけないとお前ら、食われるぞ。これ以上は秘密だ」
【藍】
「で、残り4人を公募しはるんですなぁ」
藍、目が笑ってない。
【こころ龍之介】
「そうだ。一応、補欠もスカウトはした。但し、その子以上の子がいたら、残念だかお引取り頂く」
一同、うわーシビアだと漏らす。
こころ龍之介、紙をベスに渡し、読むように支持。
【ベス】
「これ読めばいいんですね?“君こそスターだ!はねくみ☆トゥエルヴ、追加メンバー募集”。但し、①名限定”のお知らせ。応募対象年齢:15~18才。応募対象資格:見た目女の子である事。国籍、肌の色、問わず。但し、名字に鳥の名前が入ってる事。名字が付けれない場合は下の名前だけでも可能。エントリーについて:エントリー専用記事に、キャラクターの名前、身長、3サイズ、おおよその性格とどんなビジュアルかを書いて、エントリー。締め切りは、4月1日の正午まで。第1次選考通過予定は3名。第1次選考通過者には、発表後さらにキャラの詳細をおききした上で、選考し、最終発表いたします。但し、申し訳ありませんが、キャラの版権で揉めたくないので、キャラクター確立後は、版権はこころ龍之介に帰属させて頂きます。賞品はマジで会った時に焼肉ご馳走します。会えない距離の方には、何かしらささやかですがプレゼントを送らせて頂きます。お遊び企画ですので、ご理解頂いた方のみご参加下さい。うわっ、長っ」
【こころ龍之介】
「ちなみに参加確定は、ショートヘアーのボクっ子の正統派日本人美少女だ。補欠の女の子は、ギャル系だ」
一同、なんか期待の新人だーと騒ぐ。
【桜子】
「で、先生は結局、何がしたいんですか?」
こころ龍之介、ニヤリと笑う。
【こころ龍之介】
「君たちは、この“禁断のくらら”シリーズが、ミステリーだと言う事を忘れてないかい?」
【桜子】
「!?」
【こころ龍之介】
「つまり、私が“はねくみ”に求めるのは、江戸川乱歩先生における少年探偵団のポジションなのだよ」
一同、おースゲーと驚く。
“はねくみ”一同、頷く。
【はねくみ全員】
『先生、了解しました。日々、努力します』
【こころ龍之介】
「やっぱり、君ら可愛いわ、頑張れや」
【はねくみ一同】
『はい!』
【こころ龍之介】
「スマン、長くなった。ベス、次、行ってんか」
【ベス】
「分かりましたぁ」
ベス、笑顔で今度は、“ケルベロス”に向かって歩き出した。
【ベス】
「はい、お待たせしました。今度は、“番犬警備保障株式会社”のチーム“ケルベロス“》から代表してこの3名の皆さんです」
一同、なんかイカついーと驚く。
【ベス】
「まずは再登場になります。聖クリ理事長で、クララ・グループの最高経営責任者、JJさんでーす」
“はねくみ”一同、理事長~!と黄色い声援。
【JJ】
「照れるネ、やっぱし」
【ベス】
「このチーム“ケルベロス”は、他のチーム“パトラッシュ”や“ヨーゼフ”と、違うとお聞きしましたが?」
【JJ】
「うん、そーだヨ。こーみえて、こいつらは要人警護しかしないエリートなんだヨ」
“ケルベロス”、胸を張り誇らしげ。
【JJ】
「馬鹿も多いケド」
“ケルベロス”、ガクっとなる。
【JJ】
「デモ、頼りになる連中サ」
JJ、親指を立て“グッジョブ”サイン。
“ケルベロス”、あわせて“グッジョブ”サイン
双方、歯を見せ“ニカッ”と笑う。
【ベス】
「それでは、メンバーの方にお聞きします」
【タケ】
「ん、俺からか?えー、“ケルベロス”タケ、こと、安堂猛です。元々は、東京消防庁で特救やってました。出身は、東京です」
【ベス】
「元レスキュー隊員だったんですか!カッコイイはずですよね~」
タケ、少し照れる。
【ジョージ】
「キャバクラいっても、モテるのはタケばかりさ」
【ベス】
「あー、まだ話振ってないのに~」
【ジョージ】
「いーじゃねーか、次、俺なんだから。俺は、《ケルベロス》ジョージ、こと、堅下譲司。元は大阪府警の第三機動隊にいた。顔の傷は、そん時に付いたモンだ。そこの“鉄”さんは、大阪府警の先輩に当たってな。辞める事になった時、“鉄”さんが紹介してくれたのが、ボスんトコだったんだ」
鉄、手を上げる。
【ベス】
「そーだったんですか!それは知りませんでした。だから、ジョージさんは警察に顔が効くんですね」
【ジョージ】
「まぁな」
【ベス】
「でも、ホントに餃子好きですよね?」
【ジョージ】
「あぁ、俺たちはいつもフルパワーで仕事するからな、ニンニクパワーが必要なのさ」
【ベス】
「なるほど~。ありがとうございました。次は」
ベス、ミツルの前を素通りしようとする。
ミツル、慌てる。
【ミツル】
「ひでぇ~、ベスちゃんにもイジめられた~」
ミツル、凹む。
ベス、ニヤリと笑う。
【ベス】
「違いますよ~。“イジめた”んじゃなくって、“イジった”んです」
【ミツル】
「え、そーなの?」
【ベス】
「期待通りのボケありがとうございます」
ベス、マイクを向ける。
【ミツル】
「俺っすよね。えー、“ケルベロス”ミツルこと、法善寺満。二十二歳。北海道小樽出身。元々は陸上自衛隊習志野駐屯地の空挺部隊にいました。大阪に来るキッカケは、自衛隊辞めて新宿・歌舞伎町で酒飲んで暴れている処を、ボスに拾われました」
【ベス】
「小樽の出身だったんですか~」
【ミツル】
「だから、魚にはうるさいです」
一同、なるほど~と頷く。
【ベス】
「あっ、そーいえば、先程、番犬本部に残ってるオペレーターのミカさんとミズホさんからお3人に伝言がありました」
【ジョージ】
「なんて言ってんだい?」
【ベス】
「本部で待機してんだから、料理持って帰って来て欲しいって、書いてありますねー」
【JJ】
「ミツル、持っていってあげて」
【ミツル】
「了解しました、ボス」
【JJ】
「それカラ~、前にボクの事、代表って呼べっていったケド。撤回するサ、ボスでいいさ」
JJ、ため息。
【JJ】
「誰も呼んでくれないんだもン、もういいサー」
【ベス】
「良かったですね、皆さん」
“ケルベロス”、なんだか嬉しそう。
ベス、“マルスの盾”に向かって歩き出した処に、瑠奈駆け寄る。
【ベス】
「どうしたの?瑠奈?」
【瑠奈】
「ゴメンなさぃ。今からバィトぃかなくちゃ」
【こころ龍之介】
「まぁ、生活は大事だからな。しょうがない、行っておいで。お土産持って帰るんだよ」
【瑠奈】
「ぁりがとぅござぃます。皆さんは、またまだ楽しんでって下さぃ。それでは失礼しまーす」
瑠奈、ぺこりと頭を下げ退場。
残りの“はねくみ”、頑張って~!、と声援。
残りの他のキャストも、頑張れー!、と声援。
【ベス】
「それでは今から、ヨーロッパよりお越しの“マルスの盾”の皆さんに、お話をお聞きしたいと思います」
ベス、改めて“マルスの盾”に向かって歩きだす。