レベルアップ
ー『カイ』のレベルが上がりましたー
ー『カイ』のレベルが上がりましたー
ー『カイ』のレベルが上がりましたー
ースキル『縮地』のレベルが上がりましたー
ースキル『縮地』のレベルが上がりましたー
ースキル『縮地』のレベルが上がりましたー
ー『縮地』がレベル6に到達したためパッシブスキル『超視力』を獲得しましたー
ー『縮地』がレベル7に到達したためスキル『衝撃波』を獲得しましたー
ークリスタルウルフ 個体名『アゼル』から固有スキル『属性変化』を受け継ぎましたー
朦朧とする意識の中でレベルアップの音が鳴る。
とりあえず倒した安堵で緊張の糸が切れて、そのまま意識を失った。
「....か? ........よ ....ろ」
「起きろ!」
はっと目が覚める。横を見ると先刻の商人がいた。
「よく目を覚ました、少年、よくそんなボロボロで生きられたものじゃ。」
身体を見ると右腕は無事だったが左腕は千切れかけていた。胸も肺がギリギリ見えない位までは深い傷を負っていた。
あれ?音が聞こえる?
「たまたま持っていたハイヒールポーションを全身に使ってもこの有様じゃ。さっきまでもはや生きているのかすら怪しかったが、、今馬車に乗せて街まで送るからそこで治療をするぞ」
ガラガラと全力で馬車を走らせてくれているようだ。
「いや、それにしても馬車を走らせていたら遥か後ろのはずなのに暴風やら狼の声が聞こえてな。
確証はなかったがお主が襲われているかもしれんと思って来てみて正解じゃったわ」
そんなに離れていても攻撃での暴風やら声が聞こえたなんて
本当に何で倒せたのやら、、
「それにしても、あの狼の魔物はなんじゃ?魔晶石が辺りに飛び散っておったからクリスタルウルフなのか?」
俺は気力を絞ってこくりと頷く。
「そうか、クリスタルウルフならその怪我も納得じゃ、しかしクリスタルウルフを撃破するなんてお主何者じゃ?」
そう聞かれたが俺に答える元気がある訳もなく、またそのまま気を失ってしまった。
気がつくと次は教会のベットに横たわっていた。
「ここは、、」
「目が覚めたようだな少年よ」
そこに居たのは神父さんだった。
「それにしても運が良かったな。ミゲルがここまで連れてくるのがもう少し遅かったり、途中でハイヒールポーションを使っていなければ身体のどこかに障害が残っていたやもしん」
俺は急いで自分の身体を確かめた。
左腕は傷一つなく、まるで初めから切断されかけてなどいなかったかのようだ。
胸の深い傷も、包帯越しに確かな肉の感触が戻っている。
――これが、神父の奇跡。
まるで時間を巻き戻したかのような、常識を超えた回復力だった。
「それより、クリスタルウルフを撃破したというのは本当か?クリスタルウルフといえばそもそも出会うことが珍しい上討伐も非常に難しいと聞くが」
「倒せた、と言っていいのか分からないのが本音です。あ、そういえばクリスタルウルフとの戦闘で確証は無いのですが気づいたことがあって」
「ほう?気づいたこととは?」
「実はクリスタルウルフと戦っている時、最後にあいつ真っ黒になったんです、闇属性とも闇耐性とも違う本当に漆黒でした」
「まさか!漆黒の狼型の魔物といえば」
「憶測に過ぎませんが、恐らく」
「「シャドウフェンリル」」
「そうなれば本当によく倒せたもんだ」
「いえ、シャドウフェンリルになってからは手も足も出ませんでした。逃げることしか、、」
「じゃあなぜ君は今生きているんだ?」
「そこは僕にも分からないんです、最後に苦し紛れに投げた剣が当たったくらいしか、、」
「まさか、クリスタルの容量の限界か、、?」
「なんですかそれ?」
「あー、いや魔晶石に魔力を込め過ぎると割れてしまうだろう?あれと同じ事が起きていたかもしれんと思っただけだ」
「いや、けど俺を倒すために色んな魔法を乱れ撃ちしていたから、あるいは、、」
「どちらにせよ君は運が良かったよ」
「助けて頂きありがとうございました」
「あと2、3日は安静にしていなさい」
「あ、けど今クエストの途中でして、、」
「んー、場所はどこだ?」
「あ、えっと最近見つかった古代遺跡です、内部調査と出来れば魔物の討伐といった感じで、」
「復帰後すぐの戦闘はあまりおすすめ出来ないが、クエスト失敗となるとその後の沽券に関わるからな、仕方あるまい私の知り合いを1人貸そうじゃないか、そこそこ強いから大丈夫だろう」
「いえ、そんな、討伐は出来ればなので内部調査だけでも大丈夫ですよ」
「しかしな、、」
「シャドウフェンリルから生きて帰って来たんですから逃げるのだけは得意なので」
「んー、そこまで言うなら仕方ないか。だが、帰ってきたら直ぐに教会に来るように」
「分かりました」
そして二日後。
傷はほぼ完治し、動きにも支障はなくなっていた。
俺は再び神殿へ向かうことにした。
旅の途中、まさかのハプニングはあったが――今はただ、クエストを果たすために足を進める。
もっとも、あの戦いで得た力、初めてのスキルがどれほどのものなのかは、まだ分からない。
……道中で、ちょうどいい実験台が見つかればいいんだが。




