第拾参話
【こころ龍之介】
「愛琉さん、目録の準備お願いします」
【メイド長・愛琉】
「はーい、ご主人さま♡」
メイド長・愛琉、目録をワゴンの上に乗せ登場。
【こころ龍之介】
「さて、じゃあ抽選を始めよう。当選された方、ステージの方へお越しください。ハルナとシズク、インタビューしたってね」
【ハルナ&シズク】
「はーい、先生」
会場一同、息を飲む。
【こころ龍之介】
「では、ミュージック、スタート!」
ジャカジャカジャカジャン!
こころ龍之介、箱からブルーのボールを取り出す。
【こころ龍之介】
「9等、餃子100人前はこの人。“ケルベロス”ミツル!」
【シズク】
「ミツルさん、どーぞこちらへ」
“ケルベロス”一同、拍手。
“ケルベロス”ミツル、照れながらステージへ。
“ケルベロス”ミツル、ステージの上でコケ、顔面強打。
会場、また定番すぎるやろーとツッコミ。
“ケルベロス”ミツル、愛琉から9等の目録を受け取り、小さくガッツポーズ。
【ハルナ】
「よかったねー、ミツルさん。ほな、一言」
【“ケルベロス”ミツル】
「ジョージさん、一緒に食いに行きましょう!存分に食って下さい!」
“ケルベロス”ジョージ、いい後輩を持ったと号泣。
【こころ龍之介】
「ミツル、偉いねー。ジョージ、良かったねー。あっ、ミツル、降りないで端っこにおってんか」
“ケルベロス”ミツル、頷き、端に移動。
【こころ龍之介】
「次行きますよ~、8等はこの人!」
ジャカジャカジャカジャン!
こころ龍之介、箱からグリーンのボールを取り出す。
【こころ龍之介】
「8等、薔薇の花1200本は、おめでとう!“はねくみ”皐月」
【ハルナ】
「皐月ちゃん、おめでとー、こっち来て下さい」
“はねくみ”一同、やったね皐月と拍手。
“はねくみ”皐月、少しだけ照れステージの上に。
“はねくみ”皐月、ペコリと頭を下げ、愛琉から8等の目録を受け取る。
【シズク】
「おめでとう、皐月さん。一言、お願いします」
【“はねくみ”皐月】
「ありがとうございます。じゃあ。みんなー、毎月一度は、薔薇風呂するわよ~!」
“はねくみ”、すごーいと大拍手。
会場一同、拍手。
【こころ龍之介】
「よかったね、皐月」
“はねくみ”皐月、何気にピースサイン。
【こころ龍之介】
「次、行きます。7等は・・・」
ジャカジャカジャカジャン!
こころ龍之介、箱からレッドのボールを取り出す。
【こころ龍之介】
「おめでとう、7等、“ヲタロウテ・女王の間”でお茶は、“マルスの盾”ヨハン!」
【ハルナ】
「ヨハンさん、おめでとー、こっちに来て下さい」
“マルスの盾”、拍手。
“マルスの盾”ヨハン、頭を掻きながら、ステージへ。
“マルスの盾”ヨハン、頭を軽く下げ、愛琉から7等の目録を受け取る。
【シズク】
「ヨハンさん、って、会いましたよね?ジャンヌさんのお仕事仲間の」
こころ龍之介、割って入る。
【こころ龍之介】
「シズク、巻いてるから急いでくれるかな。その話は、また・・・」
【シズク】
「了解りました。先生。では、ヨハンさん、一言どうぞ」
【“マルスの盾”ヨハン】
「ココロ先生、オ願イガアリマース」
【こころ龍之介】
「どうした?ヨハン」
【“マルスの盾”ヨハン】
「ハイ、ワタシハイイデスカラ、“ヲタロウテ”ノケーキヲ、ローゼンヌノ奥サント子供タチニ、送ッテヤッテ貰エマセンカ?」
【こころ龍之介】
「それは・・・」
こころ龍之介、考える。
【こころ龍之介】
「構わないかなぁ?愛琉さん」
メイド長・愛琉、会場のある人物を見て頷く。
【愛琉】
「ご主人さま、OKだそうです♡」
こころ龍之介、頷く。
【こころ龍之介】
「賞品内容変更するから、会場のみんなにも確認しないとね。構わないよね?」
会場一同、賛成ーとか、意義無ーしとか、声が上がり、大拍手。
【こころ龍之介】
「良かったね、ヨハン。とりあえず、1年間“ヲタロウテ”のケーキプレゼントに変更させて貰う」
ヨハン、涙ぐむ。
【“マルスの盾”ヨハン】
「アリガト、ゴザイマース」
会場、拍手。
【こころ龍之介】
「さぁ、続けて行きますよ~。6等はこの人!」
ジャカジャカジャカジャン!
