第拾伍話
【こころ龍之介】
「えー、とりあえず、ボールの色から発表させて頂きます」
会場一同、ゴクリと息を飲む。
【こころ龍之介】
「色はグリーン、つまり、“はねくみ”!」
“はねくみ”、キャーと驚く。
【こころ龍之介】
「そして、おめでとう!1等、特別篇主役はキミだっ、鷲尾桜子!ステージの上にカモーン!」
桜子、ピン・ライトが当たる。
“はねくみ”一同、キャーと喜ぶ。
桜子、涙ぐむ。
桜子、こころと藍に押されてステージの上に。
こころ龍之介、主役と書かれた目録を桜子に渡す。
【こころ龍之介】
「おめでとう、桜子。主役、演りたかったんだよね?いつも努力してるの、神様が見てたんだよ。良かったね」
桜子、涙。
【桜子】
「あっ、ありがとうございます。アタシ、もっともっと努力して、主役演じきってみせます。皆さん、サポートお願いします」
桜子、深々と頭を下げる。
会場、大拍手に包まれる。
【こころ龍之介】
「とりあえず、“禁くら”現代篇の他の準主役2人とアーリーデイズ篇の主役に一言貰おうか。ガブリエラ、ハルナ、こっち来て。それから、くららちゃん、ステージ上がってきて」
くらら、軽快にステージの上に参上。
【こころ龍之介】
「じゃ、ガブリエラから」
【ガブリエラ】
「おめでとう、桜子。本篇でもまだ絡んでないけど、私は貴女と早く演ってみたいのよ。特別篇、期待してるわ。頑張ってね」
【桜子】
「はい、努力します」
ガブリエラ、桜子を抱きしめ、頬にキス。
桜子、少し照れる。
【こころ龍之介】
「次、ハルナ」
【ハルナ】
「主役、おめでとう。よかったねー、桜子ちゃん。ウチも本格的にアンタと演ってみたくって仕方ないねん。特別篇で腕上げてきて、本篇で待ってるわ。ウチはアンタの最高の演技が見てみたい」
ハルナ、ニヤリと笑う。
【桜子】
「ありがとう、ハルナさん。アタシも早く貴女と演ってみたいわ」
桜子、合わせてニヤリと笑う。
ハルナ、握手を求める。
桜子、ガッチリ握ぎる。
ハルナと桜子、ウフフと笑い合う。
【こころ龍之介】
「キミら、なんかええライバルやなぁ。さて最後に、くららちゃん」
【くらら】
「よかったね、桜子。あたしも、2人同様、いつか、もし可能ならば、あなたと演ってみたいわ。頑張ってね」
【桜子】
「くらら先輩、ありがとうございます。アタシこそ共演させて下さい、端役でかまわないので。特別篇、頑張ります」
【くらら】
「うん、いい笑顔。さすが、あたしの後輩だっ」
くらら、にっこり笑い、抱きしめる。
桜子、素直に照れる。
会場一同、大拍手。
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【証言】くっきー
ネタバラシ:
実はこの抽選会、
余りに適した人が適した物を手にしているので、
創作だと思うでしょうが、
作者さんは「本当に」
小さな紙に賞品と、参加者を書き込んで抽選したんですよね…
キャラにもリアルな人間のように「運命」があるのかな?と驚きました。
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【ハルナ】
「先生、さっきの3等の決め直ししよ~」
会場、そーだー!とかけ声。
【こころ龍之介】
「わかった。文句言いっこ無しだよ」
【ハルナ】
「ウチが文句言わせへんし、なっ、シズク?」
【シズク】
「だねぇ」
【こころ龍之介】
「じゃあ、ちょっとだけ差を付けるために、ミュージックは私がアカペラで・・・。」
会場、はははっと苦笑い。
【こころ龍之介】
「ぢゃかぢゃかぢゃん!この人」
こころ龍之介、イエローのボールを取り出す!
【こころ龍之介】
「当選者、読み上げます」
会場一同、ゴクリと息を飲む。
【こころ龍之介】
「やっぱり、準主役、運が強い!ハルナっ、アメリカ行っておいでー!」
会場、おーと驚き。
【シズク】
「ハルナ、凄いじゃん」
【ハルナ】
「嘘やっ、そんなんありえへん」
【シズク】
「アタシはいいと思うよ、貰っても。ねー?会場の皆さん?」
会場一同、異義なーしとかけ声。
【こころ龍之介】
「ほんま、ハルナ、君も運強いなぁ~。特別や、くららちゃん、その目録渡したってー」
【くらら】
「はい、ハルナちゃん。おめでとう」
【ハルナ】
「おおきに、ありがとうございます。ってか、先生、コレ、マジで貰ってもいいの?」
【こころ龍之介】
「ええよ。行っておいで。作品にするかどうかは、分からへんけど・・・。くららちゃん、一言言うたって」
くらら、頷く。
【くらら】
「あなたとは話出来てないけど、そのうち絡んでみたいわね」
【ハルナ】
「ホンマ、どうにかして、一度くららさんとも演ってみたいっすね。先生、無理なん」
【こころ龍之介】
「むちゃ言うたら、アカンよ、ハルナ」
【くらら】
「不可能を可能にするんが、真の小説家ちゃうん?リュウくん」
くらら、こころ龍之介をじーっと見つめる。
【こころ龍之介】
「相変わらず、キミは無敵だなっ。キミが言うと出来そうに思えてくるから、不思議だわ」
【くらら】
「現に、あたしはここに居るやん」
くらら、下を指差す。