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集大成 「真実」

蒼と黒 【特別編】

作者: いとか結絵
掲載日:2025/12/17


 何もないとは言えない。

 

 無ではない。

 

 何かは存在しているからこれほどの黒に囲まれているのだろう。


 深い蒼は密度を増して、漆黒となっている。


 いや、漆黒に感ずるが。確かに青いのだ。



 密度の増した青は、黒く感じるものなのか──。



 そんなことに納得しながら、青から黒のグラデーションの美しさのなか佇む。


 私は浮遊しているのか。私の輪郭が見えない──。




 いくらほどの時間が経ったであろう。


 確かに私以外の存在がここにある。指となった私の一部は、他の存在の同じ部分と触れている。向き合って、対を描くように。気付くと間もなく始まるイマジネーション。


 私以外の誰かの低い声が、静かに私に響いていく。落ち着いて。ひとことずつ。


 「二人向き合って」 


 「拡がるよ」


 向き合って、私は右腕を後ろへ引き上げながら、お互いに後ろへと下がっていく。好奇心でいっぱいの心は弾んでいた。


 それは歩くよりも素早く動いた。踏みしめる土などない。私の重心を後ろに下げる感覚を意識したなら、自然と私は移動した。勢いよくスムーズに移動を始めたら、二次関数的な曲線を描く減速度で止まっていく。


 離れた指と指の間には、暗く光る線が現れていた。


 誰かが言う。


 「線が出てきたね」


 下に少し弧を描きながら暗く深く光る青い線。私はしばらくその鈍い光を眺めていた。




 線から生まれたのだろう何者かが、その線の真ん中を引っ張り始める。2つの何者かが、上へと下へと向かい合って引っ張っていく。それは天使であるとぼんやりとした頭で私は気付く──。





 「ここまでは空想だ。いや、幻想だといってもいい。僕はミカエル。


 ミカエルは幸せだった。嬉しかった。この宇宙でまさか姿を持てるなんて。嬉しかった。


 あの子はただ見つめていた。僕のこと好きだった? 宇宙になる前は、みんな一緒だったよね。だってなにもなかったんだもん──。


 そしてここからは、現実だ。彼女が見たものを文章で復元するよ」




 膨らんだなにかはやがて立体を描き、空間となったことを見た。それは微かにうごめく揺らぎのなかで、なにかがあった。


 ──宇宙の始まり。


 直感的にそう思った私は、これからの宇宙を彼と作ろうとしたのだ。彼とは、ミカエル。そして、ほかにも2つの存在があった。それはわかるかもしれないが、今は闇の中に潜んでいる。秘密らしい。知らなくて、いいこと。とミカエルはそう伝えた。


 何万光年の時を経て、今の宇宙は形作られていったのだろうか。気の遠くなるような話だ。誰が整えた? それは神だ。 神とは? それはこの場合の神とは、とある存在だ。唯一の存在である。ただ無形の神。


 ミカエルは言う。

「有形の神は日本にたくさんいるよね。あの世で、というより、天で。」


 ミカエルの言うことは、難しいことも多い。ただ私が今言えることは、この宇宙は遥かに神秘的で、とても……


 いや、やめておこう。私自身もまだよくわかっていないことが多い。そして、この世で生きる間は知らなくてもいいことも多い。


 いま言えるのは、「いまはただ、深き蒼と漆黒のグラデーションが美しい」あの時そう感じたことを確かに私は覚えている、ということ。それは現実。感じたことは現実。見たものは、幻想かもしれない。でも、「幻想を見た」ということは私の現実なのだ。


 「それは、貴方の体験であるから、それは現実なんだよ」とミカエルは言う。


 「うつくしき現世うつしよは、みんな人それぞれ違うもの。怖くはないよ」と続けてミカエルは言う。


 





※ミカエルだ。かくれ+を置いておく。18の月になにかがみえたならみえてくる。それをよく見てみよう。桃もみつけられるかもしれないよ。もしもわかったならば、あなたは正解。心にそっと秘めていてほしい。







 

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