こころ龍之介、箱からレッドのボールを取り出す。
【こころ龍之介】
「わぉ!6等、“佐津眞”別館、宿泊ペアご招待は、ガブリエラ!」
【ハルナ】
「ガブリエラさん、ステージに来て下さい~」
ガブリエラ、見事なまでに優雅に登場!
ガブリエラ、更に優雅に愛琉から6等の目録を受け取る。
【ハルナ】
「あれー?ガブリエラさんって、ジャンヌさんの事?」
【こころ龍之介】
「ガブリエラは、本名。ジャンヌ=マリーは、モデルとしての名前」
【シズク】
「そーなんだ。アタシらの源氏名みたいなものですか?先生」
【こころ龍之介】
「うん。まぁね。さっ、シズク、一言貰ってやってくれ」
シズク、ポルトガル語で話かける。
【シズク】
『おめでとうごさいます、ジャンヌ、いやガブリエラさん。』
ガブリエラ、流暢な日本語で話だす。
ハルナとシズク、驚く。
【ガブリエラ】
「ありがとう、シズク、そして、ハルナ」
【ハルナ】
「うそー、日本語、ペラペラやん」
ガブリエラ、驚くハルナに近付くと、ギュっと抱きしめ頬っぺたにキスをする。
【ガブリエラ】
「ごめんなさい、騙してた訳じゃないのよ」
ハルナ、顔を真っ赤にする。
【ハルナ】
「もー、訳わからんけど、ええわ。とりあえず、ジャンヌさん、おめでとう」
【ガブリエラ】
「ありがとうとても嬉しいわ。京都はね、行きたかったの、とっても。先生ご一緒して下さる?」
こころ龍之介、予想外の指名に驚く。
こころ龍之介、会場からの強烈な視線を感じ取る。
【こころ龍之介】
「えー、何?えー、アカンて、行きたいけど・・・。スマン、やっぱし無理やわ」
ガブリエラ、クスっと笑う。
【ガブリエラ】
「嘘よ、先生。誰かと行くわ」
カブリエラ、ステージの端に下がる。
こころ龍之介、汗を拭く。
【こころ龍之介】
「焦ったー、マジ焦ったー。次行こ、次。5等、ビックスクーターは・・・」
ジャカジャカジャカジャン!
こころ龍之介、箱からグリーンのボールを取り出す。
【こころ龍之介】
「おめでとう!藍!」
【シズク】
「“はねくみ”藍ちゃん、こちらへいらして下さい」
“はねくみ”一同、大拍手。
藍、嬉しそうにステージに上がる。
藍、5等の目録を受け取り、ガッツポーズ。
【ハルナ】
「藍ちゃん、おめでとう」
【藍】
「嬉しいけど、ウチまだ免許持ってないんどす。お父ちゃんが、まだアカンって」
【ハルナ】
「取ったらええやん。ウチが交渉したるわ。藍のお父ちゃん、かまへんなぁ?でないと、祇園の一件バラすで、ええよね?」
隼人鉄心、ちょっと焦ってOKを出す。
【ハルナ】
「許可出たで、免許取りに行っといで」
【藍】
「おおきに、瑠奈ちゃん」
【ハルナ】
「ん?ウチ、ハルナやで」
【藍】
「あっ、そーどしたなぁ。おおきにハルナちゃん。それから、お父ちゃん、祇園の事、後でじーっくり、お姉ちゃん達と聞かしてもらうよし、そのつもりでおってな」
隼人鉄心、震え上がる。
藍、ステージの端に下がる。
こころ龍之介、ため息を吐く。
【こころ龍之介】
「藍、締めすぎたらアカンよ。ぼちぼちにね」
会場、ハルナの情報力と藍の凄みに驚く。