絶望の象徴
漆黒のクリスタルウルフ
こんな色は聞いたことも見たこともない。
黒色の属性も無いし、黒色の耐性もない。
闇属性も紫だし、闇耐性だってどちらかというと灰色っぽい黒でこんなに黒くない。
まさに漆黒と言わしめるだけの周りを惹きつけるような黒だ。
漆黒の魔物など御伽噺に出てくるシャドウフェンリルしか聞いたことがない。
シャドウフェンリルとはどこともなく現れ、暴力の限りを尽くし辺り一帯の地形を変えてそのまま影に呑まれて消えていく、そんな魔物だ。
剣なんか効きやしないし、魔法もダメ。
大昔に国単位の人を動かして小さめの山位の大きさの岩で押し潰そうとしたという様な逸話もある。しかし結果は虚しく当たるやいなや粉と化して全く効かなかったそうだ。
ん、、?フェンリルは伝説級の大型"狼型"の魔物だ。
クリスタルウルフも大型狼型の魔物だ。
まさか、な、、、、
シャドウフェンリルの鳴き声は他の狼種と違って誰でも聞き惚れてしまう声だそうだ。
さっきまでの鳴き声は聞き惚れるとは全く真逆の鳴き声だ。そんなわけがない。
ーウォォォォオオオ!!ー
硝子のように透き通るような声だ。
一瞬時が止まったかのように思われた。
間違いない、あれはクリスタルウルフ元いシャドウフェンリルだ。
シャドウフェンリルとクリスタルウルフは同一の魔物で、クリスタルウルフの究極形態のようなものだ。
災害級かと思ったら、伝説級かよ、、、
ここら一帯がが揺れる。比喩ではない。本当に揺れたのだ。奴の1歩で、
先程までいた地面が抉れている。俺は本能で剣を構える、と言うより防御態勢を取る。
意味のあるなしは別として
次の瞬間目の前の世界がブレる。気づくと音が聞こえなくなっていた。顔の原型はあるようだ、しかし鼓膜が破れた。右腕を見ると腕は原型を保っていたが剣が、半分消し飛んでいた。
この程度で済んでよかったと安堵することしか出来ない。
俺の目の前にいるのは魔物でも何でもない。ただの絶望の塊だ。
俺はもう生きることだけ考える。クリスタルウルフが消える。俺はどこから来るか全く予測ができないが勘で避けるしかなかった。縮地を使って出来るだけ遠くに移動する。
背中を奴の鉤爪が掠りかける、掠るだけで死ぬと感じる。さっきまでいた辺りが消し飛んだ。音が聞こえない今無音で辺り一帯が消し飛ぶ、これがどれだけ恐ろしいか。
また消える。今度は敢えて先程の位置に移動する。すると、すぐ後ろ一帯が奴の咆哮で焼け野原になる。
そしてやつの身体は氷の結晶で冷やされる。
ジューという音と共に水蒸気が発生する。あまりに理不尽な暴力だ。
逃げて、逃げて、逃げる、生き残るために、
俺には、それしか出来なかった。
そして俺は気づいてしまった。
黒って、まさか全属性、全耐性全部乗せか、、?
そんな馬鹿げたものをどうやって倒せって言うんだよ、、、
俺が絶望したその瞬間、俺は気が抜けてしまった、その隙を見逃してくれる訳がなかった。気づいた時には奴は消えていた。
縮地を使った、ノーモーションで。もちろん左脚が痙る。
だがそんなことより、奴の衝撃波を食らった。
──────
意識が飛かける。痛い。痛い。痛い。
血が溢れる。止まらない。寒い。寒イ、、
気づくと目の前にはクリスタルウルフがいた。
上から見下ろしていた。
気合いで意識は保っていたが、自分でも分かる、もう既に虫の息だ。
最後の力を振り絞り、せめてもの抵抗として折れた剣を奴に向かって投げた。
「い、った、、だろう。ただ、では、やらせ、、ない、、、」
バキン
金属音のようなもの音が鳴る。
一応、当たったようだ。
バリバリバリン...パキン!
うっすら目を開けるとそこに居たのは身体の大部分が割れているクリスタルウルフだった
何が起こったのか分からない、だが確かなのは
奴はそのまま死んでいたということだけだ。
バトルシーンでもなんでもここをもう少し詳しく読みたいなど意見がありましたらよろしくお願いします




