騎士団との対面
昇格試験の数日後
俺はいつもの受付に呼ばれた。
「カイくん、カイくんちょっといいかな」
「はい、どうしました?」
「いや、また悪いんだけどさ、この前のクリスタルウルフとホワイトゴブリンのことについて騎士団の人たちが聞きたいことがあるらしいんだよね」
「え?騎士団の人たちが?」
俺が今いる国はラムターン王国、そのうちガダンという中心街とまではいかないがそこそこ大きな町に今は住んでいる。
騎士団とはラムターン王国が管理する軍だ。
この国の騎士団は周辺諸国の中でも最強と謳われている。
その理由の1つ、というかこれが全てみたいな所があるが、騎士団の団長、副団長の実力が非常に高いからだ。
どちらも冒険者ならば上級冒険者の中でも指折りの実力者と言われている。
だが、今回の2つの事件はこの国に関わる大変な事件らしかった。
「分かりました、どこに行けばいいですかね?」
「その必要は無い」
気がつくと後ろに背丈は2m近くあり、肩幅は広く、よく手入れのされている鎧を身につけ、大盾と大剣を背に背負っている人がいた。
こんなに威圧感があるのに声をかけられるまで近づいたことに気が付かなかった。
「もう、相変わらず怖い顔だな団長」
「生まれつきこの顔だ」
「うわ、こんな顔の赤ん坊とか嫌すぎる」
ふと横に目をやると今度は背丈は俺とあまり変わらないが不思議な雰囲気を持っている人が立っていた。この大きな人が団長か、てことは横にいるのは副団長ってことかな
この2人が噂の団長と副団長
「あ、は、初めましてカイと申します」
「はは、そんなに緊張しなくていいよー、まあ、こんな仏頂面が目の前にいたらビビるか」
「まあ、とりあえず君の会った魔物について話を聞きたい。聞かせてくれないか」
「はい、僕でよければ」
俺はギルドの奥、重厚な木の扉を抜けて案内された部屋に座っていた。壁には騎士団の紋章が掲げられ、部屋の空気はやけに張り詰めている。
目の前には団長アレン・ヴァルハイト。背筋を伸ばし、無駄な動きひとつない。まるで鎧そのものが意思を持って座っているようだった。
その横で、椅子にだらしなく腰かけているのが副団長フィン・レイヴィン。片手で剣の柄をトントン叩きながら、気だるそうに欠伸をしている。
そこで俺は今回起こったことを覚えている限り話した。
「なに?!ダークフェンリルとクリスタルウルフが同一の魔物だと?!」
「あくまで予想ですが、災害のような攻撃範囲、全てに対する耐性、説話の通りの体色、一致する点が多いと思うんです」
「なるほどねー、それでダークフェンリルが急に姿を消すのは魔晶石が多重属性の付与に耐えきれずにオーバーヒートを起こして自然に割れて消滅と」
「そこはよく分かっていないんですけど、最後俺が投げた剣が当たっただけで砕けてそのまま消えたので脆くなっていた可能性があると思って」
「うーん、たしかに確定するのは早いが仮説としてはかなり有力な情報だな」
「いや、俺はもうその仮説が確定でいいと思いますよ団長、たしか遠くの方にに商人がいたけど、そこからも風圧の魔素の流れを感じるくらい強大な力を持ってるなんて伝説級しか考えられません」
「ならば、拠点に帰ったら魔晶石に様々な魔力を混ぜて黒になるか試す必要があるな、カイくんと言ったな、有力な情報助かった」
「いえいえ」
「それにしても君ー、ダークフェンリルを倒すなんて、そんなに強いのー?」
副団長がニヤニヤして聞いてきた
「いや、まあ俺は逃げてただけというか、剣を投げたのもほんとに一矢報いれたらいいなくらいの気持ちで」
「ふーん、でも避けられるだけでも十分強いと思うけどね、僕は」
「おい、フィンあんまりちょっかいをかけるな」
「えー、ちょっとくらいよくない?」
「お前の悪い癖だ、騎士団たるもの凛々しくあらねばならん」
「ちぇー、かてーなほんと」
「騎士団とはそういうものだ」
「えっと、ちょっかいって、、」
「こいつ、強いやつを見つけるとすぐに模擬戦をしようとするんだ、すまないな」
「い、いえ、大丈夫です、ははは」
いや、副団長と1対1は絶対にやばいだろ、、
「え?今大丈夫って言ったよね?ね?!」
「いや、多分そっちの意味じゃないぞ?」
「い、いや俺なんか相手になるわけ、、」
「よっしゃー、じゃあここの中庭でねー」
「あ、ちょっまっ、、、」
「はぁー、すまない、ああなると動かないんだ、1戦だけお願い出来ないか」
「え、ええーーー」




